書籍のレビュー・概要
特集1:歴史否定論 克服は可能か? 「歴史」は、つねに検証にさらされ、書き換えられていく。それは、史実を明らかにしようとする営為の積み重ねがあってこそ、可能になるものだ。にもかかわらず、「歴史」をめぐる言論空間では、捏造や陰謀、ヘイトと虚栄にまみれた歴史否定論が跋扈し続けてはいないだろうか。それらは「歴史」に値するものなのだろうか。インターネット上で生産される膨大なフェイクニュースやプロパガンダは、事態に拍車をかけてきた。そしていまや歴史否定論は、「歴史戦」という名のもとに政治や外交の場に堂々と登場するようにもなり、私たちの日常で、あるいは隣国との間で、さまざまな軋轢を生み出している。歴史否定論の特徴とは何なのか。私たちは「歴史」とどのように向き合うべきなのか。いま求められる歴史実践とは何なのか。これは日本のみならず現代世界が直面する大きな課題である。