書籍詳細

書籍のレビュー・概要

フレーゲからラッセル、そしてウィトゲンシュタインへ――二十世紀初頭、言葉についての問いと答えが重なりあい、つながりあっていった。天才たちの挑戦は言語哲学の源流を形作っていく。その問いを引き受け、著者も根本に向かって一歩一歩考え続ける。読めばきっとあなたも一緒に考えたくなる。とびきり楽しい言葉の哲学。

言語哲学がはじまる

Takumi ブックス

言語哲学がはじまる

著者・関係者
野矢 茂樹 著
カテゴリ
文庫
刊行日
2023/10/20
体裁
新書・270頁
ISBN
9784004319917
在庫状況
在庫あり

価格:1,100 円

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著者略歴

  • 野矢茂樹(ノヤ シゲキ) 1954(昭和29)年,東京都に生まれる.東京大学大学院博士課程単位取得退学.東京大学大学院総合文化研究科教授を経て,現在,立正大学文学部教授.専攻は哲学. 著書―『哲学の謎』(講談社現代新書,1996年) 『哲学・航海日誌』(春秋社,1999年/中公文庫,2010年) 『『論理哲学論考』を読む』(哲学書房,2002年/ちくま学芸文庫,2006年) 『入門! 論理学』(中公新書,2006年) 『語りえぬものを語る』(講談社,2011年/講談社学術文庫,2020年) 『心という難問』(講談社,2016年) 『まったくゼロからの論理学』(岩波書店,2020年) 『『哲学探究』という戦い』(岩波書店,2022年) 訳書―ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』(岩波文庫,2003年) ほか多数.

目次

  1. はじめに 第一章 一般観念説という袋小路 1 どうして言葉は新たな意味を無限に作り出せるのか 新たな意味の産出可能性という問題 言語は有限の語彙と文法からなる 2 「猫」の意味は何か 「富士山」と「猫」 指示対象説 3 個別の猫と猫一般 太郎は「猫」の意味が分からない 個別性と一般性のギャップという問題 4 心の中に猫の一般観念を形成する? 「猫」は猫の一般観念を指示するという考え 批判その1――一般観念とは何か 批判その2――一般観念説はコミュニケーションを不可能にする 批判その3――観念もまた個別的でしかない どこで引き返せばよかったのか 第二章 文の意味の優位性 1 私たちはただ対象に出会うのではなく、事実に出会う 『論理哲学論考』の出だし 語の意味から出発するのではなく、文の意味から出発する 2 語は文との関係においてのみ意味をもつ 要素主義 銘記されるべきは、完全な文の全体 3 文と事実の関係 文は事実の名前か 言葉と世界の基本的関係は真偽 4 述語を関数として捉える 「……は猫だ」の意味 命題関数 曖昧な述語 関係述語 命題関数を考えるメリット 命題関数と文脈原理 5 固有名の意味と文脈原理 指差して名づければ指示対象が定まるというわけではない 名前を尋ねることができるために、何を知っていなければならないのか 6 新たな意味の産出可能性の問題に答える やっぱり要素主義の方がいい? そんなことはない 積み木とレゴブロック 「猫はよく寝る」と「猫が寝ている」 「猫が富士山に登った」 7 合成原理 語の意味から文の意味へ 合成原理と文脈原理は矛盾している? 子どもの言語学習 第三章 「意味」の二つの側面 1 文の「意味」 驚くべき帰結 「意味」の意味 2 指示対象と意義 外延と内包 外延と内包という考え方を拡張する 文の意義 述語の意義 3 固有名の意義 同一性を主張する文の謎 信念文の謎 私はフレーゲの解答についていけない フレーゲ的枠組 第四章 指示だけで突き進む 1 日本の初代大統領は存在する? 指示対象が存在しない固有名は無意味か 「日本の初代大統領」という表現は無意味か? フレーゲの解答 ラッセルの解答 2 記述理論 定冠詞“the”の意味 もうなんでもかんでも存在すると言わなくていい 確定記述と記述理論 3 本当の固有名 同一性問題と信念文の問題への応答 それは本当に固有名なのか 固有名と述語 「これ」 本当の固有名を巡る問題と解答 4 文の意味と命題 文の指示対象 命題はそれを判断する人が構成する ウィトゲンシュタインの批判 第五章 『論理哲学論考』の言語論 1 『論理哲学論考』の構図 『論理哲学論考』のめざしたもの 言語と思考 2 言語が可能性を拓く ラッセルの誤解 事実から対象を取り出して可能的な事態に組み立て直す 対象を組み立て直すには言語が必要 3 論理形式と論理空間 対象を分節化するには可能性を了解していなければならない 対象の論理形式は語の論理形式から把握される 為すべきは説明ではなく解明 論理形式の理解 全体論的言語観 4 論理空間と文の意味 論理空間の構成 文の意味を論理空間を用いて規定する 要素文と真理関数 5 フレーゲ、ラッセルとの対比 指示対象と意義 文の構造を捉えねばならない 6 フレーゲからの挑戦に答える 単純な対象 同一性問題 信念文の問題 7 『論理哲学論考』から『哲学探究』へ 要素文同士の論理的関係 静的言語観から動的言語観へ 注 おわりに 索 引

本文紹介

言葉とは何か。この問いにフレーゲ、ラッセル、ウィトゲンシュタインはどう挑んだのか。とびきりたのしい言語哲学の説き語り。

抜粋:フレーゲからラッセル、そしてウィトゲンシュタインへ――二十世紀初頭、言葉についての問いと答えが重なりあい、つながりあっていった。天才たちの挑戦は言語哲学の源流を形作っていく。その問いを引き受け、著者も根本に向かって一歩一歩考え続ける。読めばきっとあなたも一緒に考えたくなる。とびきり楽しい言葉の哲学。