書籍詳細

書籍のレビュー・概要

世界遺産・法隆寺は、かつて建立・再建年代をはじめ多くの点で論争の的となってきた。その創建者・聖徳太子も、没後早くから神話化され、時代ごとに人物像が様々に変化してきた。一四〇〇年の歴史を重ねた今、最新の研究成果に基づいて確かに言えることは何か。飛鳥・奈良時代研究の第一人者が、その真実の姿を解き明かす。

法隆寺と聖徳太子

Takumi ブックス

法隆寺と聖徳太子

一四〇〇年の史実と信仰

著者・関係者
東野 治之 著
カテゴリ
人文・社会科学書
刊行日
2023/11/29
体裁
四六・上製 ・346頁
ISBN
9784000616171
在庫状況
在庫あり

価格:2,970 円

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著者略歴

  • 東野治之(とうのはるゆき) 1946年生.大阪市立大学大学院修士課程修了.日本古代史専攻.奈良文化財研究所勤務を経て,大阪大学教授,奈良大学教授を歴任.大阪大学および奈良大学名誉教授.東京国立博物館客員研究員.日本学士院会員.杏雨書屋館長. おもな著書に,『日本古代木簡の研究』『長屋王木簡の研究』『大和古寺の研究』(以上,塙書房),『遣唐使と正倉院』『日本古代金石文の研究』『日本古代史料学』『史料学探訪』『書の古代史』(以上,岩波書店),『木簡が語る日本の古代』『正倉院』『遣唐使』『鑑真』(以上,岩波新書),『聖徳太子 ほんとうの姿を求めて』(岩波ジュニア新書),『上宮聖徳法王帝説』(校注,岩波文庫),『貨幣の日本史』『遣唐使船』(以上,朝日選書),『史料学遍歴』(雄山閣)などがある.

目次

  1. はしがき 第Ⅰ部 法隆寺の創建・復興とその時代 第一章 飛鳥時代の法隆寺──創建から焼失、復興まで 一 法隆寺の創建 二 法隆寺の火災 三 法隆寺の再建 四 法隆寺の復興 五 「再建」法隆寺の性格 六 法隆寺と飛鳥文化 七 聖徳太子の聖蹟としての斑鳩 第二章 法隆寺資財帳をどう読むか はじめに 一 縁起部分の性格 二 資財帳の体例──「合」と「右」 三 施入者 おわりに 第三章 金堂壁画──外国文化の受容と画師たち はじめに 一 初唐文化とインド 二 インド風の影響と受容 三 遣唐使中絶期間中の対外交流 四 壁画の画師 第四章 白鳳文化と亡命百済人 はじめに 一 亡命百済人の活動 二 大型多尊塼仏の作者 三 百済人と唐文化──結びにかえて 第五章 古代天皇の諡号をめぐって 第Ⅱ部 聖徳太子信仰の展開 第一章 奈良時代の法隆寺と太子信仰 一 奈良時代の太子信仰 二 女性たちの太子信仰 三 行信の登場 四 東院伽藍の特徴と夢殿 五 斑鳩宮の再現 六 東院の本尊と宝物 七 前生所持の細字法華経 八 文化財としての細字法華経 九 三経義疏 一〇 その他の太子遺品 一一 称徳天皇の東院行幸 第二章 磯長墓──太子はどこに葬られたのか はじめに 一 太子の葬送と墓 二 母后間人皇女の墓とその所在地 三 三骨一廟の成立 おわりに 第三章 「南無仏舎利」伝承の成立 はじめに 一 伝承成立の上限と下限 二 開浦院住僧らの活動 三 南無仏舎利の安置 四 法隆寺金堂の舎利と慧思後身説 第四章 東院舎利殿の障子絵の主題をめぐって 一 呂尚と商山四皓 二 主題の典拠 第五章 『天王寺秘決』を読む──四天王寺と法隆寺 一 『太子伝古今目録抄』の同名異書 二 『天王寺秘決』の成立と伝来 三 『天王寺秘決』の特色 四 法隆寺と四天王寺 第六章 『太子伝古今目録抄』からみた撰者顕真の人物像 一 書名と伝来 二 自筆本の研究史 三 自筆本の姿と内容 四 顕真と調子丸 五 自筆本からみた顕真 第七章 幕末の法隆寺とその紙幣 はじめに 一 銀札の解読 二 銀札発行に関わる関連文書 おわりに 第八章 聖徳太子の人物像と千三百年御忌 はじめに 一 従来の太子像と実在の太子 二 江戸時代までの太子像と近代 三 一千三百年御忌奉賛会から聖徳太子奉讃会へ 四 昭和天皇と聖徳太子 おわりに 第Ⅲ部 法隆寺研究の周辺 第一章 壁画撮影の先駆者・田中松太郎 一 金堂壁画と模写・写真の意義 二 田中松太郎の撮影 三 写真から印刷へ 第二章 正木直彦が贈った百済の石燈籠 第三章 古代寺院の僧房と僧侶の持戒生活 はじめに 一 『日本感霊録』に見える僧房 二 僧房居住の実態 三 僧房と古代仏教──結びに替えて 第四章 片岡王寺と百済系氏族 一 片岡王寺と甲午年銅板銘 二 大原史と大原真人 三 片岡姫王と片岡女王 四 『放光寺古今縁起』の信頼性と斑鳩 図版出典一覧 索引

本文紹介

歴史の中で様々な評価がなされてきた法隆寺と聖徳太子。その真実の姿を、第一人者が最新の研究成果に基づき具体的に解き明かす。

抜粋:世界遺産・法隆寺は、かつて建立・再建年代をはじめ多くの点で論争の的となってきた。その創建者・聖徳太子も、没後早くから神話化され、時代ごとに人物像が様々に変化してきた。一四〇〇年の歴史を重ねた今、最新の研究成果に基づいて確かに言えることは何か。飛鳥・奈良時代研究の第一人者が、その真実の姿を解き明かす。