書籍詳細

書籍のレビュー・概要

文豪で軍医の、歴史上の天才? 「舞姫」って本当は何が書いてあったんだろう? 江戸時代の終わりに生まれ、明治の激動のさなかに勉強して留学し、自由恋愛を経験して、一人称小説を書くとはどういうことだったのか。その時代の感覚に立って、作品や資料を読み解けば、悩んで悩んで自分を探した、鴎外の横顔が見えてくる。

森鷗外、自分を探す

Takumi ブックス

森鷗外、自分を探す

著者・関係者
出口 智之 著
カテゴリ
ジュニア新書
刊行日
2022/12/20
体裁
新書・232頁
ISBN
9784005009619
在庫状況
在庫あり

価格:968 円

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著者略歴

  • 出口智之(デグチ トモユキ) 1981年,愛知県生まれ.2003年,東京大学文学部卒業.2008年,同大学院人文社会系研究科博士課程修了.博士(文学).日本学術振興会特別研究員DC2・PDを経て,2010年東海大学文学部講師,2014年同准教授,2018年より東京大学大学院総合文化研究科准教授.専門は明治文学と美術で,近年は文学と口絵・挿絵との関係を考察する「画文学」に取り組む. 著書に『幸田露伴と根岸党の文人たち』(教育評論社),『幸田露伴の文学空間』(青舎),『画文学への招待』(Humanities Center Booklet Vol. 12),『明治文学の彩り』(責任編集,春陽堂書店)ほか.

目次

  1. はじめに 第一章 鷗外少年の勉強──自分は何を学びたいのだろう? 勉強しなさい! ……でも何を? 鷗外少年の書いた漢字 鷗外という名前 鷗外の手習い 江戸が終わった! 森家の上京 勉強が役に立たない!? 十一歳で東大医学部合格……!? 医学生、鷗外 漢詩文への思い 陸軍入り 第二章 鷗外の恋と「舞姫」の事情──自分の思いは貫けるか?高校現代文の四天王 「舞姫」なんて最悪だ! 鷗外の恋人 「エリス」の実像 結婚をめぐって エリーゼとの別離、登志子との離婚 現実の体験から「舞姫」へ 自己を見つめる豊太郎 家族に読み聞かせられた「舞姫」 エリーゼへの思い コラム① 自分を書く小説──「文づかひ」から「舞姫」を考える 第三章 古文と現代文のあいだ──自分の言葉で書くのは難しい! 古文と現代文の接続点 言葉は変化する 江戸後期の文体のいろいろ 明治の言語改革 文語なんて必要か? 言文一致で小説は書けるか 書き言葉と描写の問題 話し言葉を話すのは誰? 言文一致小説の難しさ 「舞姫」の文体ふたたび 新しい文体を探して 一人称小説という新しさ 一人称は書きやすい 「舞姫」の奥ゆき コラム② 一人称小説の難しさ──夏目漱石「吾輩は猫である」と鷗外の「雁」 第四章 文学者にはなったけど──ジャンルとスタイルの自分探し 森鷗外は小説家か? 文学者鷗外の自己認識 多種多様だった「文学」 鷗外の立ち位置 翻訳家、鷗外 「ミニヨンの歌」 「オフエリヤの歌」 評論家、鷗外 「没理想論争」 西洋思潮の紹介者 匿名合評「三人冗語」 樋口一葉「たけくらべ」の絶讃 明治文学者としての自分探し 第五章 引き裂かれる鷗外──分裂してしまう自分 明治二十年代の森鷗外 鷗外や露伴たちの飲み会 小倉への「左遷」 あらためて勉強をはじめる 二度目の結婚 妻に厳しい遺言 母と妻との狭間で 家庭内の問題を描いた「半日」 陸軍での栄達と文壇への復帰 派閥を超越した存在として 二重の自分 引き裂かれる鷗外 大逆事件と「沈黙の塔」 暴行する日本兵と「鼠坂」 狭間に立つことの苦闘 第六章 自己更新を続ける文学者──自分探しのゆくえ 江戸と明治 明治天皇の崩御と乃木大将の殉死 「興津弥五右衛門の遺書」 鷗外の突きあたった問題 「歴史そのままと歴史離れ」 ふたたび文学的想像力の問題 「渋江抽斎」 自己更新を続ける文学者 軍医を辞して 最後の公務 家庭状況と「蛇」 しげの立場の難しさ 理想的な父を向こうに 鷗外の遺言 最後の自分探し おわりに 森鷗外年譜 主要参考文献

本文紹介

文豪で軍医の、歴史上の天才? 激動の時代に生まれた鴎外自身には、そんな自分の未来はわかっていなかった。

抜粋:文豪で軍医の、歴史上の天才? 「舞姫」って本当は何が書いてあったんだろう? 江戸時代の終わりに生まれ、明治の激動のさなかに勉強して留学し、自由恋愛を経験して、一人称小説を書くとはどういうことだったのか。その時代の感覚に立って、作品や資料を読み解けば、悩んで悩んで自分を探した、鴎外の横顔が見えてくる。