書籍詳細

書籍のレビュー・概要

社会学は差別されてきた疾病・障害や、周縁的な存在だったケアに注目してきた。障害者運動や福祉政策の再編を受け、この30年で興隆した研究領域の成果を収録する。制度史を扱うとともに、ハンセン病や認知症、自閉症、摂食障害などにおける症状や治療、回復を問い直し、家庭や施設でケアする側/される側の経験に着目する。

医療・ケア・障害

Takumi ブックス

医療・ケア・障害

著者・関係者
北田 暁大 編集委員・岸 政彦 編集委員・筒井 淳也 編集委員・丸山 里美 編集委員・山根 純佳 編集委員・前田 拓也 編集協力
カテゴリ
人文・社会科学書
刊行日
2025/03/18
体裁
A5・上製 ・カバー ・296頁
ISBN
9784000114486
在庫状況
在庫あり

価格:3,960 円

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著者略歴

  • 【編者】 岸 政彦(きし まさひこ) 1967年生.京都大学大学院文学研究科教授.生活史,沖縄研究,社会調査方法論.『同化と他者化──戦後沖縄の本土就職者たち』(ナカニシヤ出版),『マンゴーと手榴弾──生活史の理論』(勁草書房)など. 山根純佳(やまね すみか) 1976年生.実践女子大学人間社会学部教授.ジェンダー研究,再生産・ケア労働論.『なぜ女性はケア労働をするのか──性別分業の再生産を超えて』,『産む産まないは女の権利か──フェミニズムとリベラリズム』(共に勁草書房)など. 前田拓也(まえだ たくや) 1978年生.神戸学院大学現代社会学部教授.福祉社会学,障害学.『介助現場の社会学──身体障害者の自立生活と介助者のリアリティ』(生活書院),「「できるようになる」ための場と拠りどころ──身体障害者の介助現場と介助者の語り」(共著,『生活史論集』ナカニシヤ出版)など. 【執筆者】(掲載順) 三井さよ(みつい さよ) 1973年生.法政大学社会学部教授.臨床社会学,ケア・支援論.『ケアと支援と「社会」の発見──個のむこうにあるもの』,『知的障害・自閉の人たちと「かかわり」の社会学──多摩とたこの木クラブを研究する』(共に生活書院)など. 井口高志(いぐち たかし) 1975年生.東京大学大学院人文社会系研究科准教授.医療社会学,福祉社会学,認知症研究.『認知症家族介護を生きる──新しい認知症ケア時代の臨床社会学』(東信堂),『認知症社会の希望はいかにひらかれるのか──ケア実践と本人の声をめぐる社会学的探求』(晃洋書房)など. 土屋 葉(つちや よう) 1973年生.愛知大学文学部教授.家族社会学,障害学.『障害者家族を生きる』(勁草書房),『障害があり女性であること──生活史からみる生きづらさ』(編著,現代書館)など. 中村英代(なかむら ひでよ) 1975年生.日本大学文理学部社会学科教授.臨床社会学,質的調査法.『依存症と回復,そして資本主義──暴走する社会で〈希望のステップ〉を踏み続ける』(光文社新書),『嫌な気持ちになったら,どうする?──ネガティブとの向き合い方』(ちくまプリマー新書)など. 星加良司(ほしか りょうじ) 1975年生.東京大学大学院教育学研究科教授.障害学,平等論,多様性理解教育.『障害とは何か──ディスアビリティの社会理論に向けて』,『「社会」を扱う新たなモード──「障害の社会モデル」の使い方』(共著,共に生活書院)など. 深田耕一郎(ふかだ こういちろう) 1981年生.女子栄養大学栄養学部准教授.社会的養護,障害者介助,自立生活運動.『福祉と贈与──全身性障害者・新田勲と介護者たち』,「ソーシャルワークにおける援助関係・再考──青い芝の会の友敵理論から」(『いま,ソーシャルワークに問う』所収,共に生活書院)など. 飯野由里子(いいの ゆりこ) 東京大学大学院教育学研究科バリアフリー教育開発研究センター特任教授.フェミニズム,ディスアビリティ研究.『「社会」を扱う新たなモード──「障害の社会モデル」の使い方』(共著,生活書院),『クィア・スタディーズをひらく 3──健康/病,障害,身体』(共編著,晃洋書房)など. 浦野 茂(うらの しげる) 1967年生.三重県立看護大学看護学部教授.精神障害の社会学,エスノメソドロジー.「発達障害を捉えなおす──制度的支援の場における当事者の実践」(『障害社会学という視座』所収,新曜社),「精神医学の概念を用いて自己を理解すること──文化的環境,行為の遡及的再記述,道徳的評価」(『障害理解のリフレクション』所収,ちとせプレス)など. 美馬達哉(みま たつや) 1966年生.立命館大学大学院先端総合学術研究科教授.医療社会学,臨床神経学,神経科学.『感染症社会──アフターコロナの生政治』(人文書院),『臨床と生政治──〈医〉の社会学』(青土社)など. 有薗真代(ありぞの まさよ) 東京科学大学リベラルアーツ研究教育院准教授(2025年4月より).歴史社会学,医療社会学.『ハンセン病療養所を生きる──隔離壁を砦に』(世界思想社),「感染症と自由──戦後日本のハンセン病当事者運動とその歴史性・現在性」(『思想』1189号)など. 後藤基行(ごとう もとゆき) 1979年生.立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授.歴史社会学,精神医学史.『日本の精神科入院の歴史構造──社会防衛・治療・社会福祉』(東京大学出版会),「日本における精神病床入院と生活保護──過剰病床数と長期在院問題の淵源」(『羅針盤としての政策史』所収,勁草書房)など.

目次

  1. 刊行にあたって Ⅰ 「ケア」の時代 患者の「生」の固有性に開かれるために──看護職の戦略的限定化 ……………三井さよ ポスト診断時代における認知症の社会学──認知症の「進行」への向き合い方をめぐって ……………井口高志 「脱家族」論とその後──障害のある人と家族 ……………土屋 葉 過渡的なプロジェクトとしての〈回復〉論──『摂食障害の語り』より ……………中村英代 Ⅱ 社会的なものとしての「障害」 ディスアビリティ解消の論理 ……………星加良司 障害者運動と社会学──コミュニティとアソシエーションの最適解、あるいは解放と技法の弁証法 ……………深田耕一郎 カミングアウトにおける認識論的課題──「見えない」障害が映し出す社会の構造 ……………飯野由里子 ニューロダイバーシティの戦術──自伝における脳と神経 ……………浦野 茂 Ⅲ 「医療」と制度の歴史 医療化のレトリック ……………美馬達哉 ハンセン病療養所の歴史社会学──〈アサイラム/アジール〉と自由 ……………有薗真代 近現代日本における精神医療供給構造の歴史社会学 ……………後藤基行 OVERVIEW 二〇〇〇年代以降の医療・ケア・障害の社会学の展開 ……………山根純佳/前田拓也

本文紹介

医療・障害をケアの観点を踏まえて検討する新たな領域の成果。制度史を扱いつつ、病や障害概念の変遷、当事者の経験を分析する。

抜粋:社会学は差別されてきた疾病・障害や、周縁的な存在だったケアに注目してきた。障害者運動や福祉政策の再編を受け、この30年で興隆した研究領域の成果を収録する。制度史を扱うとともに、ハンセン病や認知症、自閉症、摂食障害などにおける症状や治療、回復を問い直し、家庭や施設でケアする側/される側の経験に着目する。