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書籍のレビュー・概要

【特集1 新しい戦前と憲法】 安保関連三文書が閣議決定されたのは、昨年12月16日。国会は閉会し、年末の慌ただしい時期に、国民的な議論や深い検討もなく、国の方向性を大きく変える決定がなされた。三文書には憲法の平和主義、憲法9条に背馳する内容が含まれているにもかかわらず、年明けの国会審議での追及も低調である。逆に、メディアでは台湾有事や軍事ビジネスを煽る報道がなされている。 政府による日本学術会議への介入、防衛費の増額と軍事産業の強化、メディアの萎縮……、これらの動きはすべてつながっている。私たちが戦後保持してきた平和国家・日本の国柄を徐々に変えていき、「軍事優先国家」へと転換していく流れである。昨年末、新しい戦前という言葉が大きな反響を呼んだのも、そうした時代の空気を敏感に感じとった人が多かったからではないか。この流れに抗するためには何が必要か。多角的に検証する。

世界 2023年5月号

Takumi ブックス

世界 2023年5月号

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296頁
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価格:935 円

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目次

  1. ┏━━━┓ ┃特集1┃新しい戦前と憲法 ┗━━━╋…──────────────────────────────── 〈なぜ九条か〉 安保三文書改定と私たちの平和構想力 青井未帆(学習院大学) 〈「揃い踏み改定」の意味〉 現代の安保関連三文書を、戦前期の「帝国国防方針」から考える 加藤陽子(東京大学) 〈防衛論争の焦点〉 防衛行動の予見可能性 石田 淳(東京大学) 〈その危険性〉 改めて問う、「反撃能力」保有の違憲性 福田 護(弁護士) 〈対談〉 防衛省、世論誘導工作 スクープの裏側 石井 暁(共同通信)×斎藤貴男(ジャーナリスト) 〈財政に与えるインパクト〉 防衛費の大幅拡大で日本はどうなる 和田哲郎(トータルアセットデザイン顧問) 〈インタビュー〉 岸田首相は宏池会イズムを取り戻せ 古賀 誠(元自民党幹事長) 〈軍事化される風景〉 「戦後ゼロ年」の沖縄から 田仲康博(作家、元国際基督教大学教授) 〈柔軟さを取り戻せるか〉 失われたバランス――現代日本外交「三つの路線」をめぐって 宮城大蔵(中央大学) 〈任命拒否理由をまず示せ〉 「日本学術会議法」改正案批判 髙山佳奈子(京都大学) ┏━━━┓ ┃特集2┃見えない貧困 ┗━━━╋…──────────────────────────────── 〈座談会〉 透明にされた「中高年シングル女性」の困難 和田靜香、大矢さよ子、植野ルナ、金涼子 〈どんなリスクが?〉 子どもの食生活・栄養格差 村山伸子(新潟県立大学) 〈有権者が問われている〉 エネルギー価格の上昇が私たちを苦しめる理由 田中信一郎(千葉商科大学) 〈「新しい生活困難層」とは〉 分断社会の「見えない貧困」 宮本太郎(中央大学) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆注目記事 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〈「希求する」意思〉 大江健三郎さんを追悼する――日本国憲法の精神を生き抜いた文学者 小森陽一(東京大学名誉教授) 〈総務省文書から〉 放送法と政治的公平――総務大臣の権限行使はどうあるべきか 鈴木秀美(慶應義塾大学) 〈インタビュー〉 日韓逆転のなかの徴用工問題“解決策” 李鍾元(早稲田大学)、聞き手=青木 理(ジャーナリスト) 〈目の前の危機〉 「2024年問題」とは何か――物流の曲がり角 首藤若菜(立教大学) 〈許されざる事態〉 「身体拘束」からみる 失われる民主主義 長谷川利夫(杏林大学) 〈インタビュー〉 「人間らしさ」を諦めないために――ウクライナ侵攻から一年 スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ(作家)、聞き手=金平茂紀、沼野恭子 〈ウクライナと「西側」の責任〉 交渉の勧め ユルゲン・ハーバーマス(哲学者)、訳・解説=三島憲一 〈現地から〉 トルコ南東部大規模地震――選挙のゲームチェンジャーとなるのか 今井宏平(ジェトロ・アジア経済研究所) 〈インタビュー〉 『トリとロキタ』監督に聞く――友情(アミティエ)という、たったひとつのホーム ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ(映画監督)、聞き手=中村一成(ジャーナリスト) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇世界の潮 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇再審をめぐる「早春の嵐」――日野町事件・袴田事件の再審開始と制度改革の芽吹き 鴨志田祐美 ◇韓国 出生率〇・七八という予見された現実 宋多永 ◇抜本的なカルト宗教対策が必要だ――「空白の三〇年」の宿題 紀藤正樹 ◇日本の人権状況に厳しい勧告――国連UPR審査 馬橋憲男 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇SEKAI Review of Books ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇はざまにいながら、二つの運動を結ぶ――排除なき社会を求めて 清末愛砂(室蘭工業大学) ◇連載│読書・観賞日記 読んで、観て、聴いて 新城和博(編集者) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●連載 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〈新連載〉 メディアの「罪と罰」 【第1回】――安倍政権下で起きたこと 松本一弥(ジャーナリスト) 〈好評連載〉 拉致問題 風化に抗して【第3回】――日本人拉致の目的(その1) 蓮池 薫(新潟産業大学) 隣のジャーナリズム──貧すれば鈍するマーチ 高橋純子(朝日新聞) 災厄の記憶を継承する【第2回】──水俣・アートで伝える 小松原織香(関西大学) 日本語のなかの何処かへ【第2回】──言語の持ち主 温又柔(作家) ●ボナエ・リテラエ──私の読書遍歴【第6回】──『ドストエーフスキー覚書』 森本あんり(東京女子大学長) ●脳力のレッスン(251)──二〇世紀システムにおける日本 寺島実郎 ●片山善博の「日本を診る」(162)──高市大臣が「捏造」だとした総務省文書から見えてくること 片山善博(大正大学) ●Z世代と探るジャーナリズム【第5回】──報道機関に求められる「公平・公正」は中立ではない 奥山俊宏(上智大学) ●気候再生のために【第12回】──未来のための「決定的な一〇年」 高村ゆかり(東京大学) ●沖縄(シマ)という窓──差別と排除――愛楽園で考えるウクライナ戦争 山城紀子(フリーライター) ●ドキュメント激動の南北朝鮮(309)(23・2~3) 編集部 ●民話採光 阿部海太(画家・絵本作家) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○読者投句・岩波俳句 選・文=池田澄子(俳人) ○アムネスティ通信 ○読者談話室 ○デザイン 赤崎正一 + 佐野裕哉 (協力=国府台さくら)

本文紹介

【特集1:新しい戦前と憲法】【特集2:見えない貧困】

抜粋:【特集1 新しい戦前と憲法】 安保関連三文書が閣議決定されたのは、昨年12月16日。国会は閉会し、年末の慌ただしい時期に、国民的な議論や深い検討もなく、国の方向性を大きく変える決定がなされた。三文書には憲法の平和主義、憲法9条に背馳する内容が含まれているにもかかわらず、年明けの国会審議での追及も低調である。逆に、メディアでは台湾有事や軍事ビジネスを煽る報道がなされている。 政府による日本学術会議への介入、防衛費の増額と軍事産業の強化、メ…