書籍詳細

書籍のレビュー・概要

我々は「震災が頻発する地震活性期にめぐりあわせている」。東日本大震災の復興構想会議の議長を務めた政治学者が、近代の三大震災(関東大震災、阪神淡路大震災、東日本大震災)における被害の実態、国と社会の対応、当時の政治判断、復興への取り組みを比較・検証し、今後起こるかもしれない震災への備えとする。

大災害の時代

Takumi ブックス

大災害の時代

三大震災から考える

著者・関係者
五百旗頭 真 著
カテゴリ
現代文庫
刊行日
2023/08/10
体裁
A6・並製 ・カバー ・394頁
ISBN
9784006033439
在庫状況
在庫あり

価格:1,573 円

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著者略歴

  • 五百旗頭 真(いおきべ まこと) 1943年生まれ.兵庫県出身.京都大学法学部卒業,同法学研究科修士課程修了.広島大学助教授,神戸大学教授,防衛大学校長,熊本県立大学理事長,兵庫県立大学理事長を歴任.現在,兵庫県立大学顧問,ひょうご震災記念21世紀研究機構理事長.法学博士(京都大学).文化功労者.主な著書に『米国の日本占領政策』上下(中央公論社,1985年),『占領期──首相たちの新日本』(読売新聞社,1997年),『戦後日本外交史』(編著,有斐閣アルマ,1999年),『総合検証 東日本大震災からの復興』(共監修,岩波書店,2021年),『評伝 福田赳夫』(監修,岩波書店,2021年)など.

目次

  1. 岩波現代文庫版への序文 緒 言………(山崎正和) はじめに 1 「三大震災」の視座から 2 日本人の自然観・天災観 3 日本列島の地震活性期 第1章 関東大震災 1 海洋プレート型と内陸直下型の連鎖 地震発生のメカニズム 双方の揺れを体験した震災 地震予知と科学研究 2 被災地の惨状 震源に近かった横浜 複合災害に見舞われた東京 3 江戸時代・明暦の大火 市街の六割が焼ける 幕府の対処 4 震災への行政対応 首相の不在 火災との闘い 5 自警団による虐殺 情報暗黒下の異常心理 異常事態への警察対応 6 政争の中の創造的復興 後藤新平の大構想 伊東巳代治の反対演説 復興院と政界再編 積極的復興の中身 第2章 阪神・淡路大震災 1 戦後平和を引き裂く直下地震 大地の魔神 生死を分けた住居 被災地体験を伝える記録 伝統的共同体の救い 悲惨の中、人の輝き 2 安全のための第一線部隊 自助・共助・公助による減災 警察の試練 消防力を超える火災 3 自衛隊出動 姫路連隊の動き 伊丹連隊の場合 戦略レベルの決定失敗 4 生存救出と「震災の帯」 ある学生寮の奇跡 生存救出の八割を占める共助 断層と「震災の帯」の乖離 5 首長たちの初動 風水害で鍛えた危機管理 公用車を待つ首長 兵庫県庁の初動 6 官邸の初動 情報、官邸に上がらず テレビ報道 vs 公的情報 緊急対策本部の創設 7 復旧・復興の諸局面 復旧のプロセス 基金設立と創造的復興 8 創造的復興の行方 地元主導の復興論 立ちふさがる行政の壁 減災シンクタンクの誕生 第3章 東日本大震災1――大津波の現場 1 巨大津波を生んだ海溝型大地震 猛り狂う海の魔神 船乗りたちの格闘 2 津波常襲地の三陸海岸 明治三陸津波 明治の高台移転 昭和三陸津波 田老の防潮堤 3 消防団の苦闘 住民と共にある消防団 甘えすぎの社会への教訓 4 警察の災害対応力 地震災害と津波災害 広域支援体制と災害用部隊 5 自衛隊の任務 「ことに臨んでは、わが身を顧みず」 陸幕長の独断専行 自衛隊の大改革 6 現場主義の奮闘 もう一つの第一線部隊 DMATによる医療支援 学校と教師たち 7 自治体間の広域支援 関西広域連合のカウンターパート方式 東京都杉並区のスクラム支援 企業による支援の新段階 遠野市の奇跡 第4章 東日本大震災2――国と社会の対応 1 日本政府の初動 見違えるような初動体制 原発事故発生 2 フクシマの現場 津波による電源喪失 ベントのための決死隊 炉心溶融(メルトダウン) なぜ原発は暴走したか 現場力の高さと運命の女神 3 トモダチ作戦 災害支援の日米関係史 災害平穏期から活性期へ 軍の役割の拡大 大震災勃発と日米の緊密な連携 フクシマ原発事故――日本滅亡の危機 日米間の情報共有と協力の進展 トモダチ作戦の意義 トモダチ作戦と安全保障 4 復興構想会議 首相からの電話 五つの基本方針 大荒れの第一回会議 復興構想7原則 難産の末の復興構想 復興構想の内容 生かすも殺すも政治次第 5 安全なまちづくりをめざして 復興の三類型 想定を超える人工丘のまち 違いの見えた復興過程 第5章 地震活性期を生きる 1 リスボン地震との比較 リスボン地震という歴史的モデル Aクラスの危機管理・応急対応 リスボンの復旧・復興 国家の賑わいと凋落 2 災害対策の現在 復旧か、復興か 国際的支援 天皇の役割 安全なまちの先にあるもの 南海トラフと首都直下への備え あとがき 注 参考文献

本文紹介

東日本大震災の復興構想会議議長を務めた政治学者による、震災に備えるための知見に満ちた報告書。

抜粋:我々は「震災が頻発する地震活性期にめぐりあわせている」。東日本大震災の復興構想会議の議長を務めた政治学者が、近代の三大震災(関東大震災、阪神淡路大震災、東日本大震災)における被害の実態、国と社会の対応、当時の政治判断、復興への取り組みを比較・検証し、今後起こるかもしれない震災への備えとする。