書籍詳細

書籍のレビュー・概要

資本主義の「理想」を体現する都市、香港。開発主義により経済成長が優先され、民主主義が制限されるなか、ここでも農が営まれ、時に抵抗の拠点となってきたことはあまり知られていない。中国本土と香港をつなぐ高速鉄道建設反対運動が生み出した農の担い手に焦点を合わせ、「社会運動としての農」の可能性を追究する。

香港を耕す

Takumi ブックス

香港を耕す

農による自由と民主化運動

著者・関係者
安藤 丈将 著
カテゴリ
人文・社会科学書
刊行日
2024/02/16
体裁
A5・上製 ・318頁
ISBN
9784000616294
在庫状況
在庫あり

価格:5,280 円

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著者略歴

  • 安藤丈将(あんどう・たけまさ) 1976年生まれ.武蔵大学社会学部教員.2017-18年香港嶺南大学客員研究員.専門は政治社会学,社会運動史.オーストラリア国立大学アジア太平洋研究学院修了(Ph.D. アジア太平洋研究).著書に,『ニューレフト運動と市民社会――「六〇年代」の思想のゆくえ』(世界思想社,2013年),『脱原発の運動史――チェルノブイリ,福島,そしてこれから』(岩波書店,2019年),『香港と「中国化」――受容・摩擦・抵抗の構造』(共著,明石書店,2022年)などがある.

目次

  1. 第一章 民主化運動の展開――開発反対から農へ 第一節 高速鉄道と開発 第二節 自由市場の「手本」としての香港 第三節 民主主義の制限と民主化運動 第四節 「社会運動としての農」 第五節 問いと構成 第二章 広深港高速鉄道反対運動のローカリズム はじめに 第一節 返還後の民主化運動――反高鉄運動前史 第二節 菜園村と反高鉄運動 第三節 非暴力的抵抗としての「苦行」 第四節 ローカリズムと農 おわりに 第三章 パーマカルチャーと社会運動 はじめに 第一節 香港における農業の衰退 第二節 社会運動としての「パーマカルチャー(永續農業)」 第三節 パーマカルチャーとエンパワーメント 第四節 パーマカルチャーと自由 第五節 ネオリベラリズムと社会運動のあいだ おわりに 第四章 コミュニティの中に社会的自由を求めて はじめに 第一節 「ブルシットな仕事」からの解放――農民の個人史から 第二節 いかに協同しているのか――農民の連帯 第三節 なぜ、買うのか――顧客と農民の関係性 第四節 顧客の負担引き受けと自己組織の不在 おわりに 第五章 非暴力の農、農の非暴力 はじめに 第一節 本土派と文化の防衛 第二節 勇武論と暴力の正当化 第三節 警察のポリシングと暴力の連鎖 第四節 暴力の副作用 第五節 農と暴力・非暴力 おわりに 第六章 香港から農と自由の可能性を開く 第一節 香港の農民運動の特色 第二節 「社会運動としての農」の条件 第三節 農と社会的自由 第四節 農を支援する理由――「脆弱性」の問題 第五節 農の支え方――「総百姓モデル」に向けて 注 参考文献・インタビュー一覧 あとがき

本文紹介

広州と香港をつなぐ高速鉄道建設反対運動が生み出した農の担い手に焦点を合わせ、「社会運動としての農」の可能性を追究する。

抜粋:資本主義の「理想」を体現する都市、香港。開発主義により経済成長が優先され、民主主義が制限されるなか、ここでも農が営まれ、時に抵抗の拠点となってきたことはあまり知られていない。中国本土と香港をつなぐ高速鉄道建設反対運動が生み出した農の担い手に焦点を合わせ、「社会運動としての農」の可能性を追究する。