書籍詳細

書籍のレビュー・概要

長く、哲学者・神学者を悩ませてきた決定論から自由を擁護し、さらに進んで非決定論に向き合い、運と非合理性にさらされる人間の実存を考察する。とるべきではない選択肢を前に、ときにそう振る舞ってしまう人間の自由がもつ価値とは何か。その自由は私たちの生にとってどんな重要性をもっているのか。 ■推 薦 國分功一郎 氏 自由の何たるかを見極めんとする修行の途中、著者は等身大の人間を再び見いだす。 同じ人間なるものが、しかし、再び見いだされるのだ。 これは自由を論じる中で自由を経験した一人の若者の探究の記録である。 野矢茂樹 氏 基礎から始め、最前線の議論を丹念に検討し、さらに前人未踏の高みをめざしている。 自由を巡る現代の哲学に関心のある人には必読。 実際、私自身にとっても、本書は目の前に立ちはだかり、乗り越えるべき山となった。

自由と自己の哲学

Takumi ブックス

自由と自己の哲学

運と非合理性の観点から

著者・関係者
李 太喜 著
カテゴリ
人文・社会科学書
刊行日
2024/03/22
体裁
A5・上製 ・310頁
ISBN
9784000616348
在庫状況
在庫あり

価格:5,940 円

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著者略歴

  • 李 太喜(い てひ) 1989年大阪府生まれ.東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻比較文学比較文化コース博士課程修了.博士(学術).現在,東京大学大学院総合文化研究科比較文学比較文化コース助教.専門は分析哲学における自由意志論. 論文──「選択可能性と「自由論のドグマ」」(『科学哲学』51(1),2018年,第14回日本科学哲学会石本賞受賞)など.

目次

  1. はじめに 第1章 選択可能性と自由の関係がなぜ問題になるのか 第1節 決定論と対立する選択可能性 1 選択可能性と自己決定性 2 決定論と自由の対立 3 選択─非両立論という立場 4 選択─非両立論の抱える二つの問題 第2節 源泉─両立論と行為の合理的コントロール 1 ホッブズの系譜としての源泉─両立論 2 源泉─両立論者の諸理論 3 合理的コントロールとしての自由理解 4 選択─非両立論者にとっての合理的コントロール 第3節 整合性の問題 1 選択可能性と合理的コントロールの緊張関係 2 非合理性のアポリア 3 運のアポリア 第4節 必要性の問題 1 フランクファートによる選択可能性原理の否定 2 価値のアポリア 第2章 選択可能性と自由は整合的に理解できるのか 第1節 従来の解決案を批判する 1 加算モデル的解決の試み 2 ミーリーの熟慮的リバタリアニズム 3 ケインの葛藤理論 4 加算モデル的解決の限界 第2節 自由な行為が満たすべき合理的コントロール要件を検討する 1 理解可能であるという基準から与えられる合理性 2 非決定論下で持ち得るコントロール 3 自由概念の記述的側面から見た合理的コントロール要件の妥当性 第3節 自由論のドグマからの解放 1 コントロールを向上させる選択可能性 2 自由論のドグマとは何か 3 自由論のドグマと対極にある自由観 4 合理的コントロールを弱める選択可能性 5 自由と運 6 選択可能性を契機とする自己決定性のあり方 第4節 自己決定する「自己」とは何か 1 自由と自己の問題 2 断絶を埋める二つの試み 3 自己と選択の構成関係 4 自己の理由モデルからの決別と、自己の動的なあり方 5 整合性の問題の「解消」 第3章 選択可能性はなぜ必要とされるのか 第1節 人を非合理性と運にさらす選択可能性が持つ価値 1 必要性の問題と価値のアポリア 2 価値のアポリアの手前で 3 解決に向けた二つの方策 第2節 自己変容性と選択可能性 1 葛藤の中の選択と自己変容的選択 2 自己変容的選択と非合理性 3 実験であり賭けである自由な選択 4 複数の価値観へと開かれるという自由の価値 第3節 道徳的責任と選択可能性 1 道徳的運としての選択の運 2 行為の源泉性に必要とされる選択可能性 第4節 本書の到達点 注 おわりに 索 引 参考文献

本文紹介

「ああすることだって、こうすることだってできた」は本当か。決定論、さらに進んで非決定論から人間の自由を擁護する意欲作。

抜粋:長く、哲学者・神学者を悩ませてきた決定論から自由を擁護し、さらに進んで非決定論に向き合い、運と非合理性にさらされる人間の実存を考察する。とるべきではない選択肢を前に、ときにそう振る舞ってしまう人間の自由がもつ価値とは何か。その自由は私たちの生にとってどんな重要性をもっているのか。 ■推 薦 國分功一郎 氏 自由の何たるかを見極めんとする修行の途中、著者は等身大の人間を再び見いだす。 同じ人間なるものが、しかし、再び見いだされるのだ。 こ…