書籍詳細

書籍のレビュー・概要

現代の日本を代表する哲学者の一人である野矢茂樹は、知覚、意味、他者、そして心など、さまざまな難問に向き合い、みずからの言葉で考えつづけてきた。その思索に九人の気鋭の哲学者が挑み、議論の弱点・難点を論じ、批判を繰り出す。野矢もそれを受けて応答、言葉と言葉の真剣勝負がはじまる。最前線で繰り広げられた対話の記録。

野矢哲学に挑む

Takumi ブックス

野矢哲学に挑む

批判と応答

著者・関係者
金杉 武司 編・塩野 直之 編・髙村 夏輝 編
カテゴリ
人文・社会科学書
刊行日
2024/05/29
体裁
A5・上製 ・カバー ・332頁
ISBN
9784000018296
在庫状況
在庫あり

価格:6,050 円

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著者略歴

  • 金杉武司(かなすぎ・たけし) 1972年生。國學院大學文学部教授。専門は分析哲学、心の哲学、メタ倫理学。著書に、『心の哲学入門』(勁草書房)、『解釈主義の心の哲学──合理性の観点から』(勁草書房)、『哲学するってどんなこと?』(ちくまプリマー新書)など。訳書に、ドナルド・デイヴィドソン著『合理性の諸問題』(共訳、春秋社)、ティム・クレイン著『心は機械で作れるか[原著第3版]』(監訳、勁草書房)など。 塩野直之(しおの・なおゆき) 1971年生。東京大学大学院総合文化研究科博士課程満期退学。現在、東邦大学理学部准教授。主な訳書にジョン・サール著『行為と合理性』(勁草書房)、主な論文に‘Weakness of Will and Time Preference’(The Annals of the Japan Association for Philosophy of Science, Vol.16, No.1&2),「価値の多元性と意思決定論的合理性」(『科学基礎論研究』46巻2号)。哲学の枠組みにとらわれない学際的な研究と教育を志向している。 髙村夏輝(たかむら・なつき) 1972年生。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。現在、埼玉県立大学保健医療福祉学部准教授。著書に、『ラッセルの哲学[1903─1918]──センスデータ論の破壊と再生』(勁草書房)。訳書に、バートランド・ラッセル著『哲学入門』(ちくま学芸文庫)など。 山田圭一(やまだ・けいいち) 1973年生。現在、千葉大学大学院人文科学研究院教授。著書に『ウィトゲンシュタイン最後の思考──確実性と偶然性の邂逅』(勁草書房)、編著書に『これからのウィトゲンシュタイン──刷新と応用のための14篇』(リベルタス出版)など。 鈴木雄大(すずき・ゆうだい) 1983年生。現在、中京大学教養教育研究院准教授。専門は哲学(特に行為論)。論文に「新しい行為論」(『科学哲学』1189号)など。現在、『思想』(岩波書店)にて「視点の哲学」を不定期連載中(初回は「空間・時間・可能世界」1189号)。 森永 豊(もりなが・ゆたか) 1979年生。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程修了。専門は哲学(特に自己論)。現在、法政大学非常勤講師。論文に「自己の物語的構成」(『國學院雑誌』123巻11号)など、共著に『てんてん哲学に出会う──怒りっぽいわたし、どうしたらいい?』(中野商店)。 李 太喜(い・てひ) 1989年生。現在、東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻比較文学比較文化コース助教。専門は分析哲学における自由意志論。著書に『自由と自己の哲学──運と非合理性の観点から』(岩波書店)、論文に「選択可能性と「自由論のドグマ」」(『科学哲学』51巻1号)など。 竹内聖一(たけうち・せいいち) 1973年生。立正大学大学文学部准教授。専門は行為論。共編著に『ケアの始まる場所──哲学・倫理学・社会学・教育学からの11章』(ナカニシヤ出版)、論文に「『インテンション』を読む──「観察によらない知識」をめぐる謎」(『思想』1181号)など。 島村修平(しまむら・しゅうへい) 1981年生。現在、広島大学大学院人間社会科学研究科准教授。専門は分析哲学(とくに、言語哲学、心の哲学、論理学の哲学)。論文に‘Normativity of Meaning: An Inferentialist Argument’(Synthese, Vol.202, No.115. Tuomo Tiisalaとの共著)など。 野矢茂樹(のや・しげき) 1954年生。北海道大学助教授、東京大学大学院総合文化研究科教授を経て、現在、立正大学文学部教授。専門は哲学。本書で主に論じられた『哲学・航海日誌』(春秋社)、『語りえぬものを語る』(講談社学術文庫)、『心という難問──空間・身体・意味』(講談社、和辻哲郎文化賞受賞)のほか、『はじめて考えるときのように──「わかる」ための哲学的道案内』(PHP文庫)、『新版 論理トレーニング』(産業図書)、『増補版 大人のための国語ゼミ』(筑摩書房)、『まったくゼロからの論理学』(岩波書店)、『言語哲学がはじまる』(岩波新書)など多数の著書がある。

目次

  1. 序……………塩野直之 解説1 眺望論と相貌論……………金杉武司 解説2 ウィトゲンシュタインと野矢哲学...............髙村夏輝 第1章 物語のポリフォニー……………塩野直之 応答 物語を読むことと共に生きること……………野矢茂樹 第2章 世界には何があるのか──相貌なき対象の必要性……………山田圭一 応答 どうして一つの同じ対象があると言えるのか……………野矢茂樹 第3章 どこでもないところからの眺めは必要か──有視点把握と無視点把握の関係……………鈴木雄大 応答 「ここ」も「あそこ」からすれば「あそこ」になる……………野矢茂樹 第4章 「物語」としての知覚論──意識の繭に閉じ込められた生き方はありうるか……………森永 豊 応答 「相貌」というあまりにも曖昧な概念……………野矢茂樹 第5章 自由の可能性──場と相貌の二元論から考える……………李 太喜 応答 自由の正体がまだ見えない……………野矢茂樹 第6章 意味するという事実のありか──根元的規約主義を批判する……………金杉武司 応答 3階建ての建物を平屋だと思うと変なことになる……………野矢茂樹 第7章 意図はどこにあるのか──「内と外」の比喩のゆくえ……………竹内聖一 応答 問いがあるから意図が生まれる……………野矢茂樹 第8章 「論理の他者」という謎……………髙村夏輝 応答 ザラザラした大地へ戻れ!……………野矢茂樹 第9章 規則のパラドクスを解決する──相貌の自己知に訴えるアプローチ……………島村修平 応答 一人称権威の謎……………野矢茂樹 思考不可能なものは存在するか……………野矢茂樹 哲学の風景──あとがきにかえて……………金杉武司 執筆者紹介

本文紹介

哲学の最前線で繰り広げられた対話。九人の哲学者による批判、野矢自身の応答を収録し、哲学するとはどういうことかを伝える。

抜粋:現代の日本を代表する哲学者の一人である野矢茂樹は、知覚、意味、他者、そして心など、さまざまな難問に向き合い、みずからの言葉で考えつづけてきた。その思索に九人の気鋭の哲学者が挑み、議論の弱点・難点を論じ、批判を繰り出す。野矢もそれを受けて応答、言葉と言葉の真剣勝負がはじまる。最前線で繰り広げられた対話の記録。