書籍詳細

書籍のレビュー・概要

中世から近世への移行・転換をどのように描くか――本書は、この課題を政治史研究として引き受け、論じるものである。個別・多様な歴史事象の実証を通して、近年の趨勢である中世と近世の連続性を強調する議論に反証し、近世初期の特質や画期性を抽出する。近世史研究の第一人者の近年の成果を一冊にまとめる論文集。

近世初期政治史研究

Takumi ブックス

近世初期政治史研究

著者・関係者
藤井 讓治 著
カテゴリ
人文・社会科学書
刊行日
2022/11/17
体裁
A5・上製 ・函入 ・422頁
ISBN
9784000615686
在庫状況
在庫あり

価格:9,790 円

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著者略歴

  • 藤井讓治(フジイ ジョウジ) 1947年福井県生まれ.京都大学大学院文学研究科博士課程単位修得退学.博士(文学).京都大学文学部助手,神戸大学文学部助教授,京都大学人文科学研究所助教授,同大学文学部助教授,同教授,同大学院文学研究科教授を経て,現在京都大学名誉教授. 著書に『江戸幕府老中制形成過程の研究』(校倉書房),『江戸開幕』(集英社),『徳川家光(人物叢書)』(吉川弘文館),『江戸時代の官僚制』(青木書店),『幕藩領主の権力構造』(岩波書店),『徳川将軍家領知宛行制の研究』(思文閣出版),『天皇の歴史5 天皇と天下人』(講談社),『日本近世の歴史1 天下人の時代』(吉川弘文館),『近世史小論集古文書と共に』(思文閣出版),『シリーズ日本近世史1 戦国乱世から太平の世へ』(岩波新書),『徳川家康(人物叢書)』(吉川弘文館),『天下人秀吉の時代』(敬文舎),など,編著に『織豊期主要人物居所集成』(思文閣出版),『岩波講座日本歴史(全22 巻)』(岩波書店),など.

目次

  1. はじめに 第一部|織田政権期 第一章 信長の参内と政権構想 はじめに 一 天下人の参内 1 義昭の参内 2 秀吉・家康の参内 3 信長と参内 二 信長と天皇 おわりに 第二章 織田信長の撰銭令とその歴史的位置 はじめに 一 史料と研究史 1 「撰銭条々」「精選条々」「精撰追加条々」 2 研究史上の「撰銭条々」「精選条々」「精撰追加条々」 二 信長撰銭令の解釈 1「撰銭条々」と「精選条々」の解釈 2 「撰銭条々」への市場の対応 3 「精撰追加条々」の解釈 三 信長の撰銭令発令公布の背景 おわりに 第三章 織豊期の近衛家をめぐって──前久・信尹の武家的性格 はじめに 一 前久・信尹の略歴 二 前久の下国・在国 1 越後・関東への下国 2 永禄の出奔 3 薩摩下向 4 大坂下 5 嵯峨・浜松への出奔 6 奈良逼塞と越前・加賀行 三 信尹の在国 1 奈良への逼塞 2 二度の肥前名護屋下向 3 薩摩への配流 4 江戸行き等 おわりに 第二部|豊臣政権期 第四章 「惣無事」はあれど「惣無事令」はなし はじめに 一 藤木氏の「惣無事令」論の形成過程 二 藤木氏の「惣無事令」その後 三 一二月三日付秀吉直書の性格 四 「惣無事」の個別性・時事性 1 天正一一年の「惣無事」 2 伊達・芦名間の「無事」と佐竹義重の「馳走」 3 家康の上洛と「関東之儀」委任 4 伊達・最上等の「惣無事」と家康の「噯」 小括 五 藤木氏の「惣無事令」に跛行・逸脱する政策 1 天正一四年の真田処分 2 新発田問題 小括 おわりに 第五章 身分としての奉公人──その創出と消滅 はじめに 一 身分としての「奉公人」 二 秀吉文書にみえる奉公人 三 秀吉文書からみた各時期の「奉公人」 1 第一期、本能寺の変以前 2 第二期、本能寺の変から関白任官以前 3 第三期、秀吉関白期 4 第四期、秀次関白期 5 第五期、秀次事件後 四 豊臣期「奉公人」の歴史的位置 1 奉公人理解の混乱 2 奉公人と武士・兵 3 無断の主人替え禁止 4 奉公人の武器所持 5 奉公人の居住地(村と町)と家 6 奉公人需要と欠落 五 「奉公人」身分の消滅 第六章 秀次切腹をめぐって はじめに 一 秀次切腹の情報伝達をめぐって 1 『お湯殿の上の日記』文禄四年七月一六日条 2 秀次切腹の報 3 情報伝達の径路と所要時間 4 伝達スピード 二 秀次が元結を切り、高野山へ 1 八日の秀次伏見行きまで 2 八日の高野行き 三 政権の意思判断の確定過程 1 七月八日から一〇日まで 2 矢部氏のいう「秀次高野住山」令 3 使者福島らの派遣の日時とその役割 4 禁裏への秀次銀子の進上 5 「秀次切腹」後の上洛命令 おわりに 第七章 文禄四年の霊社上巻起請文をめぐって──秀吉死後の政権構想 はじめに 一 文禄四年の霊社上巻起請文 1 起請文の形式・用紙・作成過程 2 前書について 3 神文について 4 日付・署判者・宛名について 二 文禄四年八月六日宗義智等連署起請文 三 秀吉の煩い おわりに 第八章 文禄四年「御掟」「御掟追加」 はじめに 一 「御掟」「御掟追加」のテキスト・クリティク 1 三鬼氏の分類 2 丙型御掟 3 丙型御掟追加 4 乙型御掟 5 乙型御掟追加 6 甲型御掟 二 甲・乙・丙型「御掟」「御掟追加」の成立順 三 「十人」「十人衆」の比定 四 御掟・御掟追加の性格 おわりに 第三部|徳川政権初期 第九章 徳川家康の叙位任官 はじめに 一 家康の叙位任官文書 二 従五位下・三河守と左京大夫 三 中納言任官以前の官位 四 中納言任官 五 従二位大納言 六 左近衛大将・左馬寮御監 七 正二位内大臣と従一位 おわりに 第一〇章 慶長五年の「小山評定」をめぐって はじめに 一 本多隆成・白峰旬論争 二 七月二九日付大関資増宛浅野幸長書状の読み 三 第一・第二の決定の日時はいつか 四 第一・第二の決定はどこでなされたのか 1 白峰氏の家康宇都宮在陣説の検討 2 七月二一日から八月五日までの家康の居所 五 三成・大谷「楯鉾」、大坂三奉行「逆心」の報が届いた日時 六 七月二九日大関資増宛浅野幸長書状の解釈 七 浅野幸長書状の「各」は誰か おわりに 第一一章 前久が手にした関ケ原情報 はじめに 一 前久書状の読み 二 前久書状の内容と検討 三 「青野カ原ニテノ合戦」をめぐって おわりに 第一二章 近世貨幣論 はじめに 一 織田信長の撰銭令 二 ビタ銭の成立と金銀 三 関東銭通用圏の上方銭通用圏への統合 四 江戸幕府初期の撰銭令 五 寛永通宝の鋳造 六 江戸前期の金銀銭 七 元禄の金銀改鋳 おわりに──元禄改鋳後の金銀貨 あとがき 索引

本文紹介

歴史事象の実証を通して、中世と近世の連続性を強調する議論に反証し、近世初期の画期性を抽出する。

抜粋:中世から近世への移行・転換をどのように描くか――本書は、この課題を政治史研究として引き受け、論じるものである。個別・多様な歴史事象の実証を通して、近年の趨勢である中世と近世の連続性を強調する議論に反証し、近世初期の特質や画期性を抽出する。近世史研究の第一人者の近年の成果を一冊にまとめる論文集。