書籍詳細

書籍のレビュー・概要

我々が日常的に見たり触ったりする物質は連続体であるように見えて実は原子、分子といった離散的な構造から成り立っている。離散幾何解析はこうした構造を対象とする新しい数学である。本書では、連続な幾何概念とつながることを意識しながら解説。著者の結晶格子の研究や物質科学につながる研究も紹介する。

離散幾何解析入門

Takumi ブックス

離散幾何解析入門

著者・関係者
小谷 元子 著
カテゴリ
自然科学書
刊行日
2024/04/18
体裁
A5・上製 ・240頁
ISBN
9784000299374
在庫状況
在庫あり

価格:6,600 円

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著者略歴

  • 小谷元子(こたに・もとこ) 1983年学士(東京大学理学部), 1990年理学博士(東京都立大学大学院理学研究科) 現在 東北大学大学院理学研究科教授/東北大学材料科学高等研究所主任研究者・教授 専門 微分幾何学,離散幾何解析学

目次

  1. まえがき 第Ⅰ部 準 備 1 概 要 2 有限グラフと調和写像 2.1 グラフの基礎 2.1.1 定 義 2.1.2 位相空間としてのグラフ 2.2 重み付きグラフの調和写像 2.2.1 重み付きグラフとラプラシアン 2.2.2 エネルギー変分公式 2.2.3 Eells-Sampson型定理 3 確率論の基礎 3.1 速成確率論入門 3.1.1 確率空間 3.1.2 エルゴード性 3.2 有限グラフ上のランダム・ウォーク 3.2.1 推移作用素 3.2.2 ランダム・ウォークの確率空間 3.2.3 ホモロジー的大数の法則 第Ⅱ部 結晶格子上の幾何解析 4 結晶格子とその標準的実現 4.1 標準的実現とその特徴付け 4.2 標準的実現の例 4.3 標準的実現の対称性 5 結晶格子のランダム・ウォーク 5.1 捩じれ推移作用素 5.2 極限定理:大数の法則と中心極限定理 5.2.1 Z上のランダム・ウォークの極限定理 5.2.2 大数の法則 5.2.3 中心極限定理 6 大偏差原理と結晶格子の収束 6.1 大偏差原理 6.1.1 基本的なアイデア 6.1.2 結晶格子の大偏差 6.1.3 Dの境界におけるエントロピー関数I 6.1.4 Dの計算例 6.2 結晶格子のGromov-Hausdorff収束 6.2.1 Gromov-Hausdorff収束の基礎 6.2.2 結晶格子の収束 第Ⅲ部 磁場の離散化 7 磁場の下でのランダム・ウォーク 7.1 電磁気学と微分形式を使った表現 7.1.1 ベクトル解析 7.1.2 電場と磁場 7.1.3 微分形式による表現 7.2 群コホモロジー 7.3 Rd上の磁場付きラプラシアンと磁束類 7.4 磁場付き推移作用素 7.4.1 周期的離散ベクトル・ポテンシャルと磁束類 7.4.2 周期的磁場の下の推移作用素 7.5 磁場付き推移作用素の中心極限定理 7.5.1 交絡作用素 7.5.2 Harper作用素の中心極限定理 7.5.3 結晶格子の中心極限定理:定式化 7.5.4 定理7.21の証明 7.6 定理7.19の証明 第Ⅳ部 離散曲面論 8 離散曲面の幾何 8.1 曲面論の基礎 8.1.1 曲面の定義と例 8.1.2 曲面の基本形式 8.1.3 構造方程式 8.1.4 等温座標 8.2 極小曲面 8.2.1 面積変分公式 8.2.2 Weierstrass-Enneperの表現公式 8.3 離散曲面 8.3.1 離散曲面の定式化,面積変分公式 8.3.2 離散曲面の例:炭素分子・炭素結晶 8.4 離散曲面の細分 8.4.1 Goldberg-Coxeter分割 8.4.2 離散曲面の細分 8.4.3 離散曲面細分列の収束定理 8.4.4 不分岐曲面 8.4.5 曲率の収束 8.5 サークル・パッキングと複素構造 8.5.1 一意化定理 8.5.2 サークル・パッキングが定める共形構造 8.6 離散曲面の複素構造 8.6.1 3角形分割と余接ラプラシアン 8.6.2 離散共形構造 8.6.3 離散正則2次形式 8.6.4 3角形分割に付随するサークル・パターン 8.6.5 離散Weierstrass表現公式 参考文献 索 引

本文紹介

バラバラな状態、すなわち離散的な構造を対象とする離散幾何解析の理論と、結晶格子の研究や物質科学につながる研究を紹介。

抜粋:我々が日常的に見たり触ったりする物質は連続体であるように見えて実は原子、分子といった離散的な構造から成り立っている。離散幾何解析はこうした構造を対象とする新しい数学である。本書では、連続な幾何概念とつながることを意識しながら解説。著者の結晶格子の研究や物質科学につながる研究も紹介する。