書籍のレビュー・概要
【特集1】核軍縮というリアリティ 核戦争という悪夢は過去のものになった――私たちはそう考えていなかったか。ロシアによるウクライナ侵攻は、21世紀にむき出しの侵略などという暴挙は起きないという楽観的な思い込みを、いともたやすく裏切った。この次に発生する見込み違いは、人類を破滅の淵に追いやりかねない。核大国が核の威迫をもって侵略を進める現在の事態に、戦争被爆国の元首相が「核共有」に言及し、コメンテーターが「タブーなき議論」を呼びかけるなど、核軍拡につながるような反射的言説も少なくない。一方、この流れを反転させるための努力も続く。核兵器禁止条約の第1回締約国会議が6月に、つづいて核兵器不拡散条約の運用検討会議が8月に、それぞれ開催される。現在の危機を乗り越え、核軍縮/核廃絶への歩みを再起動させるために、私たちにできることは何か。特集する。 【特集2】批判的野党がなぜ必要か 権力はしばしば腐敗し、濫用される。誤りも犯す。しかし、専制国家とは異なり、民主主義の国においては、選挙を通じて市民が為政者を交代させることができる。この民主主義のシステムは、政府与党の問題点を明るみに出して批判し、政権交代を担える野党の存在なくして、機能しない。先の衆議院選挙で野党第一党の立憲民主党が予想外の敗北を喫して以来、野党がふらついている。新たな立憲民主党の代表は「提案型野党」を標榜し、国民民主党は政権の提出した当初予算に賛成、日本維新の会はしばしば与党と共同歩調をとる。このままでは、政権に脅威を与え、政治に緊張感をもたらす野党の存在が消えてしまいかねない。その先にどのような政治的光景が広がるのか。「野党」の存在理由とは何か。「批判ばかり」の野党の何がいけないのか。いま野党は何をすべきなのか。参議院選挙を前に、掘り下げる。