書籍詳細

書籍のレビュー・概要

なぜ西田幾多郎の哲学は、独創的な論理をもって生命の躍動を捉えた内的生命論と、帝国主義日本の戦争協力に結びついたとの批判がある歴史哲学、二つの顔を持つに至ったのか。二つは合致するのか、分裂しているのか。西田哲学における「転回」を分析して、その内在的な理解を試みた本書は、韓国の日本思想研究の記念碑的著作である。

西田哲学研究

Takumi ブックス

西田哲学研究

近代日本の二つの顔

著者・関係者
許 祐盛 著・小石 淑夫 訳
カテゴリ
人文・社会科学書
刊行日
2022/12/13
体裁
A5・上製 ・カバー ・424頁
ISBN
9784000615716
在庫状況
在庫あり

価格:14,300 円

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著者略歴

  • 許祐盛(Woo Sung HUH) 1953年生まれ.1975年ソウル大学哲学科卒業.81年ソウル大学大学院哲学科修士課程修了.88年ハワイ大学大学院哲学専攻博士学位取得. 88年以降,慶熙大学哲学科教授として在職.その間,ニューヨーク州立大学客員教授,カリフォルニア大学バークレー校客員教授,韓国日本思想史学会会長,国際日本文化研究センター海外研究員などを歴任. 現在,慶熙大学名誉教授,慶熙大学附設非暴力研究所所長. 著書・論文に, 「記憶間の戦争――ナショナリズムの衝突」『日本の発明と近代』(尹サンイン・朴ギュテ編,イサン,2006年) 『ガンジーの真理の実験の話』(プルビット,2007年) 「思惟と知覚――西田幾多郎と朴鍾鴻は身体を持った主体であるのか」『日本哲学の多様性――21 世紀の新たな対話をめざして』(野家啓一監修,林永強・張政遠編,世界思想社,2012年) ほか. 小石淑夫(コイシ トシオ) 1952年生まれ.東北大学文学部東洋史学科卒業.東北大学大学院文学研究科修士課程修了. 朝鮮史・朝鮮文化論専攻. 元大邱カトリック大学校外国語大学専任講師.

目次

  1. 日本人読者のための「はじめに」 原著「はじめに」 第Ⅰ部 生命と論理 第一章 二つの生命と一つの論理 一 生命と論理 二 なぜ論理なのか? 第Ⅱ部 内的生命の哲学 第二章 自覚主義と純粋経験 ― 本当の自己を求めて 一 自覚主義 二 純粋経験 第三章 芸術論と身体論 一 芸術論 二 身体論 三 美の世界を越えて道徳と宗教そして歴史の世界に 第四章 絶対無の自覚の哲学 ― 光中心の意識の多次元論 一 絶対無の神秘世界 二 自由意志 三 歴史的行為と歴史的自己 ― 第三位 四 叡智的直観の世界 ― 知情意の世界 五 情的叡智的直観 六 知的叡智的直観 ― 意識一般の段階 七 知覚的直観と意味了解 八 宗教的立場を越えて哲学的立場に 第Ⅲ部 歴史哲学とその批判 第五章 歴史哲学以前の「歴史」と転回 一 歴史哲学以前の「歴史」 二 移行期と転回、そして西田自身の態度 三 転回についての西田の態度 四 表現 ― 歴史哲学に移る媒介 第六章 歴史哲学 一 主体と環境の相互作用論 二 行為的直観 三 歴史的身体論 四 時代論とランケ 五 政治哲学 ― 国家・天皇・国体そして大東亜共栄圏 六 歴史哲学の芸術論 ― フィードラーからリーグルへ 第七章 歴史哲学批判 一 自己限定の暴力性 二 戸坂潤と丸山真男 三 明治維新不可避論 四 西田哲学が投げかけた問題 結論 二つの顔の西田、誰が彼に石を投げつけられようか 解説 ― 西田哲学と他者の目……………末木文美士

本文紹介

独創的な内的生命論から戦争協力に結びついたとの批判もある歴史哲学へ、西田哲学の「転回」を分析する。

抜粋:なぜ西田幾多郎の哲学は、独創的な論理をもって生命の躍動を捉えた内的生命論と、帝国主義日本の戦争協力に結びついたとの批判がある歴史哲学、二つの顔を持つに至ったのか。二つは合致するのか、分裂しているのか。西田哲学における「転回」を分析して、その内在的な理解を試みた本書は、韓国の日本思想研究の記念碑的著作である。