書籍詳細

書籍のレビュー・概要

日本近代史・現代史の論文を書く、すべての初学者のために――。テーマの決めかた、史料について、調査の方法、目次のつくりかたなど歴史研究の基盤を、論文執筆の作業フローに即して基本から解説。第一線の研究者たちが提供する大きな見取り図が、研究史と向き合うあなたを助けてくれる。必要なことは、この一冊で分かる!

日本近・現代史研究入門

Takumi ブックス

日本近・現代史研究入門

著者・関係者
松沢 裕作 編・高嶋 修一 編
カテゴリ
人文・社会科学書
刊行日
2022/10/27
体裁
A5・並製 ・カバー ・366頁
ISBN
9784000615617
在庫状況
在庫あり

価格:3,960 円

カートを見る

著者略歴

  • ■編者 松沢裕作(まつざわ ゆうさく) 1976年生まれ。慶應義塾大学経済学部教授。 『明治地方自治体制の起源──近世社会の危機と制度変容』(東京大学出版会、2009年)、『日本近代村落の起源』(岩波書店、2022年)、『近代日本のヒストリオグラフィー』(編著、山川出版社、2015年)。 高嶋修一(たかしま しゅういち) 1975年生まれ。青山学院大学経済学部教授。 『都市近郊の耕地整理と地域社会──東京・世田谷の郊外開発』(日本経済評論社、2013年)、『都市鉄道の技術社会史』(山川出版社、2019年)、『20 世紀の都市ガバナンス──イギリス・ドイツ・日本』(共編著、晃洋書房、2019年)。 ■執筆者 米山忠寛(よねやま ただひろ) 1979年生まれ。東京大学先端科学技術研究センター協力研究員、慶應義塾大学訪問研究員、法政大学大原社会問題研究所客員研究員。 『昭和立憲制の再建1932~1945年』(千倉書房、2015年)、「戦時体制再考──戦後システムの前史として」(『年報・日本現代史20』2015年)、岸信介次官更迭事件──「政党政治以後」の政治経済構造と商工省」(『年報政治学』2018年I 号)。 若月剛史(わかつき つよし) 1977年生まれ。関西大学法学部准教授。 『戦前日本の政党内閣と官僚制』(東京大学出版会、2014年)、「政党政治と専門官僚」(『歴史評論』817号、2018年)、『公正から問う近代日本史』(共著、吉田書店、2019年)。 日向祥子(ひゅうが しょうこ) 1977年生まれ。明治大学政治経済学部准教授。 「コンツェルン内の利害調整にみる行動規範──1920年代古河コンツェルンの事例」(『社会経済史学』71巻5 号、2006年)、「「事業部制」導入前の三菱合資会社における資金管理」(『三菱史料館論集』8号、2007年)、「日本経済史研究における「企業と市場」」(武田晴人・石井晋・池元有一編『日本経済の構造と変遷』日本経済評論社、2018年)。 小島庸平(こじま ようへい) 1982年生まれ。東京大学大学院経済学研究科准教授。 『大恐慌期における日本農村社会の再編成──労働・金融・土地とセイフティネット』(ナカニシヤ出版、2020年)、『サラ金の歴史──消費者金融と日本社会』(中公新書、2021年)、「近代の農村」(岩城卓二ほか編『論点・日本史学』ミネルヴァ書房、2022年)。 藤野裕子(ふじの ゆうこ) 1976年生まれ。早稲田大学文学学術院教授。 『都市と暴動の民衆史──東京・1905─1923年』(有志舎、2015年)、『民衆暴力──一揆・暴動・虐殺の日本近代』(中公新書、2020年)、「男性史とクィア史」(歴史学研究会編『第4次現代歴史学の成果と課題1』績文堂出版、2017年)。 原山浩介(はらやま こうすけ) 1972年生まれ。日本大学法学部教授。 『消費者の戦後史──闇市から主婦の時代へ』(日本経済評論社、2011年)、『シリーズ戦後日本社会の歴史2 社会を消費する人びと──大衆消費社会の編成と変容』(編集協力、岩波書店、2013年)、『アメリカ・ハワイ日系社会の歴史と言語文化』(共編著、東京堂出版、2015年)。 坂井博美(さかい ひろみ) 1975年生まれ。南山大学人文学部准教授。 『「愛の争闘」のジェンダー力学──岩野清と泡鳴の同棲・訴訟・思想』(ぺりかん社、2012年)、「女中雇用と近代家族・女性運動──1930年代日本を対象として」(『歴史評論』722号、2010年)、「労働基準法制定過程にみる戦後初期の「家事使用人」観──労働・家庭・ジェンダー」(『ジェンダー研究』16号、2014年)。 松山 恵(まつやま めぐみ) 1975年生まれ。明治大学文学部准教授。 『江戸・東京の都市史──近代移行期の都市・建築・社会』(東京大学出版会、2014年)、『都市空間の明治維新──江戸から東京への大転換』(筑摩書房、2019年)、“Edo-Tokyo and the Meiji Revolution.” Journal of Urban History 48, no. 5(September 2022): 966─87. 中村 元(なかむら もと) 1977年生まれ。新潟大学人文学部准教授。 『近現代日本の都市形成と「デモクラシー」──20 世紀前期/八王子市から考える』(吉田書店、2018年)、「戦時戦後日本社会と露店商集団」(笹川裕史編『現地資料が語る基層社会像──20世紀中葉東アジアの戦争と戦後』汲古書院、2020年)、「都市政治史の新展開」(『歴史評論』851号、2021年)。 竹内祐介(たけうち ゆうすけ) 1980年生まれ。東京都立大学経済経営学部准教授。 『帝国日本と鉄道輸送──変容する帝国内分業と朝鮮経済』(吉川弘文館、2020年)、「日本帝国下の満洲─朝鮮間鉄道貨物輸送──安東・新義州ルートの場合」(『経済論叢』191巻1号、2017年)、「満鉄社線の連絡輸送と「満洲国」市場」(『社会経済史学』83巻1号、2017年)。 河野有理(こうの ゆうり) 1979年生まれ。法政大学法学部教授。 『明六雑誌の政治思想──阪谷素と「道理」の挑戦』(東京大学出版会、2011年)、『田口卯吉の夢』(慶應義塾大学出版会、2013年)、『偽史の政治学──新日本政治思想史』(白水社、2017年)。 野上 元(のがみ げん) 1971年生まれ。早稲田大学教育・総合科学学術院教授。 『戦争体験の社会学──「兵士」という文体』(弘文堂、2006年)、『歴史と向きあう社会学──資料・表象・経験』(共編、ミネルヴァ書房、2015年)、『シリーズ戦争と社会(全5巻)』(共編、岩波書店、2021─22年)。

目次

  1. はじめに 何が悲しくて研究するのか? この本は何のために書かれているのか なぜこんな本が必要なのか それでも研究するのか? 第Ⅰ部 研究を始めよう 論文を書き終えるまで……松沢裕作・高嶋修一 1 とりあえずテーマを決める テーマとは何か 最初は思いつきでもよい 史料の有無 たいていのことは誰かが研究している ──先行研究の有無 なぜその研究対象・研究テーマを思いついたのか 何も思いつかない場合 テーマの見直し 2 先行研究をつくる 何がどう「先行」するというのか とりあえず検索してみよう 入門書から読んでみよう 専門的な文献を読む もっと探す 先行研究整理を書く 3 史料とは何か 同時代人に原則として開かれていた史料 同時代人の一部が目にすることができた史料 史料集 史料の種類と所蔵機関・閲覧方法 新聞 雑誌 法令 統計 企業史料 書籍 公文書 政治家・官僚・軍人の個人文書・日記 「家」の史料 帝国議会議事速記録・国会会議録 国外所在史料 辞書・事典・年表 4 データベースを使う データベースにはどのような情報が入っているのか すでに知っている文献を探す場合と未知の文献を探す場合 どのようなデータベースがあるか 5 所蔵機関を探して訪ねる 史料調査に行こう 公的な所蔵機関を訪ねる 史料を閲覧する 史料を撮影する 行政文書の情報公開 史料を「見せていただく」場合 記録と整理 そのほか注意しておくとよいこと 6 史料を読む 作業としての「史料を読む」 文字史料の場合 数字の場合 史料の内容を疑ってみることが必要な場合 7 目次構成を考える 目次は論文の見取り図 「論」と「文」 とりあえず「文」を目指す 「論」を立てる① ──事柄同士の関係 「論」を立てる② ──先行研究との関係 人に説明する 8 書 く あとは書くだけ 図表をそろえる 材料を配置してつなげる 注を付ける 「はじめに」と「おわりに」 仕上げて提出する 第Ⅱ部 先行研究の見方 あなたはどこにいるのか 総論 研究者たちは何に関心を持ってきたのか……松沢裕作 (1)何かきっかけがある──研究の潮流を眺めよ (2)明治時代を歴史にする──吉野作造と明治文化研究会 (3)明治時代に起源を探る──日本資本主義論争 (4)その後の明治維新論 (5)ふたたび、「何が悲しくて(嬉しくて)研究するのか?」 近代と現代 いまひとたびの時代区分論……高嶋修一 (1)昔と違う「いま」 (2)帝国主義と現代化 (3)戦後社会と現代化論 (4)「いつだったか」から「どうであったか」へ (5)時代区分は時代遅れか──まとめにかえて 政治史1 政党政治研究の意義と昭和史研究への課題……米山忠寛 (1)日本政治史研究の評価軸──敗戦による「失敗した近代」評価と現実とのギャップ (2)「政党政治」研究の意義と古典的研究との摩擦の回避 (3)「政党政治」研究の限界①──成果の普及と意義の喪失 (4)「政党政治」研究の限界②──「崩壊論」の破綻と残された課題 (5)現在の研究──「崩壊論」の克服と昭和立憲制 (6)今後へのポイント 政治史2 政治史研究の射程の広がり……若月剛史 (1)政治過程論的な政治史研究への批判 (2)組織への着目 (3)国家と社会との関係の再検討 (4)象徴天皇制への関心の高まり 経済史 経済活動のありようを通して社会の変容を捉える……日向祥子 (1)経済史学の基本的な問い (2)源流かつ深層「潮流」としての唯物史観 (3)明治維新期研究 (4)産業革命期研究 (5)帝国主義史研究 (6)「経済史」研究の射程 農業史 なぜ地主制が重要だったのか……小島庸平 (1)農業史と地主制 (2)日本資本主義論争と地主制 (3)寄生地主制論争と世界史的法則 (4)地主制確立論争──異質なウクラードを結びつける (5)後退期地主制史研究と農民層分解 (6)地主制と経済発展──まとめにかえて 民衆史・社会史1 「民衆」の歴史叙述──明治期の民衆運動を描く……藤野裕子 (1)戦後歴史学と「民衆」 (2)民衆思想史の出発 (3)社会史との接点 (4)国民国家論との接点 民衆史・社会史2 「いま」を知るための現代史……原山浩介 (1)現代史研究の展開 (2)社会史研究の難しさと醍醐味──用語・概念の問題 (3)消費者=女性という認識 (4)消費者運動/消費社会の変容 (5)消費者問題の混沌 (6)「いま」に立ち戻る 女性史・ジェンダー史 家族・女性運動・性売買を軸として……坂井博美 (1)女性史・ジェンダー史の変転 (2)女性史論争と女性史研究の確立 (3)ジェンダー概念と近代家族論の登場 (4)家族・女性運動・性売買研究の現在 (5)ジェンダー構造の立体的把握へ 都市史1 複数の波が生んだ大きな潮流……松山 恵 (1)研究潮流としての日本近現代都市史 (2)国家主導の近代化(西欧化・工業化)政策に関する研究──第一の波 (3)人びとの生活世界へ──第二の波 (4)前提の変化とあらたなアプローチの模索──1990 年代以降の展開 (5)近年の注目すべき動向──「都市」の拡張、研究体制などについて 都市史2 「都市史の自立」とその展開……中村 元 (1)「都市史の自立」のうねり──1970 年代末から80 年代/第一の波 (2)「都市史の自立」の到達と分岐──1990 年代から2000 年代/第二の波 (3)寄せ返す「都市史の自立」──2010 年代~/第三の波 植民地研究 「植民地性」を探究する学問……竹内祐介 (1)植民地研究という研究潮流はない? (2)支配に対する反省と植民地研究の再開 (3)地域の通史を描く──植民地近代化論の登場 (4)近代化論批判からの二つの転回──植民地近代論と帝国史研究 (5)植民地性とはなにか──経済史研究からみた植民地研究 日本政治思想史 用法用量を守って正しくお使いください……河野有理 (1)「日本政治思想史」の卒論は書けない? (2)日本政治思想史は「実証」的ではないか? (3)日本政治思想史は「理論」的なのか? (4)丸山眞男を先行研究にするということ 歴史社会学 歴史学から近くて遠い社会科学……野上 元 (1)社会史と歴史社会学、「社会」とは何か? (2)歴史社会学の歴史 (3)日本の歴史社会学 むすびに 卒論のその先へ あとがき 執筆者紹介 索引

本文紹介

心配無用。論文は必ず書ける。近現代史研究の基本を詳細に解説、すべての初学者に贈る入門書の決定版。

抜粋:日本近代史・現代史の論文を書く、すべての初学者のために――。テーマの決めかた、史料について、調査の方法、目次のつくりかたなど歴史研究の基盤を、論文執筆の作業フローに即して基本から解説。第一線の研究者たちが提供する大きな見取り図が、研究史と向き合うあなたを助けてくれる。必要なことは、この一冊で分かる!