書籍詳細

書籍のレビュー・概要

冷戦後の史料公開や研究の深化により、ホロコーストの「傍観者」=現地社会の加害の面が明らかになった。世紀末ウィーンに一八万人いたユダヤ人の苛烈な追放を可能にしたものは何か。多民族帝国から近代国民国家への激震の中、被害と加害のはざまを揺れ動いたオーストリアのホロコーストを、戦後の歴史政策も含めて描き直す

ウィーン ユダヤ人が消えた街

Takumi ブックス

ウィーン ユダヤ人が消えた街

オーストリアのホロコースト

著者・関係者
野村 真理 著
カテゴリ
人文・社会科学書
刊行日
2023/11/14
体裁
四六・上製 ・カバー ・262頁
ISBN
9784000222457
在庫状況
在庫あり

価格:3,190 円

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著者略歴

  • 野村真理(ノムラ マリ) 1953年生.一橋大学にて博士(社会学)取得.金沢大学名誉教授.専門は,社会思想史・ヨーロッパ近現代史.著書に『西欧とユダヤのはざま――近代ドイツ・ユダヤ人問題』(南窓社,1992年),『ウィーンのユダヤ人――19 世紀末からホロコースト前夜まで』(御茶の水書房,1999年/日本学士院賞受賞),『ガリツィアのユダヤ人――ポーランド人とウクライナ人のはざまで』(人文書院,2008年/新装版2022年),『ホロコースト後のユダヤ人――約束の土地は何処か』(世界思想社,2012年),『隣人が敵国人になる日――第一次世界大戦と東中欧の諸民族』(人文書院,2013年)など.訳書に,メンデル・ノイグレッシェル『イディッシュのウィーン』(松籟社,1997年),共訳書に,ヤヌシュ・コルチャク『コルチャク ゲットー日記』(田中壮泰・菅原祥・佐々木ボグナ監訳,みすず書房,2023年)など.

目次

  1. 序 第Ⅰ部 オーストリアの反ユダヤ主義 はじめに 第一章 近代的反ユダヤ主義言説の形成 一 近代の成功者ユダヤ人 二 大衆政党の登場――社会民主党とキリスト教社会党 三 キリスト教社会党の反ユダヤ主義 第二章 両大戦間期オーストリアの反ユダヤ主義 一 反ユダヤ主義言説の転換 二 オーストリア・ナチの登場 三 真のドイツ性と反ユダヤ 第三章 ユダヤ人社会の政治的孤立と窮乏化 一 世紀末ウィーンのユダヤ人 二 政治的ホームレス 三 ユダヤ人社会の窮乏化 第Ⅱ部 ホロコースト はじめに 第一章 エクソダス 一 合邦の衝撃 二 ウィーン・モデルとは何か 三 ユダヤ人移住本部 第二章 移住から移送へ 一 第二次世界大戦開戦から独ソ戦まで 二 ユダヤ人社会の消滅 三 正義と不正義の境界 第Ⅲ部 二つの顔を持つ国 はじめに 第一章 オーストリアの戦後補償 一 犠牲者援護法と返還法 二 国外の犠牲者と相続人不在の財産 第二章 オーストリアの歴史政策 一 ヴァルトハイム事件 二 歴史政策の転換 あとがき 主要文献目録 人名索引

本文紹介

多民族帝国から国民国家への激震の中、被害と加害のはざまを揺れたオーストリアのホロコーストを、戦後歴史政策も含めて描き直す

抜粋:冷戦後の史料公開や研究の深化により、ホロコーストの「傍観者」=現地社会の加害の面が明らかになった。世紀末ウィーンに一八万人いたユダヤ人の苛烈な追放を可能にしたものは何か。多民族帝国から近代国民国家への激震の中、被害と加害のはざまを揺れ動いたオーストリアのホロコーストを、戦後の歴史政策も含めて描き直す