書籍のレビュー・概要
【特集1】カルト・宗教・政治 「気づかぬ間に、身近なところにこんな闇の世界が広がっていたとは――」安倍晋三元首相の銃撃事件の衝撃から4カ月。国会議員と旧統一教会とのつながりが次々と明らかになり、政界を揺るがしている。銃撃事件の容疑者の境遇が報じられる過程で、教団に関する被害が依然として深刻であることも浮かび上がってきた。宗教団体の活動は、「信教の自由」として憲法によって保障されているが、健全な宗教団体と「反社会的」とされるカルト団体とはどこが異なるのか。カルト団体に対する規制はどこまで許されるのか。またネット上には、似非科学やスピリチュアルに関する言説や陰謀論があふれている。占いやSFなどで親しまれている言説の中には、新興宗教の教義や悪徳商法の勧誘に利用されたり、カルト団体の活動を突き動かしているものもある。「宗教と政治」との関係が、これまでにないほどの社会的注目を集めている現在、これらの言説についてもあわせて考える。 【特集2】分断された国際秩序 ロシアのウクライナ侵攻は、現代が戦争の時代であることを世界に知らしめた。そして、終わることのない激しい戦禍は、“国際社会はリベラルで民主主義的なものへと徐々に移行しつつあるはず”という私たちの楽観を打ち砕いた。人権を抑圧する権威主義国家、終わらない地域紛争、侵食される民主主義、SNSが加速させる対立……複雑な現実を善悪の二元論で単純化する論理が跋扈し、いたるところに分断線が引かれ、それは世界中に固定化され、人びとの中にも内面化されようとしている。長い戦争が国際秩序の中心と周辺との溝をさらに深めようとしている今、私たちはどう向き合うべきなのか。世界の構造変化を見つめる。