書籍詳細

書籍のレビュー・概要

ナヴィエ‐ストークス方程式を数学的に厳密に解くことを主眼とし、基礎から丁寧に解説する。上巻では、ストークス作用素の理論的扱い方までを、著者独自の方法を盛り込みつつ解説する。本書で用いる方法は、数理物理に現れる未解決な放物型方程式系、双曲型-放物型方程式系の初期値・境界値問題に応用できる。 著者からのメッセージ 本書の企画時から相当の時間が経過したが,この間に発展した最新の成果までを含めて書くことができた. 本書は,非圧縮性粘性流体の運動を記述する非線形偏微分方程式である,ナヴィエ‐ストークス方程式を理論的に扱うことを目的としている. その理論的な取り扱いは,1960年代にロシア学派によって創始された最大正則性原理を示すことが基盤となる.その現代理論として,Jan Pruessによる H ∞ -calculus理論と,筆者による R 有界性理論が発展した. ナヴィエ‐ストークス方程式と同様に,時間発展のある非線形偏微分方程式は,数理物理の様々な問題に現れる.例えば,磁気流体力学,多成分流体,液晶などの領域の問題を記述する方程式も,同種のものである.数理物理に現れる放物型・双曲型方程式系における初期値・境界値問題に,ぜひ本書の方法を応用してほしい

流体数学の基礎 (上)

Takumi ブックス

流体数学の基礎 (上)

著者・関係者
柴田 良弘 著
カテゴリ
自然科学書
刊行日
2022/11/11
体裁
A5・上製 ・カバー ・340頁
ISBN
9784000298582
在庫状況
在庫あり

価格:8,140 円

カートを見る

著者略歴

  • 柴田良弘(しばた よしひろ) 1952年生まれ. 1977年東京教育大学大学院理学研究科修士課程修了, 1978年筑波大学大学院数学研究科博士課程中退,1981年理学博士(筑波大学). 現在 早稲田大学理工学術院基幹理工学部教授. 専門 解析学.

目次

  1. まえがき 記号表 1 関数空間 1. 1 超関数の定義と基本性質 1. 2 Bochner積分 1. 3 Lebesgue空間 1. 4 Sobolev空間 2 Fourier変換 2. 1 空間S(R^N,X)とS(R^N,X)上のFourier変換 2. 2 緩増加超関数の定義と基本的な性質 2. 3 Fourier掛け算作用素 2. 4 Fourier変換像の微分による特徴付け 2. 5 Fourier逆変換の計算例 3 作用素値Fourier掛け算作用素の有界性 3. 1 R有界性 3. 2 R有界性に関する十分条件,X=Y=Lq(Ω)の場合 3. 3 パラメータ付きFourier掛け算作用素のR有界性 3. 4 半空間での積分作用素族のR有界性 3. 5 半空間問題のための準備 3. 6 第3章への補足 4 Besov 空間,Bessel Potential空間 4. 1 実補間 4. 2 Besov空間 4. 3 Bessel Potential空間 4. 4 実補間の応用例 5 R有界作用素と放物型発展方程式 5. 1 Hille Yosidaの定理 5. 2 解析半群の生成 5. 3 Cauchy問題について 5. 4 最大正則性原理 5. 5 第5章の補足 6 Stokes方程式に対するR有界解作用素 6. 1 Reduced Stokes方程式 6. 2 R^Nでのモデル問題 6. 3 半空間でのモデル問題 6. 4 湾曲半空間での考察 6. 5 定理6. 11の証明 6. 6 剰余項V^i(λ)(f,h,h₀)の表現 6. 7 一意性について 6. 8 半群の生成と最大正則性原理 6. 9 第6章の補足 付録A A. 1 関数解析からの準備 A. 2 Banach空間に値をとる関数の補足 A. 3 一様C^m級領域の補足 A. 4 C₀∞(R^N)がĤ¹q(R^N)で稠密であること 参考文献 索引

本文紹介

ナヴィエ‐ストークス方程式を数学的に厳密に解く。本書の方法は数理物理の未解決問題に応用できる。

抜粋:ナヴィエ‐ストークス方程式を数学的に厳密に解くことを主眼とし、基礎から丁寧に解説する。上巻では、ストークス作用素の理論的扱い方までを、著者独自の方法を盛り込みつつ解説する。本書で用いる方法は、数理物理に現れる未解決な放物型方程式系、双曲型-放物型方程式系の初期値・境界値問題に応用できる。 著者からのメッセージ 本書の企画時から相当の時間が経過したが,この間に発展した最新の成果までを含めて書くことができた. 本書は,非圧縮性粘性流体の運動…