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書籍詳細

書籍のレビュー・概要

市民革命期(一八─一九世紀)に欧米諸国で議論された「共和政」は、世界各地へ広がりながら、いつ、どのように「王のいない」ものになったのか。「革命」や「自由」とともに、この原理が持っていた本来の意味に光を当て、「近代」を根底から問い直す。刷新を続けるヨーロッパ近世史の成果にもとづく、総決算的論集。

王のいる共和政 ジャコバン再考

Takumi ブックス

王のいる共和政 ジャコバン再考

著者・関係者
中澤 達哉 編
カテゴリ
人文・社会科学書
刊行日
2022/06/28
体裁
A5・上製 ・222頁
ISBN
9784000615440
在庫状況
在庫あり

価格:3,520 円

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著者略歴

  • [執筆者紹介(執筆順)] 近藤和彦(こんどう・かずひこ) 東京大学名誉教授/イギリス近世・近代史 森原 隆(もりはら・たかし) 早稲田大学文学学術院教授/フランス近世・近代史 阿南 大(あなみ・だい) 日本女子体育大学体育学部講師/ハプスブルク地域史 小山 哲(こやま・さとし) 京都大学大学院文学研究科教授/ポーランド近世史 正木慶介(まさき・けいすけ) 神奈川大学外国語学部准教授/イギリス近代史 古谷大輔(ふるや・だいすけ) 大阪大学大学院人文学研究科教授/北欧史 小原 淳(おばら・じゅん) 早稲田大学文学学術院教授/ドイツ近現代史 小森宏美(こもり・ひろみ) 早稲田大学教育・総合科学学術院教授/エストニア近現代史 池田嘉郎(いけだ・よしろう) 東京大学大学院人文社会系研究科准教授/ロシア近現代史 高澤紀恵(たかざわ・のりえ) 法政大学文学部教授/フランス近世史 [編者] 中澤達哉(なかざわ・たつや) 早稲田大学文学学術院教授。中・東欧史。著書に『近代スロヴァキア国民形成思想史研究―「歴史なき民」の近代国民法人説』(刀水書房,2009),『ハプスブルク帝国政治文化史―継承される正統性』(共編著,昭和堂,2012)などがある。

目次

  1. はじめに――ジャコバンから革命・自由・共和政を読み替える……中澤達哉 地図 フランス共和政宣言時のヨーロッパ 序章 研究史から見えてくるもの……近藤和彦 1.はじめに――3つのキーワード 2.ロベスピエールの演説 3.ジャコバンと共和政治の研究史 4.広義のジャコバン研究史から 5.課題と展望 ■第Ⅰ部 ジャコバンの諸相――「王のいる共和政」と「王のいない共和政」 第1章 旅する「共和政」とパトリオット・ジャコバン――フランスとオランダのジャーナリズムを中心に……森原 隆 フランスとオランダとの関係から見えること/18世紀ヨーロッパ政治・革命思想におけるオランダ/オランダの「パトリオット革命」と『ライデン・ガゼット』(Gazette de Leyde)/18世紀フランスとオランダのジャーナリズム/「革命のジャーナリズム」とジャコバンへ/おわりに 第2章 向う岸のジャコバンと「王のいる共和政」――「中・東欧圏」という共和主義のもうひとつの水脈……中澤達哉 はじめに/ハンガリー・ジャコバンとは?/「王のいる共和政」――選挙王政の共和国/「王のいる共和政」――世襲王政の共和国/「王のいる共和政」の組成/おわりに――近代共和主義のもうひとつの水脈 第3章 オーストリア・ジャコバンと二つの啓蒙改革――A. リーデルを焦点に……阿南 大 はじめに/二人の啓蒙改革君主と「ジャコバン」の胚胎/『ハプスブルク君主政のための憲法草案』(1791)/『反貴族政的平等連盟に向けての全ドイツ人への布告』(1792)/おわりに 第4章 ポーランドでひとはどのようにしてジャコバンになるのか――ユゼフ・パヴリコフスキの軌跡……小山 哲 「熱烈なジャコバン」の最期/思想家パヴリコフスキの「発見」/初期の論考にみられる改革論/ジャコバンへの道/おわりに――2つのポーランド革命 第5章 イングランド・ジャコバンと「王のいる共和政」……正木慶介 イングランド・ジャコバンという視角/ブリテン国民代表大会――英・蘇・愛のジャコバンの共同/大衆集会の開催――「 王のいる共和政」論の展開/セルウォールの「王のいる共和政(民主政)」論/イングランド・ジャコバン思想の周縁部/結びに代えて――イングランド・ジャコバン思想の射程 ■第Ⅱ部 19/20世紀の転回 第6章 混合政体の更新と「ジャコバン」の王国――スウェーデンにおける「革命」の経験……古谷大輔 はじめに――スウェーデンから見る「革命」の再考/混合政体をめぐる議論の系譜/フランス革命とスウェーデンの距離感/「ジャコバン」と批判され「1809年の男たち」と称揚された者たち/おわりに―混合政体の更新と「ジャコバン」の王国 第7章 ジャコバンとボリシェヴィキのはざまの君主政――19世紀ドイツの「王のいる共和政」論……小原 淳 はじめに――ジャコバンとボリシェヴィキのはざまのドイツ/カントの共和政論/プロイセン改革の時代/三月前期の諸潮流/ルーゲの「共和政的君主政」論/「王のいる共和政」の消滅?/おわりに――その後の共和政論 第8章 自由、共和国、革命――ロシア帝国バルト諸県の1905年……小森宏美 はじめに/「1905年」の伏流と複数の語り/エストニアの文脈における「共和国」/ある地方の「1905年」/「自由」 第9章 ロシア革命における国制の選択――立憲君主政、共和政、ジャコバン独裁……池田嘉郎 はじめに/ヨーロッパにおける国制の展開とロシア/二月革命と事実上の共和政の出現/第三共和政とジャコバン独裁/臨時政府の全権と革命議会/むすび 終章 「名乗ること」と「名指すこと」――フランス近世史から……高澤紀恵 観察尺度をめぐって――ヨーロッパの広がり/方法をめぐって――実践と言説、運動と思想/歴史意識をめぐって――21世紀の世界のなかで 関連年表 あとがき――レスプブリカのアクチュアリティ

本文紹介

市民革命期に議論された諸原理がもつ本来の意味に光をあて、「近代」を根底から問い直す、画期的論集。

抜粋:市民革命期(一八─一九世紀)に欧米諸国で議論された「共和政」は、世界各地へ広がりながら、いつ、どのように「王のいない」ものになったのか。「革命」や「自由」とともに、この原理が持っていた本来の意味に光を当て、「近代」を根底から問い直す。刷新を続けるヨーロッパ近世史の成果にもとづく、総決算的論集。