書籍詳細

書籍のレビュー・概要

満洲事変を契機として計画された日本各地からの農業移民は、日中戦争の本格化に伴い、陸軍主導の強力な国策となり、青少年までもが満蒙開拓義勇軍として送り込まれた。開拓先で中国人農民の反発を受けながらの厳しい生活、そして敗戦がもたらした悲劇は今なお終わっていない。移民の計画から終局までの全歴史を辿る初の通史。

満蒙開拓団

Takumi ブックス

満蒙開拓団

国策の虜囚

著者・関係者
加藤 聖文 著
カテゴリ
現代文庫
刊行日
2023/02/15
体裁
A6・並製 ・314頁
ISBN
9784006004613
在庫状況
在庫あり

価格:1,672 円

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著者略歴

  • 加藤聖文(かとうきよふみ) 1966年愛知県生まれ.早稲田大学社会科学部卒業.大和証券に勤めた後,早稲田大学大学院文学研究科史学(日本史)専攻博士後期課程単位取得退学.現在,人間文化研究機構国文学研究資料館准教授.専門は,日本近現代史・東アジア国際関係史・アーカイブズ(歴史記録)学.主な著書に『「大日本帝国」崩壊──東アジアの1945年』(中公新書,2009年),『国民国家と戦争──挫折の日本近代史』(角川選書,2017年),『満鉄全史──「国策会社」の全貌』(講談社学術文庫,2019年),『海外引揚の研究──忘却された「大日本帝国」』(岩波書店,2020年,角川源義賞)など.

目次

  1. はじめに 第1章 満洲移民計画の浮上 1 満洲事変と高まる移民熱 2 農村不況の深刻化と満洲移民 3 加藤完治の登場 4 関東軍の移民計画 5 拓務省の移民計画 6 救農議会と経済更生運動の始動 7 東宮鉄男の屯墾軍計画と試験移民の実現 第2章 迷走する試験移民 1 試験移民の実施と入植地選定問題 2 関東軍「日本人移民実施要綱案」と移民部の設置 3 試験移民団の動揺と土地買収問題 4 試験移民をめぐる移民部内の軋轢 5 土竜山事件の勃発 6 対満事務局の設置と満洲移民政策の転換 第3章 百万戸移住計画と本格移民の実施 1 「満洲農業移民根本方策案」と関東軍の主導権掌握 2 満洲拓殖株式会社と満洲移住協会の設立 3 試験移民から本格移民への発展 4 国策移民と自由移民 5 満洲移民政策立案と満鉄経済調査会 6 日ソ軍事バランスの崩壊と百万戸移住計画の浮上 第4章 経済更生運動と分村計画の結合 1 農林省と満洲移民政策 2 大量移民送出と中央省庁の関与拡大 3 農村更生協会と分村・分郷計画の浮上 4 経済更生計画と分村計画の結合 5 満蒙開拓青少年義勇軍の創設 第5章 戦局の悪化と破綻する国策 1 日中戦争と北辺振興計画 2 「満洲開拓政策基本要綱」と移民政策の変容 3 拡大する開拓民と目的の喪失 4 開拓団送出をめぐる地方の反応 5 義勇軍への傾斜と対象の拡散 6 戦局の悪化と開拓政策の破綻 第6章 開拓団の壊滅と開拓民の戦後 1 ソ連軍の満洲進攻と根こそぎ召集 2 開拓団の壊滅と開拓民の引き揚げ 3 緊急開拓政策と繰り返す国策の失敗 4 犠牲者の慰霊と中国残留日本人問題 おわりに――国策の責任とは 注 参考文献 あとがき 岩波現代文庫版のためのあとがき 関連年表

本文紹介

陸軍主導の国策となり、今なお続く悲劇をもたらした満洲移民。計画から破局までの全歴史を辿る初の通史。

抜粋:満洲事変を契機として計画された日本各地からの農業移民は、日中戦争の本格化に伴い、陸軍主導の強力な国策となり、青少年までもが満蒙開拓義勇軍として送り込まれた。開拓先で中国人農民の反発を受けながらの厳しい生活、そして敗戦がもたらした悲劇は今なお終わっていない。移民の計画から終局までの全歴史を辿る初の通史。