書籍詳細

書籍のレビュー・概要

俳諧の本分は、たわむれ、滑稽にある。蕉風の確立のもとで、俳聖と称された芭蕉もまた、言葉の力によって、人びとに笑いをもたらすことに苦闘した俳諧師であった。青年期から晩年に至る様々な発句を読み解きながら、「しゃれ」「もじり」「なりきり」などの技法に込められた、芭蕉俳諧の〈あそび〉の精神とその魅力に迫る。

芭蕉のあそび

Takumi ブックス

芭蕉のあそび

著者・関係者
深沢 眞二 著
カテゴリ
文庫
刊行日
2022/11/18
体裁
新書・264頁
ISBN
9784004319498
在庫状況
在庫あり

価格:990 円

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著者略歴

  • 深沢眞二(フカサワ シンジ) 1960年山梨県生まれ.1988年京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学.文学博士(2005年,京都大学). 日本中世・近世文学,連歌俳諧研究専攻. 元和光大学教授.東洋文庫研究員. 著書に, 『風雅と笑い衽衲芭蕉叢考』(清文堂出版,2004年) 『おくのほそ道大全』(共編,笠間書院,2009年) 『「和漢」の世界衽衲和漢聯句の基礎的研究』(清文堂出版,2010年) 『連句の教室衽衲ことばを付けて遊ぶ』(平凡社新書,2013年) 『旅する俳諧師衽衲芭蕉叢考二』(清文堂出版,2015年) ほか.

目次

  1. 序章 いまこそ「芭蕉へ帰れ」――見失われた俳諧性 第一章 「しゃれ」――掛詞・付合語のあそび 1 掛詞から「しゃれ」へ 2 「水とりや氷の僧の沓の音」――二重の文脈 3 「しばの戸にちやをこの葉かくあらし哉」――たった一字の効果的掛詞 4 「若葉して御めの雫ぬぐはばや」――「抜け」の技法 第二章 パロディ――古典の世界にあそぶ 1 出版メディアと古典の大衆化 2 「ゆふがほに米搗休む哀哉」――『源氏物語』と『枕草子』 3 「たこつぼやはかなき夢を夏の月」――『源氏物語』と『平家物語』 4 「初雪に兎の皮の髭つくれ」――『徒然草』の注釈を通じて 第三章 「もじり」から「なりきり」へ――謡曲であそぶ 1 教養としての謡曲 2 「から崎の松は花より朧にて」――「鉢木」のもじり 3 「木のもとにしるも膾も桜かな」――「西行桜」のやつし 4 「おもしろうてやがて悲しき鵜舟哉」――「鵜飼」への没入 第四章 「なぞ」――頭をひねらせるあそび 1 〈なぞ〉の変遷と「聞句」 2 「元日やおもへばさびし秋の暮」――元日にどうして秋の暮? 3 「ほとゝぎす正月は梅の花咲り」――梅の花にホトトギス? 4 「誰やらが形に似たり今朝の春」――誰やら」って誰のことやら? 第五章 蛙はなぜ飛びこんだか――「古池」句のあそび 1 「山吹や蛙飛込む水の音」――〈なぞ〉の句にしてパロディ句 2 「古池や蛙とびこむ水の音」――芭蕉の「数奇の者」宣言 3 「草にあれたる中より蛙のはいる響」――語り直された「古池」句 4 「言外の風情。この筋にうかびて」――支考の描いた「古池」句誕生シーン 終章 「芭蕉」の未来 歌句一覧 関連論稿案内 図版出典一覧

本文紹介

「しゃれ」「もじり」「なりきり」などの技法に込められた、芭蕉俳諧の〈あそび〉の精神と魅力に迫る。

抜粋:俳諧の本分は、たわむれ、滑稽にある。蕉風の確立のもとで、俳聖と称された芭蕉もまた、言葉の力によって、人びとに笑いをもたらすことに苦闘した俳諧師であった。青年期から晩年に至る様々な発句を読み解きながら、「しゃれ」「もじり」「なりきり」などの技法に込められた、芭蕉俳諧の〈あそび〉の精神とその魅力に迫る。