書籍詳細

書籍のレビュー・概要

1942年2月19日。大統領ローズヴェルトの発した立ち退き令が引き金となり、強制収容所に送られた日系アメリカ人。極小マイノリティであるばかりか、収容体験を葬り去るべき「トラウマ」として抱え込んだ彼らがなぜ、謝罪と補償(リドレス)を実現できたのか。アメリカ現代史の第一人者による、30年に及ぶ研究の集大成。

日系アメリカ人 強制収容からの〈帰還〉

Takumi ブックス

日系アメリカ人 強制収容からの〈帰還〉

人種と世代を超えた戦後補償運動

著者・関係者
油井 大三郎 著
カテゴリ
人文・社会科学書
刊行日
2025/02/19
体裁
四六・上製 ・278頁
ISBN
9784000616829
在庫状況
在庫あり

価格:3,190 円

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著者略歴

  • 油井大三郎(ゆい・だいざぶろう) 1945年生.東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学.社会学博士(一橋大学).1984-86年カリフォルニア大学バークリー校客員研究員.アメリカ現代史・国際関係史.現在,一橋大学・東京大学名誉教授. 著書に,『戦後世界秩序の形成――アメリカ資本主義と東地中海地域 1944-1947』,『未完の占領改革――アメリカ知識人と捨てられた日本民主化構想』(以上,東京大学出版会),『なぜ戦争観は衝突するか――日本とアメリカ』(岩波現代文庫),『好戦の共和国 アメリカ――戦争の記憶をたどる』(岩波新書),『越境する一九六〇年代――米国・日本・西欧の国際比較』(編著,彩流社),『ベトナム戦争に抗した人々(世界史リブレット)』(山川出版社),『平和を我らに――越境するベトナム反戦の声』(岩波書店),『避けられた戦争――一九二〇年代・日本の選択』(ちくま新書),『軍事力で平和は守れるのか――歴史から考える』(共著,岩波書店)など.

目次

  1. プロローグ――リドレス運動の壁 一 なにが問題なのか 二 どのように研究されてきたか 三 再定住とリドレス運動研究の始まり 四 本書の構成 第一部 中西部・東部への再定住 第一章 米国政府内部の対立――一部収容か一括収容か 一 日米開戦と日系人立ち退きをめぐる論争 二 自発的立ち退きの挫折と日系人一括収容の決定 三 日系人社会の反応 四 日系人部隊発足の請願と暴動の発生 五 ツールレイクの隔離転住所化 六 西海岸からの日系人立ち退き令の撤廃 第二章 中西部・東部への再定住の始まり 一 再定住政策のディレンマ 二 日系人の再定住を支援した一部の白人たち 三 日系学生の転校と農業労働者の一時出所 四 中西部・東部への恒久的再定住の始まり 第三章 なぜ学者たちは日系人収容に協力したのか 一 コミュニティ分析課の設置 二 日系アメリカ人立ち退き・再定住研究の意義 三 学者の収容協力――その文化史的位相 第二部 西海岸への復帰と人種関係の変容 第四章 日系人の西海岸への復帰と排斥運動の再燃 一 西海岸への試行的復帰 二 日系人の排斥と受け入れの角逐 三 日系人部隊の活躍と世論の変化 四 西海岸復帰の本格化 五 ノー・ノー組の苦悩――帰国か残留か 第五章 軍需産業の急成長と人種関係の重層化 一 戦時下西海岸の社会変動 二 激化する人種対立と緩和の模索 三 「リトル・トウキョウ」と「ブロンズビル」の角逐 四 「反ファシズム戦争」と中国系差別法の撤廃 第三部 「成功物語」とトラウマの潜行――世代を超えたリドレス運動へ 第六章 「モデル・マイノリティ」神話の登場 一 土地所有・帰化権などの差別撤廃と日系市民協会の再建 二 戦後の日系人の地位上昇と「モデル・マイノリティ」という神話 第七章 日系人のアイデンティティ変容と収容体験の封印 一 強制収容は日系人の同化を促進したのか? 二 宗教意識の変容 三 家族形態の変容と二世女性の「解放」 四 収容体験を語った少数者 第八章 収容体験の語りだしとリドレスの実現 一 アジア系運動の始まりと三世の登場 二 日系人社会におけるリドレス論争の始まり 三 調査委員会の設置からリドレスの実現まで エピローグ――リドレス運動の勝因と世界史的意義 文献リスト あとがき 索 引

本文紹介

第二次大戦中、強制収容所に送られた日系アメリカ人は、いかにして政府からの謝罪と補償を獲得できたのか。その過程を問い直す。

抜粋:1942年2月19日。大統領ローズヴェルトの発した立ち退き令が引き金となり、強制収容所に送られた日系アメリカ人。極小マイノリティであるばかりか、収容体験を葬り去るべき「トラウマ」として抱え込んだ彼らがなぜ、謝罪と補償(リドレス)を実現できたのか。アメリカ現代史の第一人者による、30年に及ぶ研究の集大成。