書籍詳細

書籍のレビュー・概要

犬への読み聞かせは子どもを読書へ誘い、生きづらさを抱える子どもは傷ついた動物をケアする中で学ぶ。保護犬を育て直して若者は生き直し、補助犬は障害のある人の人生を切り拓く。高齢者は犬や猫と共に充実した最期の日々を過ごす。人間にとっての動物の存在を国内外で30年近く取材した著者が、未来に向けて綴る。

動物がくれる力 教育、福祉、そして人生

Takumi ブックス

動物がくれる力 教育、福祉、そして人生

著者・関係者
大塚 敦子 著
カテゴリ
文庫
刊行日
2023/04/20
体裁
新書・286頁
ISBN
9784004319702
在庫状況
在庫あり

価格:1,166 円

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著者略歴

  • 大塚敦子(オオツカ アツコ) 1960年和歌山市生まれ.1983年上智大学文学部英文学科卒業.商社勤務を経て,世界各地の紛争取材の後,困難を抱えた人と自然や動物の絆,人と動物のかかわりなどをテーマに執筆. 『さよならエルマおばあさん』(小学館)で2001年講談社出版文化賞絵本賞,小学館児童出版文化賞受賞.『〈刑務所〉で盲導犬を育てる』(岩波ジュニア新書),『犬、そして猫が生きる力をくれた――介助犬と人びとの新しい物語』(岩波現代文庫),『ギヴ・ミー・ア・チャンス――犬と少年の再出発』(講談社),『犬が来る病院――命に向き合う子どもたちが教えてくれたこと』(角川文庫)など著書多数.

目次

  1. はじめに 序 章 動物との暮らしがもたらすもの 人と動物が暮らすこと 「動物介在介入」とは 「ワンヘルス」と「ワンウェルフェア」 第1章 子どもの教育と動物 1 他者への心の回路を開く JAHAのふれあい授業 犬の立場になって考えてみる 不登校の児童がきっかけとなった学校犬の導入 学校生活の一部 教育の効果は、すぐには測れない 学校犬を導入する条件 欧米のスクールドッグ 学校での動物飼育 自然の中でおこなう療育 犬と猫が活躍する動物介在活動 乗馬セラピー 動物は未知のものへの興味をかき立てる 自然に親しむ子どもの減少 子どもたちと自然界をつなぐ 2 子どもの学びを支援する 読書教育のニーズが高いアメリカ 犬が相手なら安心して読める 子どものセルフ・エスティーム 子どもの読書にもたらす効果 日本初のR.E.A.D.プログラム 三鷹市立図書館の「わん!だふる読書体験」 共感力を育む、ふれあい教室 犬のために本を選ぶ 広がる犬への読み聞かせ シェルターにいる動物に子どもが本を読む 保護猫の社会化のために 第2章 困難を抱える子どもを支える 1 自然の中での癒しと学び 先駆者、グリーン・チムニーズ 動物や自然の力を借りて 慈しむ心を見出す 自然を介したメタファー すべての生き物と環境を大切に 動物福祉と児童福祉に貢献する「わすれな草農場」 虐待からの回復をめざして やさしくすることを学ぶ ボランティアの大きな役割 動物を介した職業訓練 2 司法の場で子どもを支える 裁判所に犬が来る 広がるコートハウス・ファシリティドッグ 子どもに寄り添う付添犬 虐待を話す苦痛を減らすために 3 生きづらさを抱える若者の自立支援 人と動物双方の福祉をめざすキドックス 犬のためなら、がんばれる 孤立を防ぐ予防的な取り組みを 第3章 人の生き直しを助ける 1 動物を介在した刑務所での社会貢献活動 盲導犬パピー育成プログラム 価値観の変化につながる交流 子犬を育てるということ 盲導犬ユーザーの言葉 アメリカのプリズン・ドッグ・プログラム なぜ保護犬を救うことにこだわるのか 行き場のない猫たちを終生飼養 動物たちは心理的な安全をくれる 受刑者の力を借りて、猫の殺処分を減らす 個々の物語の力 受刑者による自然保護活動 人は自然に接すると向社会的になる 日本での新たな試み 2 少年院の動物介在活動 少年たちが保護犬を訓練するGMaCプログラム 犬の訓練で学ぶライフレッスン 少年たちの成長 地域の課題解決と3Re‐Smileプロジェクト ともに寝起きして保護犬と絆を育む 自分も誰かの役に立てる 地域社会とのかかわり 3 馬の力を借りた試み 心身に障害のある人を癒すホースセラピー 馬という動物の特性 馬を介在した心理療法 薬物依存からの回復をめざして 馬に受け入れられるということ 馬をとおして自分を知るイアガラ・モデル 島根あさひ社会復帰促進センターのホースプログラム 馬が馬らしくいることがセラピーに 第4章 人のために働いてくれる犬たち 1 障害のある人に寄り添う 盲導犬がくれる安心 スカイとなら歩ける 三頭の盲導犬と歩む人生 保護犬が聴導犬に 聞こえない人の目印にもなる聴導犬 もっと多様性のある社会を 自分で考える犬たち 介助犬とともに自立をめざす 本来の自分を取り戻す 介助犬がいれば、きっとなんとかなる 2 補助犬の可能性 もっと補助犬の受け入れが進むためには 適性に合わせてキャリアチェンジ 新たな存在を受け入れ、心の回路が開いた 家族や地域にも変化をもたらす アメリカのサービスドッグたち 第5章 医療や福祉の場で 1 病気の子どもや大人を支える犬たち 犬が来る病院 子どもが子どもらしくいられる時間 最後まで楽しむことをあきらめない 医療チームの一員、ファシリティドッグ 不安なときこそ、アイビー ハンドラーとの絆 勤務犬が活躍する病院も ホスピス病棟への訪問活動 2 高齢者施設の動物たち 犬がいる特別養護老人ホーム「さくら苑」 犬と接して表情が豊かに 介護職員のメンタルヘルスにも 犬は地域との架け橋 生きがいを創り出す 施設で人も動物も幸せに暮らすために 最期まで自分のペットと暮らす願いをかなえる「さくらの里山科」 動物の存在がもたらすもの 看取り犬、文福 動物とのあたたかな日々 おわりに 私と動物 主な参考・引用文献

本文紹介

犬に読み聞かせる。少年院で保護犬を訓練。犬や猫と高齢者施設で暮らす。30年以上の取材から綴る。

抜粋:犬への読み聞かせは子どもを読書へ誘い、生きづらさを抱える子どもは傷ついた動物をケアする中で学ぶ。保護犬を育て直して若者は生き直し、補助犬は障害のある人の人生を切り拓く。高齢者は犬や猫と共に充実した最期の日々を過ごす。人間にとっての動物の存在を国内外で30年近く取材した著者が、未来に向けて綴る。