書籍詳細

書籍のレビュー・概要

友よ、懸命に生きればそれでいい──。 『週刊新潮』の人気連載が生まれ変り、全四巻の「完全版」として堂々書籍化。等身大の北方謙三が人生の歓びと切なさを語り尽くした、光溢れるエッセイ集。第Ⅱ巻には、「時には心に火をつけてみろ」「マリーがいた街の波止場の別れ」など九十七篇のエッセイに加え、第Ⅰ巻に続く連作小説第二弾「ラ・ボエーム」を単行本初収録。 >>『完全版 十字路が見える』特設サイトはこちら

西陽の温もり

Takumi ブックス

西陽の温もり

著者・関係者
北方 謙三 著
カテゴリ
人文・社会科学書
刊行日
2023/01/19
体裁
四六・上製 ・338頁
ISBN
9784000266581
在庫状況
在庫あり

価格:3,080 円

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著者略歴

  • 北方謙三(きたかた・けんぞう) 作家。1947年佐賀県唐津市生まれ。中央大学法学部卒業。81年『弔鐘はるかなり』でデビュー。83年『眠りなき夜』で第4回吉川英治文学新人賞、85年『渇きの街』で第38回日本推理作家協会賞長編部門、91年『破軍の星』で第4回柴田錬三郎賞を受賞。2004年『楊家将』で第38回吉川英治文学賞、05年『水滸伝』(全19巻)で第9回司馬遼太郎賞、07年『独り群せず』で第1回舟橋聖一文学賞、10年に第13回日本ミステリー文学大賞、11年『楊令伝』(全15巻)で第65回毎日出版文化賞特別賞を受賞。13年に紫綬褒章を受章。16年、第64回菊池寛賞を受賞。20年、旭日小綬賞を受賞。『三国志』(全13巻)、『史記 武帝紀』(全7巻)ほか、著書多数。

目次

  1. 第1部 荒野に立てば また君との散歩からはじめるか 冬の陽溜りはいいものだ 嗤いすぎて胃の上がよじれた 歩きながら考えた些細なこと いま天敵を吹き飛ばそうとしている まずは行ってみることだ 腐った蟹から眼をそらすなよ ふりむけばそこにあるもの ケンゾウのはずなんだけどな いつかここで泣くのだろう 躰が喜んでいるんだよ 鮫などいらない釣りの日 なんでも貫き通してみればいい 蹴飛ばすと眼を閉じるもののあわれ 時には鼠の食らい方を考えよう 山に籠ってなにができるのか 五十年前の口笛が聴えてきた 時には心に火をつけてみろ 言語が美しかったころに 強い酒で焼きを入れられた 左右どちらも駄目な人生かな 孤独と料理は両立するのか 絶対に食えないものがあるのだ なんでも受け入れようと思った 雲のように生きたいと思った いずれ明らかになる真実がある 真夏の夜の悪夢だった 鏡を見ていてもはじまらないのだ 手紙のむこうに自分が見える 匍匐前進なんかせずに歩こう 唄声は遠くて近くて美しい 英才教育をされた部分もある どこまでも続くのが旅というものだ いつまでも腐らないものはある 思いついたことは実行しよう およそ感性の及ぶかぎりは 空とビールが一緒に飲めるぞ いつか喚いている自分に気づく 祭りの時はどこにでもやってくる 霧の中でもはっきり見えるもの 時化の日に音が流れてきた 人間にとって厄介なものは 日々は過ぎて老いが残るのか 躰が無事ならそれでいい この血はどこからやってきたのか 尻の痛みで人生を感じてしまう あの島が心の中にまだあるのなら 自分を掘り下げてなにが見える あえて荒野などと言ってみた 第2部 生きるべき場所 原野に祈りを見つけて歓喜したのだ 歩き続ければなにかが見える 八点鐘が心に呼び覚すものは マギーが来たのでもう帰ろう 街を歩けば懐かしさが見えてくる 家族の光景が遠くなりつつある 横浜にあったものはどこに消えた 北へむかえばきっといいことがある ある日思い出した映画を観てみる やつが唄えばどんな風が吹くのかな これが自分だと言えるものがあるか 新しきを知ることになるのかな 流儀があるやつとは喧嘩しない 自分の存在が絶対だとは思うまい 行けなくなった土地を思い浮かべる 腹を鍛えれば単独でも行ける土地だ 映画館のある風景が懐かしいのだ いつか彼が光になる日に 心に張りついたセピア色が蘇る夜 街の底にこそ見えるものがある マリーがいた街の波止場の別れ 理想など刹那の幻影にすぎない 信じるのは自分だけで充分なのだ 音楽はまず音を楽しめばいいよ 言われなくてもわかっていることだ 講釈はやめて食うのを愉しもう 人生に急速はあるのだろうか 虫と闘っている間はまだましさ 行く価値のある場所はいまもある 暴力だと自覚しただけましなのか 望郷の唄が聴えてきた 台風熱だとやりすごしてしまった わが人生の故郷よ友よ 出合いがあればすべて食べた 忘れていたことを思い出す夜もある 頭頂は保護しなければならないのだ 恰好いい昭和の俳優とよく喋った 退屈な真実もあると教えられた 歳をとっていいことがあったりする 夜空を見て昔を思い出してしまった いま書きつつある物語のために 昔から早撃ちになりたかった 肉を食う前に命のことを考えるか 妖怪のような作家が何人もいたな 旅の音が聴えてくる時もあるのだ ある日うつむいている自分がいる 人は人生に監禁されているようなものだ 思い出すだけで懐かしい [特典小説]ラ・ボエーム

本文紹介

「友よ、懸命に生きればそれでいい」。我々を時に叱咤し、時に温かく包みこむ。魂のエッセイ、第Ⅱ巻。

抜粋:友よ、懸命に生きればそれでいい──。 『週刊新潮』の人気連載が生まれ変り、全四巻の「完全版」として堂々書籍化。等身大の北方謙三が人生の歓びと切なさを語り尽くした、光溢れるエッセイ集。第Ⅱ巻には、「時には心に火をつけてみろ」「マリーがいた街の波止場の別れ」など九十七篇のエッセイに加え、第Ⅰ巻に続く連作小説第二弾「ラ・ボエーム」を単行本初収録。 >>『完全版 十字路が見える』特設サイトはこちら