書籍詳細

書籍のレビュー・概要

熊野比丘尼による地獄極楽の絵解きで知られる熊野観心十界図。極彩色の迷宮のような画面の奥に目を凝らすと、東アジアの死霊救済儀礼の豊穣な世界へと通じる道筋が見えてくる。その原型となった朝鮮の〈甘露図〉へ、さらにその背後にある中国の〈水陸画〉へ、絵画の来た道を遡りながら読み解く、生と死を巡る東アジア精神史。

熊野観心十界図という誘惑

Takumi ブックス

熊野観心十界図という誘惑

東アジアの死霊救済儀礼をめぐる精神史

著者・関係者
西山 克 著
カテゴリ
人文・社会科学書
刊行日
2024/06/27
体裁
四六・上製 ・376頁
ISBN
9784000226516
在庫状況
在庫あり

価格:3,960 円

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著者略歴

  • 西山 克(にしやま・まさる) 東京都江戸川区生.京都大学大学院博士課程単位取得.歴史図像学,怪異学,日本中世史専攻. 神戸商科大学(現・兵庫県立大学)助教授,京都教育大学教授,関西学院大学教授を経て京都教育大学名誉教授. 「東アジア恠異学会」前代表. 著書に,『道者と地下人』(吉川弘文館),『聖地の想像力』(法蔵館),『中世ふしぎ絵巻』『続中世ふしぎ絵巻』(ウェッジ),『地獄への招待』(編著,臨川書店)などがある.

目次

  1. 口 絵 プロローグ 出逢いの風景 第一章 聖痕としての熊野 一 複製という罠 二 熊野比丘尼の面影 三 記録された熊野比丘尼 四 だれが記憶を語るのか 五 絵解きは再現されるのか 六 地域の神話的世界 第二章 隠された部屋 一 五趣生死輪図からはじまった 二 これは観心十界図ではない 三 これは施餓鬼図である 1 施餓鬼の発見 2 奈河の橋 3 首枷の女 4 ふたたび施餓鬼へ 5 甘露図という衝撃 第三章 悲の器――朝鮮甘露図の世界 一 朝鮮甘露図研究のいま 二 甘露図と焰口餓鬼 三 甘露図と水陸画 四 朝鮮社会にて 五 旧龍岸寺本の発見 1 『無遮水陸大斎記』の衝撃 2 旧龍岸寺本の図様をめぐって 六 甘露のしずく 第四章 熊野観心十界図へ 一 中国水陸画から朝鮮甘露図、そして 二 錯綜するモチーフ 三 血と黒髪――なぜ血の池地獄に堕ちるのか 四 施餓鬼の斎壇はよみがえる エピローグ 明日の死者として 注 引用・参考文献

本文紹介

迷宮のような画面の背後には、東アジアの死霊救済儀礼の豊穣な世界が広がっていた。絵画の来た道を遡る、生と死を巡る思索の旅。

抜粋:熊野比丘尼による地獄極楽の絵解きで知られる熊野観心十界図。極彩色の迷宮のような画面の奥に目を凝らすと、東アジアの死霊救済儀礼の豊穣な世界へと通じる道筋が見えてくる。その原型となった朝鮮の〈甘露図〉へ、さらにその背後にある中国の〈水陸画〉へ、絵画の来た道を遡りながら読み解く、生と死を巡る東アジア精神史。