書籍詳細

書籍のレビュー・概要

集団的自衛権の行使を容認した安倍政権以降、日本の軍事化が加速している。自衛隊のミサイル部隊の配備や弾薬庫の建設は地域を戦争の拠点へと変え、自治体による自衛隊への若者の名簿提供なども広がる。私たちの暮らしを犠牲に、戦争の準備が着々と進む実態を丹念な取材で明らかにし、対米従属の主体性なき安保政策を問う。

ルポ 軍事優先社会

Takumi ブックス

ルポ 軍事優先社会

暮らしの中の「戦争準備」

著者・関係者
吉田 敏浩 著
カテゴリ
文庫
刊行日
2025/02/20
体裁
新書・264頁
ISBN
9784004320531
在庫状況
在庫あり

価格:1,056 円

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著者略歴

  • 吉田敏浩(よしだ・としひろ) 1957年,大分県臼杵市生まれ. ジャーナリスト. ビルマ(ミャンマー)北部のカチン人など少数民族の自治権を求める戦いと生活と文化を長期取材した記録,『森の回廊』」(NHK出版)で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞.近年は戦争のできる国に変わるおそれのある日本の現状を取材.『「日米合同委員会」の研究』」(創元社)で日本ジャーナリスト会議賞(JCJ賞)を,『赤紙と徴兵』」(彩流社)で「いける本」大賞を受賞. 著書に『ルポ 戦争協力拒否』」(岩波新書),『密約 日米地位協定と米兵犯罪』『沖縄 日本で最も戦場に近い場所』」(以上,毎日新聞社),『横田空域』」(角川新書),『日米戦争同盟』」(河出書房新社),『日米安保と砂川判決の黒い霧』」(彩流社),『追跡! 謎の日米合同委員会』『昭和史からの警鐘』」(以上,毎日新聞出版)など多数.

目次

  1. はじめに 加速する米日軍事一体化と戦争準備 「安保三文書」と敵基地・敵国攻撃能力 軍事優先の国策と棄民政策 第1章 地域が戦争の拠点に――ミサイル基地・弾薬庫がもたらす棄民政策 ミサイル弾薬庫の増設と大軍拡 激増する弾薬整備費 他国攻撃が可能な長射程ミサイルを保管 南西諸島の自衛隊ミサイル部隊 住民も戦火に巻き込む軍事作戦 沖縄戦の歴史の教訓 国民保護という名の棄民政策 アメリカの戦争に日本が巻き込まれるリスク 自衛隊だけ生き残ろうとする基地の強靭化 有事の煽動と戦争準備 戦争体制の背後にある軍産学複合体の利益 対話と信頼醸成を通じて戦争を防ぐべき 第2章 徴兵制はよみがえるのか――自治体が自衛隊に若者名簿を提供 自衛隊から突然のダイレクトメール 大軍拡と自衛官募集の強化 自衛隊員が戦場に送られるおそれ 自衛隊への名簿提供違憲訴訟 プライバシー権を侵害する名簿提供 軍事優先の法的根拠の拡大解釈 戦前の徴兵制の兵事事務と似ている点 徴兵制の土台ともなりえる仕組み 「経済的徴兵制」を視野に対策 自治体を戦争体制に組み込む動き 兵事係の再来を許してはならない 軍事優先の国策への異議申し立て 第3章 軍事費の膨張と国民の負担――侵食される社会保障と生存権 武器輸出反対の声 「死の商人」国家への堕落 「死の商人」養成策を国策に 軍需産業への手厚い財政支援 ミサイル特需と軍需産業の利益拡大 防衛省設置の有識者会議に三菱重工会長が 膨れ上がる兵器ローン 財政民主主義に反する軍事費の特別扱い 軍事費が社会保障を圧迫 生活保護費の削減と生存権の侵害 いのちのとりで裁判 セーフティネットの大切さ ミサイルかケアの充実か 第4章 主体性なき軍拡、主権なき「軍事大国」化――米戦略への歯止めなき従属 日米首脳会談と米日軍事一体化 軍事作戦で主導権を握る米軍 自衛隊が米軍の事実上の指揮下に 安保条約を曲解しアメリカの戦争に追随 米軍と自衛隊の連携の拡大 米日統合司令部と日米指揮権密約 アメリカが統帥権を握る 米軍優位の不平等な日米地位協定 米軍機による騒音公害を訴える裁判 米軍基地がもたらすPFAS汚染 基地への立ち入り調査を阻む地位協定と米軍の壁 住宅地に銃口を向ける米軍機 法的根拠のない低空飛行訓練 米軍の軍事的ニーズに合わせて 日米合同委員会の密室協議と密約 日米安保・同盟の冷厳な本質 第5章 対米従属の象徴・オスプレイ――危険な「欠陥機」を受け入れる唯一の国 オスプレイの墜落事故と飛行再開 米軍特殊部隊員を運ぶオスプレイ 危険なパラシュート降下訓練 アメリカの世界戦略に組み込まれた基地 オスプレイの超低空飛行を認めた日米合同委員会 佐賀空港へのオスプレイ配備 基地建設工事の差し止めを求める訴訟 住民を戦争に巻き込む空港の基地化 共有地としての権利無視の土地買収 有明海の海苔養殖への悪影響を危惧 矛盾する国側の主張 米軍による軍事利用への懸念 平和な環境と宝の海を未来の世代に 第6章 有事体制に組み込まれる自治体――空港・港湾の軍事利用にどう抗するか 大軍拡と空港・港湾の軍事利用 軍民両用と有事の部隊展開の狙い 「特定利用空港・港湾」の指定 軍事利用の既成事実づくり 住民の犠牲も織り込みずみの空港・港湾利用 下地島空港の軍事利用を認めない沖縄県 軍事利用を防ぐ「屋良覚書」 平時から戦時まで切れ目なく 米軍による空港・港湾の軍事利用 自治体は空港・港湾の軍事利用を拒否できる 自治体を国の下請け機関に――地方自治法改正の狙い 緊急事態条項の新設をもくろむ自民党改憲案 「再び戦争の惨禍」が起きないように 主要参考文献 あとがき

本文紹介

歯止めのない軍事化が、私たちの暮らしを侵し始めている実態を丹念な取材で浮き彫りにし、対米従属の主体性なき安保政策を問う。

抜粋:集団的自衛権の行使を容認した安倍政権以降、日本の軍事化が加速している。自衛隊のミサイル部隊の配備や弾薬庫の建設は地域を戦争の拠点へと変え、自治体による自衛隊への若者の名簿提供なども広がる。私たちの暮らしを犠牲に、戦争の準備が着々と進む実態を丹念な取材で明らかにし、対米従属の主体性なき安保政策を問う。