書籍のレビュー・概要
【特集1】世界史の試練 ウクライナ戦争 世界中が衝撃を覚えたあの日、ロシアがウクライナへの侵攻を開始した2月24日から、1年が経とうとしている。終わりが見えないまま、いまも血は流れつづけており、ウクライナの厳しい冬はあけそうにない。 長い人類の歴史において、戦争は常に試練であり続けてきた。では、この戦争は私たちにとって、どのような試練であるのだろうか。プーチンとロシアの思惑、停戦をめぐる考え方、地域と民族の歴史、戦争の利権構造まで、開戦をきっかけに噴出した難問たちと向き合いたい。歴史と現在を往還しつつ、平和に向けた思考を鍛えるために。 【特集2】保育の貧困――「異次元の少子化対策」を問う 2010年代半ば、働きたいのに子どもを預けられず、過酷な「保活」をせざるをえない親たちの不満の声が大きなうねりとなった。国は待機児童問題の解決策として、いっそうの規制緩和を進め、保育園の「量」を増やすことにまい進した。結果、子どもの命を守るための「質」が問われる事態となっている。保育関係者からは、30人の4歳児を1人の保育士がみるという「配置基準」の非現実性が長く指摘されてきた。 保育は子どもをもつ親だけの問題ではない。何より、未来を支える子どもたちの人権の問題であり、子どもへの支援策は社会全体に資するとのエビデンスも示されている。 岸田政権は今年に入り「異次元の少子化対策」をぶち上げ、早くも児童手当の所得制限が争点となっている。だが、子どもの心身の安全や発達にすぐに影響するような保育の「質」の確保は、どのくらい認識されているだろう。子どもを支える人たちの現場から、また、隣国の実践から、真に必要な子ども政策とは何かを考える。