書籍詳細

書籍のレビュー・概要

本書は「政治的中立性」という曖昧な概念によって人々の言論活動を制限することの危険性を説くものである。多くの場面で我々に向けられるこの要求は、いつしか独り歩きし、自由であるはずの私たちの言論空間が委縮して久しい。「何となく、これを言ったらまずいのではないか」という空気は、この国の至る所に漂っている。

表現の自由 「政治的中立性」を問う

Takumi ブックス

表現の自由 「政治的中立性」を問う

著者・関係者
市川 正人 著
カテゴリ
文庫
刊行日
2024/07/19
体裁
新書・268頁
ISBN
9784004320234
在庫状況
在庫あり

価格:1,100 円

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著者略歴

  • 市川正人(いちかわ・まさと) 1955年生まれ 1979年京都大学法学部卒業 1984年京都大学大学院法学研究科博士後期課程学修認定退学 京都大学法学部助手,三重大学人文学部助教授を経て,1994年より立命館大学法学部教授 2008年京都大学博士(法学) 現在―立命館大学大学院法務研究科特任教授 単著―『ケースメソッド憲法[第2版]』 『表現の自由の法理』 『司法審査の理論と現実』(以上,日本評論社) 『基本講義憲法[第2版]』(新世社) 共著―『基本的人権の事件簿[第7版]』 『現代の裁判[第8版]』(以上,有斐閣) 『現代日本の司法「司法制度改革」以降の人と制度』(日本評論社) ほか多数

目次

  1. まえがき――「政治的中立性」を問う 第一章 表現の自由はなぜ重要か 1 表現の自由とは何か 2 表現の自由の価値・機能 3 表現の自由は「優越的地位」を有する 4 間接的な制約も表現の自由の侵害 5 表現活動への「援助」 第二章 公務員と政治的行為 1 占領軍が生んだ国家公務員の政治的行為禁止 2 休日の選挙ポスター配布の禁止 3 管理職はアウト、ヒラはセーフ? 4 地方公務員も政治的行為を禁止されている 5 政治活動や思想の調査 6 裁判官の「積極的な政治運動」 7 裁判官は聖人君子であるべきか? 第三章 表現活動への「援助」 1 パブリック・フォーラムの利用拒否 2 パネル展はパブリック・フォーラムか? 3 公民館だよりへの「九条俳句」掲載の拒否 4 市庁舎前広場での集会開催の拒否 5 県立公園からの追悼碑の排除 第四章 放送の自由と公平性 1 放送は政治的に公平であるべきか? 2 放送に公平性を要求することの問題性 3 最高裁にとっての放送の自由 4 海外における放送内容の公平の要求 5 政権交代を意図した選挙報道? 6 政府による放送の監督 7 放送の公平性の確保とは? 終章 「政治的中立性」と民主主義 参考資料 あとがき

本文紹介

本書は、「政治的中立性」という曖昧な概念を理由に人々の表現活動を制限することの危険性を説くものである。

抜粋:本書は「政治的中立性」という曖昧な概念によって人々の言論活動を制限することの危険性を説くものである。多くの場面で我々に向けられるこの要求は、いつしか独り歩きし、自由であるはずの私たちの言論空間が委縮して久しい。「何となく、これを言ったらまずいのではないか」という空気は、この国の至る所に漂っている。