書籍詳細

書籍のレビュー・概要

左川ちか(1911-36)の詩の世界において、「馬」は発狂して山をかけ下り、「海」は天にあがる。乾いた抒情と躍動感に満ち、「緑」「太陽」「昆虫」「動物」「植物」といったモチーフが自在に変態するその作品は、読む者に常に新たな驚きをもたらす。神話化されたイメージを超えて、来るべき詩人・左川ちかを多角的に読み解く。

左川ちか 青空に指跡をつけて

Takumi ブックス

左川ちか 青空に指跡をつけて

著者・関係者
川崎 賢子 著
カテゴリ
人文・社会科学書
刊行日
2025/02/19
体裁
四六・上製 ・250頁
ISBN
9784000616812
在庫状況
在庫あり

価格:2,970 円

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著者略歴

  • 川崎賢子(かわさき・けんこ) 1956年生まれ.文芸・演劇評論家.東京女子大学大学院文学研究科修了.博士(文学).近現代日本のモダニズム文学・文化研究を専門とし,『左川ちか詩集』(岩波文庫,2023年)の編者を務める.著書に,『彼等の昭和――長谷川海太郎・潾二郎・濬・四郎』(白水社,1994年,サントリー学芸賞受賞),『読む女書く女――女系読書案内』(白水社,2003年),『久生十漫短篇選』(編集,岩波文庫,2009年),『尾崎翠 砂丘の彼方へ』(岩波書店,2010年),『もう一人の彼女 李香蘭/山口淑子/シャーリー・ヤマグチ』(同,2019年),『占領期雑誌資料大系文学編』(共編著,同,2009-10年),『宝塚――変容を続ける「日本モダニズム」』(岩波現代文庫,2022年),『キネマと文人――『カリガリ博士』で読む日本近代文学』(国書刊行会,2024年)など.

目次

  1. はじめに 新たなムーブメント――日英対訳詩集をひもときながら 第一章 年譜の行間から 第一節 左川ちか あまりに短い生涯 第二節 翻訳文学から世界文学へ 第三節 モダン都市東京の女性詩人 第四節 遺棄された詩人 第五節 「母」の声とまぼろしの「父」の背中 第二章 左川ちかを読む1――詩的生態系の攪乱 第一節 動物になる――「青い馬」 第二節 アダプテーションとインターテクスチュアリティ 第三節 青 第四節 複数の馬 第五節 牛たち 第六節 鳥になる/鳥になれない――水鳥、山鳩、閑古鳥、レグホン...... 第七節 擬人法ならざるもの 第八節 昆虫 第三章 左川ちかを読む2――動物と権力をめぐって 第一節 獄舎、病院、学校 第二節 仮面、ペルソナ、表情 第三節 複数の太陽 第四節 果樹園、ミドリという名の少年 第五節 植物の液状化、気化 第六節 動物化する植物 第七節 再論――緑と青 第四章 左川ちかを読む3――ジェンダーと動物の「自然」から遠ざかる 第一節 おぞましさを忘れて 第二節 モダニズム詩人の春夏秋冬 そして雪の世界 第三節 供犠の欲望にあらがえるか 第四節 カーテンあるいはクィアな欲望 第五章 読みつがれる左川ちか 第一節 左川ちかと詩人たち 第二節 吉岡実 第三節 木原孝一 第四節 富岡多惠子 第五節 白石かずこ 第六章 左川ちか 来るべき詩人 第一節 異形の女性性とモダニズム 第二節 テクストにうながされて――詩篇の時間と空間 第三節 左川ちかの現代性と可能性 注 おわりに

本文紹介

昭和の詩壇で一瞬の煌めきを放った詩人・左川ちか。神話化されたイメージを超えて、再び注目を集めるその人生と作品を読み解く。

抜粋:左川ちか(1911-36)の詩の世界において、「馬」は発狂して山をかけ下り、「海」は天にあがる。乾いた抒情と躍動感に満ち、「緑」「太陽」「昆虫」「動物」「植物」といったモチーフが自在に変態するその作品は、読む者に常に新たな驚きをもたらす。神話化されたイメージを超えて、来るべき詩人・左川ちかを多角的に読み解く。