書籍詳細

書籍のレビュー・概要

中世の写字生、グーテンベルクをはじめとする印刷術の立役者、あるいは蒐集家、偽作者、伝統を守ろうとした改革者たち……。いつの時代にも、書物を愛し、あたかも書物に愛されて生きているような人々がいた。巻物から冊子へ、音読から朗読へ、書物と人が織りなす世界を楽しみながら、壮大な迷宮を旅する。カラー口絵四ページ。

西洋書物史への扉

Takumi ブックス

西洋書物史への扉

著者・関係者
髙宮 利行 著
カテゴリ
文庫
刊行日
2023/02/21
体裁
新書・222頁
ISBN
9784004319634
在庫状況
在庫あり

価格:1,100 円

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著者略歴

  • 髙宮利行(タカミヤ トシユキ) 1944年 東京都生まれ.73年,慶應義塾大学大学院英文学専攻博士課程単位取得退学,78年,ケンブリッジ大学英文学部博士課程単位取得退学.慶應義塾大学助教授を経て,85年同教授. 2016-17年ケンブリッジ大学サンダーズ書誌学講座リーダー.専門は中世英文学,書物史.現在,慶應義塾大学名誉教授.シェフィールド大学名誉文学博士,グラスゴー大学名誉文学博士. 著書に『西洋書物学事始め』(青土社,1993年),『グーテンベルクの謎――活字メディアの誕生とその後』(岩波書店,1998年),『書物に魅せられた奇人たち――英国愛書家列伝』(勉誠出版,2021年)など多数.

目次

  1. はじめに 文字メディア、いにしえの形態 二〇〇〇年近く前の文書板 ローマ軍兵士の日常生活 木板、葦ペン、インク 『アエネーイス』からの引用 写本以前 楔形文字を刻んだ蠟板 先を尖らせた葦の茎が刻む文字 書写材料と使用言語 最古の書記 Book の語源をたどる 書籍とは、書物とは 語源 ブナの木の謎 冊子本の登場 情報へのたどり着きやすさ パピルス ペンとインク 羊皮紙 パピルスの冊子本、羊皮紙の巻子本 冊子本への転換 聖マルコのノートブック 中世式知的生産の技術 ぺチア・システム デストレの発見 中世の授業風景 音読、朗読そして黙読 声に出して読むべからず アウグスティヌスの読書 視覚と聴覚 写本室は黙読だったか 単語間のスペース 『家庭版シェイクスピア全集』 「publish」の意味 写字生の仕事場 写字生ジャン・ミエロ 机、書見台、羊皮紙 ペンとペンナイフ マシュー・パリス 回転式書架のイコノグラフィ 頑丈な製本 写本と写字生 六面回転式書見台 図書目録とヨーロッパの書物の文化 古典の再発見とルネサンスの矛盾 ポッジョ・ブラッチョリーニ 古い書体の復活 ニッコロ・ニッコリとコジモ・デ・メディチ 活版印刷本の出現 情報爆発の時代へ 中世趣味 古典主義とロマン主義 中世の復活 均整美の古典主義建築の後で 中世趣味の製本 ラファエル前派の一枚の絵 ヨーロッパ世紀末の写本偽作者 精巧な偽物 スパニッシュ・フォージャー シエナの偽作者 再製本と偽物作り 愛書狂時代のファクシミリスト ペン・ファクシミリスト 史上最高の落札価格 汚れを「洗う」 ファクシミリの復刻 『アーサー王の死』の転写ミス 「全体の書」 大きな本と小さな本 ヴァーノン写本 グーテンベルク「四二行聖書」 グーテンベルク聖書、日本へ ミニチュア・ブック ホートンのコレクション 物言わぬ余白の力 「遅れに遅れてやってきたルネサンス的知性」 スタイナーの読書論 ペーパーバックとは ウィリアム・モリスの教え 第二グーテンベルク革命 HUMIプロジェクト 答えは誰にも分からない 図書館情報学の見地から コラム 蔵書票が語る本の歴史 おわりに 参考文献

本文紹介

書物という壮大な迷宮を愉しむエッセイ集。本のある世界に生まれてよかった! あなたもきっとそう思うはず。

抜粋:中世の写字生、グーテンベルクをはじめとする印刷術の立役者、あるいは蒐集家、偽作者、伝統を守ろうとした改革者たち……。いつの時代にも、書物を愛し、あたかも書物に愛されて生きているような人々がいた。巻物から冊子へ、音読から朗読へ、書物と人が織りなす世界を楽しみながら、壮大な迷宮を旅する。カラー口絵四ページ。