書籍のレビュー・概要
【特集1 狂騒のChatGPT】 何を質問しても、人間のように自然な言葉づかいで即座に回答する。そんなAI(人工知能)「ChatGPT」の登場は、AI技術の発展と普及がこれまでとは異なる段階に入ったと告げるものとなった。 どんな職業が、仕事が、「不要」になるか? 動揺が広がるなか、合意なく自らの作品がAIに「学習」され、利用されているとして、海外ではアーティストらが既に訴えを起こしている。先のG7では「責任あるAI」の実現を掲げたものの、議長国日本で規制をめぐる議論は進んでいない。 AIはどのように開発され、いかなる進歩を遂げつつあるのか。技術によって経済的な不平等、情報格差、そして社会の亀裂がこれ以上深まらないように、私たちは何をなしうるのか。AIを取り巻く混沌を解きほぐしながら、人間の役割を探る。 【特集2 交錯する人権と外交】 あらゆる戦争は、人権を踏みにじる。では、外交はどうだろうか。 戦争の痕が今ものこる広島で開催されたG7で、岸田首相は「自由と民主主義」「法の支配」といった輝かしい理念を謳った。 しかし、それらの理念は字義通りに守られてはいない。イラクやアフガニスタンにおける人道的介入が何をもたらしたか。徴用工問題という名の人権問題に日本政府はどう向き合っているのか。ウクライナ戦争以降に増幅する安全保障の論理と高まる人権意識は共存しうるのか。 外交の本質とは対話である。その可能性を信じるために――矛盾を見つめ、その先を思考する。