書籍詳細

書籍のレビュー・概要

物語は、日本で2番目に広い湖のほとりの村への海軍飛行場建設から始まる。地域の人々は、基地経済や外出してくる軍人と、日常的にどう関わっていたのか。戦後はなぜ自衛隊駐屯地を誘致したのか。戦争や開発、祝祭に揉まれて暮らしてきた地域住民の生活体験を、史料やインタビューから活き活きと描き出す。写真豊富。

「軍都」を生きる

Takumi ブックス

「軍都」を生きる

霞ヶ浦の生活史 1919―1968

著者・関係者
清水 亮 著
カテゴリ
人文・社会科学書
刊行日
2023/02/16
体裁
四六・並製 ・カバー ・254頁
ISBN
9784000226479
在庫状況
在庫あり

価格:2,860 円

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著者略歴

  • 清水 亮(シミズ リョウ) 1991年東京都生まれ.東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了.博士(社会学).現在,日本学術振興会特別研究員PD(早稲田大学),東京大学未来ビジョン研究センター客員研究員,武蔵大学社会学部非常勤講師. 著書に『「予科練」戦友会の社会学──戦争の記憶のかたち』(新曜社),共著書に『シリーズ戦争と社会2 社会のなかの軍隊/軍隊という社会』(岩波書店),『社会の解読力〈歴史編〉』(新曜社),『戦争社会学研究6 ミリタリー・カルチャーの可能性』『なぜ戦争体験を継承するのか』(みずき書林)など.

目次

  1. プロローグ この世界のもう一つの片隅で 序章 基地を抱きしめて 「魅力」という危険な問題 軍都の饒舌 戦後なお回帰する軍都 軍隊と地域をつなぐ結節点のドラマ 第1章 空に飛行機、地には下宿──戦間期の海軍航空隊は「世界の空の港」 航空隊は観光地 飛行機のスペクタクル 仮装行列とキング・コング 巨大格納庫にツェッペリン飛行船 「国際」的な「空の港」 墜落飛行士と農家の娘 開拓地買収への抵抗 農村生活の激変 軍人向け間貸し下宿 憧れは軍人の花嫁 コラム➊ 聞き書きに文字の声を聴く 第2章 盛り場は「ボイコット」、料亭で「芋掘り」── 暴力の諸形態 繁栄と底辺 婦女暴行からボイコット 殉職パイロット慰霊の花火大会 爆音の町の風情 水兵をヤクザがしばいて第二回ボイコット事件 在郷軍人が調停した第三回ボイコット事件 航空隊による水害救援 モテる「海軍さん」 料亭で「芋掘り」 「戦争が近づくとますますひどくなって」 コラム➋ さらにいくつもの芋掘り 第3章 「空都」の膨張と破裂──占領期は「学園都市」へ 「空の港」から「空都」へ 郷土の誇りは敵国の悪夢 「時局下」でも仮装行列 町制施行は海軍記念日 農地を失い下宿・クラブへ 予科練に憧れたクラブの子 外出の楽しみ 空襲の偏った被害 「空都」から「学園都市」と開拓地へ 銭湯とマー君 御用商人と梅干 コラム❸ 掩体壕で暮らした引揚げ開拓者一家 第4章 自衛隊にみた「軍都」復興の夢──空洞への誘致と高度経済成長期の埋没 警察予備隊誘致 「予備隊景気」への期待 空洞を満たす夢 醒めた記憶 「阿見は植民地」 新町に出てくる隊員たち 間貸し下宿の復活 広がらない基地反対運動 開拓地接収への抵抗 工場や住宅に埋もれていく基地 もはや「第一の戦後」ではない コラム❹ 予科練跡地の少年自衛官 第5章 広報にみえる旧軍の面影──科学技術・祝祭・災害派遣 保安隊と軍艦マーチ アメリカ式装備のパレード 自衛隊も仮装行列 兵器は子どもたちに人気 水害と戦う 「昔予科練今武器学校 ともに栄えて阿見の町」 予科練が結ぶ自衛隊・地域婦人会・戦友会 一九六八年の二つの世界 コラム❺ 軍都が生んだ歴史家 終章 軍事化の共演 “共存共演” 軍事化の魅惑 賛否よりもなじみ深さ 平凡は神話よりも強し 希望と憧れ 饒舌の輪のなかへ エピローグ 記憶の器 注 略年表(一九一九ー一九六八) 図版出典一覧

本文紹介

航空隊や軍人、戦争や祝祭に揉まれ、戦後も自衛隊駐屯地を抱えた住民の生活体験を描き出す。写真豊富。

抜粋:物語は、日本で2番目に広い湖のほとりの村への海軍飛行場建設から始まる。地域の人々は、基地経済や外出してくる軍人と、日常的にどう関わっていたのか。戦後はなぜ自衛隊駐屯地を誘致したのか。戦争や開発、祝祭に揉まれて暮らしてきた地域住民の生活体験を、史料やインタビューから活き活きと描き出す。写真豊富。