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  • 発売日:2025/05/22
  • 出版社:岩波書店
  • ISBN:9784004320647
日本人拉致
通常価格 1,034 円(税込)
通常価格 セール価格 1,034 円
セール 売り切れ
  • 発売日:2025/05/22
  • 出版社:岩波書店
  • ISBN:9784004320647
商品説明
突如自由を奪われ、独裁体制下で生きた二四年。北朝鮮からの「帰国」を後押ししたのは、現地に暮らすある人の言葉だった――。私はなぜ拉致されたのか。「マインドコントロール」「革命教育」の現実は。国家に生を翻弄された当事者自らが未解決事件の本質をえがく。重層的な人権問題として拉致を捉えなおす決定版。
目次
 はじめに――ある人の言葉
  選択肢のなかった日々
  何のために二四年間を奪われたのか

Ⅰ 問題は決して「解決済み」ではない
 1 「八人死亡」は事実か
  二〇年の時を経て
  「遭難救出」から「拉致」へ
  当局へのダメージ軽減――二つの策略
  筋書きどおりに動かせる人物を
  指導部は何を見誤ったか
 2 変遷する説明――横田めぐみさんをめぐって
  他人の遺骨だった
  拉致被害者の住所は最高機密
  妻の「死亡日」を錯覚?
  車の行き先は
  不自然な「遺骨」保管経緯
  捏造の理由

Ⅱ 日本人拉致の本当の目的
 1 直接の目的は何だったのか
  拉致機関は二つ
  「よど号」グループによる“人材獲得”
  スパイ網の構築のために
  「土台人」を利用してのなり代わり
  非合法、半合法、合法
 2 世界各地で発生した事件
  金賢姫の告白
  「日本人は思いどおりにはできない」
  偶発的な拉致だったのか
  一一人の被害――一九七七〜七八年
  曽我ひとみさん親子・田口八重子さんの場合
  前代未聞の同時多発事件

Ⅲ 拉致は北朝鮮に何をもたらしたのか
 1 果たされなかった目的
  進まない思想改造
  「拉致されたことは恥ずかしい」
  一九八八年、実家に届いた手紙
  「豆飯を食わせる」警告
  二〇〇二年の方向転換
  謝罪の背景――経済援助だけではない
 2 まず「拉致」ありきの発想
  最初の拉致で、犯人は逮捕されていた
  なり代わったが、持て余す
  対外情報調査部の「消極性」
  逮捕、自白
  送還ののち「非転向長期囚」に
 3 計画を頓挫させたもの
  確認できない工作員教育
  工作員の条件――政治軍事大学卒業
  脱出に成功した被害者たち
  国内で育成する方針に
  外国人「工作員化」の非現実性

Ⅳ 変容する思想教育
 1 工作員育成のための「マインドコントロール」術
  言いようのない孤独
  韓国敵視――塗りつぶされた「韓」の字
  「社会主義は世界の趨勢」
  映画学習、日本人としての「負い目」
  「この内容、わかりますか」
  言われるままに
  贈り物伝達式
 2 育成放棄後の思想統制
  思想の「現地化」へ
  国際情勢に目を向けさせない「二〇〇日戦闘」
  朝鮮半島核危機へ
  涙は出ない
  希望のありか

Ⅴ 独裁下を生きるということ――私に与えられた「革命任務」
 1 一二人の工作員に日本語を教える
  「用済み」とされた被害者をどう扱うか
  手に負えない任務
  朝鮮戦争従軍者たち
  ネイティブ化という幻想
  将来不安な生徒
  この二人も秘密工作員の任務につくことはなかった
  敵の手に落ちれば――幹部の保身
  怖さと後ろめたさ
 2 書庫での発見
  対外情報調査部七課
  検閲からこぼれた記事
  武田信玄について翻訳させられた
  革命英雄の小説執筆
  一冊のパンフレット
 3 異質な任務
  新室長の野心――金正日の現地指導
  「自力更生」のため建設労働者に
  月命日ごとに、花かごを
  生死を懸けた熾烈な政争
  遮断塀の中の生活
  機密に接することが負担だった
  自分で自分を警備する
 4 動き出した事態
  日朝国交正常化という目標
  「日本に帰るのが怖い」
  平壌市内の生活には馴染めない
  小泉訪朝、面談へ――変わる北朝鮮側の指示
  本音を話せない虚しさ
  踏み絵だった質問――「子どもを連れていくか」
  決断を後押しした言葉

 おわりに――重層的な人権問題として
  拉致問題の原点
  被害者「線引き」の意味は
  被害は拉致そのものだけではない

 日本人拉致 関連年表
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