書籍詳細

書籍のレビュー・概要

戦時期も日本から船ですぐに行くことができた東洋のパリ、上海。白系ロシア人や亡命ユダヤ人が流入し、西洋と東洋の接点でもあった租界では、日本軍の占領下も芸術活動が活況を呈していた。戦後日本の文芸復興を担った人々も活躍した上海租界での芸術活動を、新資料を基に生き生きと描き出す。

上海、対岸のヨーロッパ

Takumi ブックス

上海、対岸のヨーロッパ

租界と日本をつなぐ芸術家群像

著者・関係者
井口 淳子 著
カテゴリ
人文・社会科学書
刊行日
2025/03/13
体裁
四六・上製 ・238頁
ISBN
9784000616874
在庫状況
在庫あり

価格:2,970 円

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著者略歴

  • 井口淳子(いぐち・じゅんこ) 専門は音楽学,民族音楽学.大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了,文学博士.大阪音楽大学教授.主な研究テーマは中国農村の音楽・芸能,および東アジアの洋楽受容(とくに上海租界と大阪). 主な著書に『送別の餃子(ジャオズ)――中国・都市と農村肖像画」(2021年,灯光舎),『亡命者たちの上海楽壇――租界の音楽とバレエ」(2019年,音楽之友社),『中国北方農村の口承文化――語り物の書・テキスト・パフォーマンス」(1999年,風響社)など.主な共編著に『ファンキー中国――出会いから紡がれること」(2025年,灯光舎)など.

目次

  1. 第1章 ラトビア生まれの興行主、アウセイ・ストローク 1 ストロークの墓 2 ラトビアへの旅 3 上海のストローク 4 ロシア大歌劇団の衝撃 コラム 大正時代のオペラ体験 コラム 上海租界の今昔 第2章 フランス人音楽評論家、シャルル・グロボワ 1 上海の仏語新聞 2 ブールジュ、パリから上海へ 3 グロボワの音楽評論 コラム 『ル・ジュルナル・ド・シャンハイ』(『法文上海日報』)の再発見 第3章 女性冒険家クロード・リヴィエール 1 上海の女性フランス人冒険家 2 リヴィエール年譜 3 リヴィエール、ラジオ放送を変革する 4 マダム・リヴィエールのラジオ談話 5 ラジオが支えた戦時の上海租界 第4章 グロボワの音楽評論、楽壇の灯台として 1 租界の楽壇 2 特徴その一、「作品理解を促す」 3 特徴その二、「批判すべきは批判する」 4 特徴その三、「租界の楽壇を支持、応援」 5 音楽評論の影響力 第5章 ストロークのアジアツアー――(一九一八―五六) 1 極東一のインプレサリオ 2 日本にモダン・ダンスを紹介する 3 ストロークがプロデュースしたアジアツアー(一九一八―四一) 4 ツアーの中心は上海から東京、大阪へ 5 ストロークのマネジメントの手法 コラム ストロークの素顔 第6章 上海バレエ・リュスの軌跡と遺産 1 幻のバレエ団 2 一九三四年十一月、上海バレエ・リュス結成される 3 上海で上演された作品 4 日本人の視線 第7章 戦争に抗う芸術家たち 1 戦火の中の音楽評論 2 ロシア現代音楽演奏会、一九四三年二月十九日(金曜日) 3 日本人、文化工作のために上海へ 4 敗戦直前の服部良一と李香蘭 第8章 戦後、花開く上海人脈 1 一九四六年、《白鳥の湖》全幕日本初演 2 服部良一とシンフォニック・ジャズ 3 ストロークの復活と大阪国際フェスティバル エピローグ――戦後のグロボワ 注 あとがき 参考文献、ウェブサイト

本文紹介

戦時期も日本からすぐに行けた東洋のパリ、上海。日本軍占領下の戦時期上海租界の芸術活動を、新資料を基に生き生きと描き出す。

抜粋:戦時期も日本から船ですぐに行くことができた東洋のパリ、上海。白系ロシア人や亡命ユダヤ人が流入し、西洋と東洋の接点でもあった租界では、日本軍の占領下も芸術活動が活況を呈していた。戦後日本の文芸復興を担った人々も活躍した上海租界での芸術活動を、新資料を基に生き生きと描き出す。