書籍詳細

書籍のレビュー・概要

支配はいかにして成り立ち、何によって支えられるのか。支配の諸構造を経済との関連で論じたテクスト群。ウェーバー没後に編集された『経済と社会』のうち、『支配の社会学』として知られてきた部分を全集版に基づき訳出。詳細な訳注や用語解説を付す。Ⅰは官僚制・家産制・封建制をめぐる章を収録する。(全二冊)

支配について Ⅰ

Takumi ブックス

支配について Ⅰ

官僚制・家産制・封建制

著者・関係者
マックス・ウェーバー 著・野口 雅弘 訳
カテゴリ
新書
刊行日
2023/12/15
体裁
文庫・546頁
ISBN
9784003421017
在庫状況
在庫あり

価格:1,573 円

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著者略歴

  • マックス・ウェーバー 1864-1920。ドイツの法学者・経済学者・社会学者。西洋近代について多面的かつ根源的に考察した。 野口 雅弘(ノグチ マサヒロ) 成蹊大学教授。政治学・政治思想史。著書に『闘争と文化』『官僚制批判の論理と心理』『マックス・ウェーバー』など。

目次

  1. 凡 例 支 配 一 権力と支配。過渡的形式 [1]ゲマインシャフト行為、権力の特殊ケースとしての支配、経済的手段 [2]権力と支配、利害関心のコンステレーション(布置連関)と権威 [3]支配の定義 [4]かのように [5]社会学的観察と法学の概念 二 支配と行政――民主的行政の本質と限界 [6]直接民主主義的な行政 [7]類型論上の極端なケースとしての直接民主主義的な行政 [8]名望家 [9]高齢者と若者、党派問題 [10]規模と複雑性 [11]行政組織の成立 三 「組織」による支配、妥当根拠 [12]組織と装置 [13]レジティマシー(正当性/正統性)、幸福の神義論、三つの原理 官 僚 制 [1]近代的官僚の機能様態 [2]権限 [3]官庁 [4]ピラミッド型の階層構造 [5]公文書、役所、公私の分離 [6]官僚の専門性 [7]専業 [8]ルールについての知識 [9]ルールの拘束性 [10]官僚の地位 [11]ベルーフ、官職に対する忠誠 [12]官僚個人の側からみた官僚の地位 [13]社会的評価 [14]例外としてのアメリカ [15]上からの任命 [16]事柄に即した(ザッハリヒな)行政を確保するための身分保障 [17]給料の低さ [18]恣意的ではない昇進条件 [19]近代官僚制の社会的・経済的な前提 [20]貨幣経済の発展、官僚の報酬の形態、六つの歴史的実例 [21]行政の業務委託――主人・請負業者・支配される側の人たちの動機の相互作用と反発 [22]官職の経済的な観点、官職の売買 [23]プフリュンデ(俸禄)、官僚制から封建制へ [24]官僚制と従属関係 [25]服従と身分意識 [26]安定した収入、租税システム、貨幣経済 [27]行政課題の量的発展、大規模国家と大衆政党 [28]官僚制と政治的統一、コングロマリット的結合 [29]官僚制化の回避――古代ローマ、イギリス、アメリカ [30]行政の職務範囲の質的拡大――治安、社会政策、交通 [31]近代国家形成と交通手段 [32]官僚制の技術的優位性 [33]資本主義が官僚制を必要とする理由 [34] 「人を顧慮せず」という原則と市場との親和性、予測可能性、非人間化 [35]ローマ法の受容、カーディ裁判、イギリスとドイツの支配構造の違い [36]ローマ法の合理化 [37]伝統の拘束とそれからの解放、預言者 [38]自動販売機、合理的に議論可能な理由 [39]民主主義の分裂、形式合理性と内容的正義 [40]経営手段の集中、官僚制的軍隊 [41]軍隊の官僚制化、プロイセンの常備軍、ジェノヴァの「マオーナ」 [42]経営手段の集中と統制 [43]研究・教育における官僚制化、研究所 [44]新しい現象としての官僚制、その阻害要因 [45]経済的・社会的な平準化、官僚制と民主主義の緊張関係 [46]受動的な民主化 [47]民主化と経済的要因、新興階級、ボナパルティズム [48]古い構造形式と官僚制化の進展、電気の普及 [49]ひとたび完成したら壊れない官僚制、公文書、バクーニン主義の誤謬 [50]官僚制化の経済的影響、利益団体、官僚制と民主主義の対立 [51]官僚制の権力 [52]秘密の増大、官房機密、素人である君主の無力 [53]民間企業における専門知識と秘密 [54]専門化と君主の地位、君主の要塞としての官房 [55]絶対君主制と合議制 [56]長老会議、監査役会、等族会議 [57]合議制的行政の転用と消滅 [58]公私の分離 [59]支配構造と教育・教養、新しい身分、民主主義と試験 [60]専門人と教養人 [61]官僚制的な組織とは異質な構造原理 [62]革命的な作用と合理主義の進展 家 産 制 [1]家父長制的支配構造、日常的性格、パーソナルな服従 [2]家長の権力、家の子どもと奴隷の子ども [3]風習、伝統、恭順 [4]名望家支配と家父長制の違い、名誉と恭順 [5]経済と女性、性的役割分業、インディアンのサシェム [6]オイコスと家産制的支配 [7]家産制的支配における主人(家長)と服従する者の関係 [8]伝統によって断片化される家父長制、荘園領主制の成立 [9]家産制支配の権力範囲 [10]直轄地 [11]家産制国家的構成体の定義 [12]政治的支配と家産制的支配の区別とその消失 [13]君主と軍隊 [14]小作人、手の離せなさ、軍事力としての不適格性 [15]奴隷部隊 [16]イェニチェリ [17]傭兵 [18]割当地保有兵 [19]徴兵された軍隊 [20]家産制的な軍隊の経済的基礎 [21]スルタン制とその脆弱さ [22]諒解ゲマインシャフトと政治的臣民 [23]臣民の義務 [24]ライトゥルギー(公的奉仕義務)によるニーズの充足 [25]ツンフトと名望家行政 [26]家産制的官職 [27]家人(ミニステリアーレ) [28]法仲間(レヒツ・ゲノッセン) [29]官職(利権)の独占 [30]独占的な法仲間、日本(江戸時代)の藩、より一貫した西洋 [31]家産制における身分 [32]西洋とオリエントの違い [33]家産制的官職と官僚制的官職 [34]不明確な権限、役得利益、利権争い [35]アドホックな(その都度の)行政と主人の恣意 [36]官僚制的ではない家産制的官僚 [37]食卓ゲマインシャフト [38]プフリュンデ(俸禄)、官職の専有 [39]法服貴族 [40]聖職者のプフリュンデ(俸禄)、分権化、文化闘争 [41]プフリュンデ(俸禄)の取引、貨幣経済、勉強する目的 [42]貴金属 [43]パルルマン(高等法院) [44]脱中心化と型に嵌めて固定化すること、地方の名望家 [45]個人の支配権の束、主人の恣意、西洋とオリエント [46]働かない高貴な人 [47]権限・官庁の不在 [48]事柄に即した(ザッハリヒな)官職義務の欠如 [49]「個人の時代」としての中世 [50]支配の統一性の維持――巡回、参勤交代、外国人や平民の登用 [51]地方官僚の権限の分割 [52]権力ポジションを維持する方策 [53]古代エジプト [54]中国 [55]儒教、官僚による文化的統一性、「レッセフェール」 [56]中央からの距離、サトラップ(州総督)と大名、統一性とコングロマリット [57]脱中心化と統一性の維持 [58]都市建設、荘園制、帝国の統一 [59]荘園領主によるインムニテート(公的負担免除)の要求、地方名望家への発展 [60]イギリスの治安判事 [61]公務の担い手としてのジェントリー [62]治安判事の裁量と権力 [63]中国とイギリス、行政のミニマム化 [64]ツァーリの権力ポジションと身分的連帯の欠如 [65]家産制の極端なケースとしてのレーエン(封土)関係 封 建 制 [1]封建制の分類 [2]レーエン(封土) [3]レーエン(封土)とプフリュンデ(俸禄) [4]日本とイスラーム、西洋の封建制との違い [5]軍事的起源 [6]レーエン(封土)とレジティマシーの根拠 [7]階層構造、忠誠のコンフリクト、身分的名誉、独占 [8]権力分立、レジティマシーの保障 [9]主観において権利的なものと義務的なものからなるコスモス [10]協定と身分制国家、ゲゼルシャフト化と家産制のルネサンス [11]直線的な発展の否定、中間形態と過渡的形態 [12]統一的な頂点、書記と会計の影響力の増大 [13]官僚制化の前段階としての諮問会議 [14]支配構造と教育 [経済との関係における、支配の家産制的および封建制的な構造形式] [15]経済的な要因、マルクスの挽臼 [16]中央集権的家産官僚制の発展と商業 [17]君主の権力ポジションと商業、商業と対立する封建的階層構造 [18]恣意と資本主義 [19]寄進、ワクフ [20]重商主義、国家によって生き延びる資本主義 [21]資本主義の発展を阻害する封建制 [22]封建制における法秩序の安定性、資本主義への経路 [23]権力をめぐる競争と資本主義 [24]硬貨の鋳造 [25]支配構造と信条 [26]封建制における生き方、名誉、遊び、オスカー・ワイルド [27]家父長制的な家産制の社会政策、経済への敵意と嫉妬 用 語 訳者あとがきⅠ

本文紹介

支配の諸構造を経済との関連で論じたテクスト群。『支配の社会学』として知られてきた部分を全集版より訳出。詳細な訳注を付す。

抜粋:支配はいかにして成り立ち、何によって支えられるのか。支配の諸構造を経済との関連で論じたテクスト群。ウェーバー没後に編集された『経済と社会』のうち、『支配の社会学』として知られてきた部分を全集版に基づき訳出。詳細な訳注や用語解説を付す。Ⅰは官僚制・家産制・封建制をめぐる章を収録する。(全二冊)