書籍詳細

書籍のレビュー・概要

今からおよそ三〇〇〇年前、人類が地球上で最後に足を踏み入れ、適応と改変を重ねてかたち作ってきた太平洋とその島々。考古学、移民/植民、ジェンダー、そして日本とのかかわりといった多彩な切り口でこの太平洋海域世界に迫り、「歴史・歴史学のいとなみとは何か」という大きな問いを再考する。

太平洋海域世界 ~20世紀

Takumi ブックス

太平洋海域世界 ~20世紀

著者・関係者
荒川 正晴 編集委員・大黒 俊二 編集委員・小川 幸司 編集委員・木畑 洋一 編集委員・冨谷 至 編集委員・中野 聡 編集委員・永原 陽子 編集委員・林 佳世子 編集委員・弘末 雅士 編集委員・安村 直己 編集委員・吉澤 誠一郎 編集委員
カテゴリ
人文・社会科学書
刊行日
2023/05/30
体裁
A5・上製 ・カバー ・306頁
ISBN
9784000114295
在庫状況
在庫あり

価格:3,520 円

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著者略歴

  • 【責任編集】 中野 聡(なかの さとし) 1959年生.一橋大学学長.アジア太平洋国際史.『東南アジア占領と日本人――帝国・日本の解体』(岩波書店,2012年). 安村直己(やすむら なおき) 1963年生.青山学院大学文学部教授.ラテンアメリカ史.『コルテスとピサロ――遍歴と定住のはざまで生きた征服者』(山川出版社,2016年). 【執筆者一覧】 後藤 明(ごとう あきら) 1954年生.南山大学人類学研究所特任研究員.オセアニアの文化人類学. 風間計博(かざま かずひろ) 1964年生.京都大学大学院人間・環境学研究科教授.人類学・オセアニア社会研究. 藤川隆男(ふじかわ たかお) 1959年生.大阪大学大学院人文学研究科教授.オーストラリア史. 矢口祐人(やぐち ゆうじん) 東京大学大学院総合文化研究科教授.アメリカ・太平洋地域研究. 深山直子(ふかやま なおこ) 1976年生.東京都立大学人文社会学部准教授.社会人類学・オセアニア地域研究. 馬場 淳(ばば じゅん) 1975年生.和光大学表現学部教授.文化人類学・オセアニア地域研究. 桑原牧子(くわはら まきこ) 金城学院大学文学部教授.文化人類学. 丹羽典生(にわ のりお) 国立民族学博物館グローバル現象研究部教授.社会人類学・オセアニア地域研究. 石森大知(いしもり だいち) 1975年生.法政大学国際文化学部准教授.文化人類学・オセアニア地域研究. 今泉裕美子(いまいずみ ゆみこ) 1963年生.法政大学国際文化学部教授.国際関係学・ミクロネシア‐日本関係史. 石原 俊(いしはら しゅん) 1974年生.明治学院大学社会学部教授.歴史社会学・日本の南方離島史研究. 牧野元紀(まきの もとのり) 1974年生.東洋文庫文庫長特別補佐・専任研究員.東洋学・近代アジアカトリック布教史・近代太平洋海域交流史. 窪田幸子(くぼた さちこ) 1959年生.芦屋大学学長,神戸大学名誉教授.文化人類学・オーストラリア先住民研究. 井上昭洋(いのうえ あきひろ) 1961年生.天理大学附属おやさと研究所教授.文化人類学・ハワイ研究. 山本真鳥(やまもと まとり) 1950年生.法政大学名誉教授.文化人類学・オセアニア地域研究. 山口 徹(やまぐち とおる) 1963年生.慶應義塾大学文学部教授.歴史人類学・オセアニア考古学. 【編集協力】 棚橋 訓(たなはし さとし) 1960年生.お茶の水女子大学教授.文化人類学,オセアニア地域研究.『アイランドスケープ・ヒストリーズ――島景観が架橋する歴史生態学と歴史人類学』(共著,風響社,2019年).

目次

  1. 地 図 展 望―Perspective 人、島、海、出遭い――太平洋海域世界史の困難と可能性………棚橋 訓 はじめに 一、太平洋とオセアニアの島々 二、忘却された歴史と太平洋の発見 三、「新たな世界」との出遭い 四、「新たな世界」の植民地化 五、歴史を取り戻す おわりに 問題群―Inquiry 太平洋世界の考古学………後藤 明 はじめに 一、太平洋世界の黎明 二、太平洋海域世界への進出 三、島々の移動とその戦略 四、島嶼環境における資源と環境認知および社会形成 おわりに――人新世における太平洋考古学の課題 ヨーロッパ人との初期接触から新たな太平洋島嶼世界の生成へ………風間計博 一、太平洋島嶼における歴史の複合性 二、ヨーロッパ人による探検と初期接触 三、太平洋島嶼住民とヨーロッパ人の相互関係 四、交易による資源の搾取と人口減少 五、新たな太平洋島嶼世界の生成 移民国家オーストラリア――流刑植民地から多文化社会へ………藤川隆男 はじめに 一、流刑の時代 二、自由移民の時代 三、帝国との紐帯と白豪主義 四、白人民主共和国 五、二つの世界大戦 六、多文化主義の時代へ 結びにかえて――経済移民の時代 ハワイの内側から見るハワイ史………矢口祐人 はじめに 一、ハワイの内側から外を見る 二、ハワイとキリスト教 三、王国の崩壊とアメリカ合衆国に対する抵抗 四、テリトリーから州へ 五、セトラー・アロハ・アーイナ おわりに 先住民マオリのアオテアロア・ニュージーランド史………深山直子 一、プレ・コンタクト時代のマオリ社会 二、イギリスによる植民地化とマオリ社会の変質 三、先住民運動と国家の改革 パプアニューギニア史におけるホモソーシャルな政治と女性たち………馬場 淳 はじめに――二重に周辺化された女性たち 一、植民地期――周辺化のはじまり 二、独立への道――ホモソーシャルな政治史 三、ブーゲンヴィル独立問題 四、女性の政治参加 五、市民社会――女性グループの躍進 おわりに 焦 点―Focus フランス領ポリネシアの歴史………桑原牧子 はじめに 一、西洋人来航とポマレ王朝の誕生 二、キリスト教化と社会統一 三、ポマレ王朝の終焉と植民地統治 四、核実験と自治権獲得への戦い おわりに 民族の対立と統合への可能性からみたフィジーの二〇世紀の歴史………丹羽典生 一、フィジー史の争点 二、イギリス植民地期からの移民や民族運動 三、独立後の政治紛争の歴史 四、二一世紀の展望 ソロモン諸島史にみる社会運動の系譜――植民地期からポスト紛争期まで………石森大知 はじめに 一、ソロモン諸島の植民地化と「平和化vii 二、社会運動の萌芽と第二次世界大戦 三、社会運動の顕在化 四、国家独立とその後の政治的混乱 おわりに 太平洋分割のなかの日本の南洋群島統治――委任統治と「島民」の創出………今泉裕美子 はじめに 一、日本統治時代までの分割の歴史 二、日本の南洋群島統治の始まり――日本海軍による統治 三、日本の南洋群島統治の展開――委任統治 おわりに 小笠原諸島史………石原 俊 はじめに――世界史のなかの「小笠原諸島」 一、太平洋の捕鯨業と帆船労働からのアジール――一九世紀前期の小笠原群島 二、日米による領有計画と「ブラックバーダー」の拠点――一九世紀中期の小笠原群島 三、日本併合と再編される移動民の世界――一九世紀後期の小笠原群島・硫黄列島 四、「砂糖の帝国」の「南洋」開発モデル――二〇世紀前期の小笠原群島・硫黄列島 五、日米総力戦の最前線――二〇世紀中期の小笠原群島・硫黄列島 六、米国の秘密軍事拠点から日本返還へ――二〇世紀後期の小笠原群島・硫黄列島 おわりに――帝国・総力戦・冷戦の矛盾の最前線 コラム―Column 東洋文庫における太平洋海域史資料………牧野元紀 オーストラリア先住民族と歴史の場所――エアーズ・ロック………窪田幸子 歴史の場としてのマウナ・ケア………井上昭洋 歴史の中の文身――ポリネシアのタタウ………山本真鳥 日本に渡ったウリ像――小嶺コレクション………山口 徹

本文紹介

考古学、移民/植民、ジェンダーや日本との関係といった切り口で歴史世界としての太平洋地域を捉える試み。

抜粋:今からおよそ三〇〇〇年前、人類が地球上で最後に足を踏み入れ、適応と改変を重ねてかたち作ってきた太平洋とその島々。考古学、移民/植民、ジェンダー、そして日本とのかかわりといった多彩な切り口でこの太平洋海域世界に迫り、「歴史・歴史学のいとなみとは何か」という大きな問いを再考する。