書籍詳細

書籍のレビュー・概要

なぜ人類は、真に人間的な状態に踏み入っていく代わりに、一種の新しい野蛮状態へ落ち込んでいくのか――。難解なことで知られるホルクハイマーとアドルノの代表作『啓蒙の弁証法』。この書物で展開される複雑に入り組んだ「理性の自己批判」の理路を余すところなく読み解き、その前史、フランス現代思想、アメリカ批判理論との関係をも踏まえて全体像を解明する。

『啓蒙の弁証法』を読む

Takumi ブックス

『啓蒙の弁証法』を読む

著者・関係者
上野 成利 編・高幣 秀知 編・細見 和之 編
カテゴリ
人文・社会科学書
刊行日
2023/01/17
体裁
四六・並製 ・カバー ・314頁
ISBN
9784000615785
在庫状況
在庫あり

価格:2,750 円

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著者略歴

  • [執筆者] 細見和之(まえがき,第Ⅰ部Ⅰ,あとがき) 編者紹介参照. 麻生博之(あそうひろゆき・第Ⅰ部Ⅱ) 1965年生まれ.東京経済大学全学共通教育センター教授.哲学,倫理学.『悪と暴力の倫理学』(共編)ナカニシヤ出版,2006年ほか. 上野成利(まえがき,第Ⅰ部Ⅲ,あとがき) 編者紹介参照. 竹峰義和(たけみねよしかず・第Ⅰ部Ⅳ) 1974年生まれ.東京大学大学院総合文化研究科教授.ドイツ文学,映像文化論.『〈救済〉のメーディウム衽衲ベンヤミン,アドルノ,クルーゲ』東京大学出版会,2016年ほか. 藤野寛(ふじのひろし・第Ⅰ部Ⅴ) 1956年生まれ.國學院大學文学部教授.哲学.『キルケゴール衽衲美と倫理のはざまに立つ哲学』岩波書店,2014年ほか. 見附陽介(みつけようすけ・第Ⅰ部Ⅵ) 1979年生まれ.北海商科大学商学部准教授.社会思想史.『象徴機能と物象化衽衲人間と社会の時代診断に向けて』北海道大学出版会,2011年ほか. 古賀徹(こがとおる・第Ⅰ部Ⅵ) 1967年生まれ.九州大学芸術工学研究院教授.哲学,倫理学.『理性の暴力衽衲日本社会の病理学』青灯社,2014年ほか. 高幣秀知(まえがき,第Ⅱ部Ⅰ,あとがき) 編者紹介参照. 宮﨑裕助(みやざきゆうすけ・第Ⅱ部Ⅱ) 1974年生まれ.専修大学文学部教授.哲学,現代思想.『ジャック・デリダ衽衲死後の生を与える』岩波書店,2020年ほか. 日暮雅夫(ひぐらしまさお・第Ⅱ部Ⅲ) 1958年生まれ.立命館大学産業社会学部教授.批判的社会理論.『アメリカ批判理論衽衲新自由主義への応答』(共編)晃洋書房,2021年ほか. 徳永恂(とくながまこと・特別寄稿,訳者として今思うこと) 1929年生まれ.大阪大学名誉教授.ドイツ思想.ホルクハイマー,アドルノ『啓蒙の弁証法』(翻訳)岩波文庫,2007年ほか. [編集者] 上野成利 1963年生まれ.神戸大学大学院国際文化学研究科教授.政治思想,社会思想史.チャールズ・テイラー『近代想像された社会の系譜』(翻訳)岩波書店,2011年,『暴力』岩波書店,2006年ほか. 高幣秀知 1948 年生まれ.北海道大学名誉教授.社会思想史,哲学.「ルカーチvs. アドルノ問題再考」(前・後)『思想』2022 年4・6 月号,『ルカーチ弁証法の探究』未来社,1998年ほか. 細見和之 1962 年生まれ.京都大学大学院人間・環境学研究科教授.ドイツ思想.『「投壜通信」の詩人たち衽衲〈詩の危機〉からホロコーストへ』岩波書店,2018 年,『フランクフルト学派衽衲ホルクハイマー,アドルノから21世紀の「批判理論」へ』中公新書,2014年ほか.

目次

  1. まえがき 凡例 第Ⅰ部テクストを読む Ⅰ啓蒙の概念――理性の自己省察を求めて……細見和之 はじめに 1 「脱呪術化」の弁証法 2 言語・芸術・宗教の可能性 3 『オデュッセイア』のアレゴリー解釈 おわりに Ⅱオデュッセウス論――主体性の原史と神話……麻生博之 はじめに 1 叙事詩『オデュッセイア』と神話 2 犠牲と断念――自己保存の実質 3 オデュッセウスの旅程とその行方 おわりに Ⅲジュリエット論――自己保存原理と道徳……上野成利 はじめに 1 理性と情念との緊張関係 2 ラディカリズムの光と影 3 文明と自然との絡み合い おわりに Ⅳ文化産業――文化と産業との相克……竹峰義和 はじめに 1 退行への訓練 2 権威への同一化 3 文化産業とファシズム おわりに Ⅴ反ユダヤ主義の諸要素――同一化としての反ユダヤ主義,その原史……藤野寛 はじめに 1 前史――リベラリズムの正嫡子としてのファシズム 2 一九四四年(第一―六節)――ミメーシス的衝迫への憎悪、投影 3 一九四七年(第七節)――チケット思考(同一性思考)としての反ユダヤ主義 おわりに――啓蒙の「限界」をめぐって Ⅵ手記と草案――新たな弁証法的人間学へ……見附陽介/古賀徹 はじめに 1 自然史としての文明史 2 思考と支配との絡み合い 3 非同一性の思考に向けて 4 新たな人間学に向けて 第Ⅱ部コンテクストを読む Ⅰ『啓蒙の弁証法』の思想史的位置と意味――その前史から後史へ……高幣秀知 はじめに 1 『啓蒙の弁証法』への前史 2 アドルノの反体系的体系構成 3 この時代への架橋のために おわりに Ⅱ来たるべき啓蒙への問い――フランス現代思想と『啓蒙の弁証法』……宮﨑裕助 はじめに 1 クロソウスキーとサドの問い 2 フーコーと啓蒙/近代性の問い 3 デリダと来たるべき啓蒙への問い おわりに Ⅲ『啓蒙の弁証法』から新自由主義批判へ――アメリカ批判理論の展開……日暮雅夫 はじめに 1 アメリカにおける批判理論の受容 2 ハーバーマスの理論の応用と展開 3 『啓蒙の弁証法』から新自由主義批判へ おわりに 特別寄稿ヴェーバーからアドルノへ――アメリカ体験をめぐって……徳永恂 1 大きな物語り――二〇世紀初めの布置状況コンステラチオン 2 ヴェーバーのアメリカ旅行――移民問題をめぐって 3 アドルノのアメリカ体験――マルクスよりニーチェ 4 ヴェーバーからアドルノへ――偽の救済への拒否 訳者として今思うこと――アドルノの語り口のむずかしさと魅力をめぐって……徳永恂 あとがき

本文紹介

ホルクハイマーとアドルノの代表作『啓蒙の弁証法』を余すところなく読み解き、その全体像を解明。

抜粋:なぜ人類は、真に人間的な状態に踏み入っていく代わりに、一種の新しい野蛮状態へ落ち込んでいくのか――。難解なことで知られるホルクハイマーとアドルノの代表作『啓蒙の弁証法』。この書物で展開される複雑に入り組んだ「理性の自己批判」の理路を余すところなく読み解き、その前史、フランス現代思想、アメリカ批判理論との関係をも踏まえて全体像を解明する。