カテゴリー

書籍詳細

書籍のレビュー・概要

核超大国による隣国への全面的侵略という悪夢が現実となってしまった。戦争の惨禍が積み重なる現状に対し、私たちは何をすべきなのか。この事態をどう理解し、どう声をあげるのか。問題の歴史的文脈をさぐり、この戦争がもたらすであろうグローバルな影響を多角的に掘り下げつつ、抵抗の国際的連帯の可能性を追求する。 ■刊行にあたって 「なぜ」。 2022年2月24日、衝撃とともに、世界はこの疑問詞で埋め尽くされた。なぜ、ロシア軍はウクライナ領に無軌道な攻撃を開始したのか。なぜ、極端な言説が暴力を正当化する光景が繰り返されるのか。なぜ、市民が住処を、生活を、家族や知人との繋がりを、壊されなければならないのか。そして、なぜ、またしても人が人を殺し、殺されねばならないのか。 しかし、開戦から約50日。日々、塗り絵のようにウクライナの戦局を示す地図を見、ロシアの苦戦とウクライナの「健闘」を聞きながら、いつのまにか、わたしたちの心から「なぜ」が消えそうになっていないだろうか。 いまこの本を手に取っているあなたやわたしのもとには、ミサイルの閃光も、戦車の轟音も、壊れた建物も転がる死体もおそらくは、ない。だからこそ、単純な善悪の対立軸の奥底にある構造と正対し、これまでの人類の思索の蓄積と照らし合わせ、この戦争の来し方と行く末を考えたい。「なぜ」という問いを突き詰めることで、人を簡単に死に追いやる権力の源泉に迫り、それに抗する道筋を探りたい。 情報の洪水のなかで、本書があらゆる戦争に反対するための思考の足場になることを願う。 2022年4月 『世界』編集部

『世界』臨時増刊 ウクライナ侵略戦争

Takumi ブックス

『世界』臨時増刊 ウクライナ侵略戦争

世界秩序の危機

著者・関係者
『世界』編集部 編
カテゴリ
人文・社会科学書
刊行日
2022/04/14
体裁
A5・208頁
ISBN
9784000222426
在庫状況
品切れ

価格:

カートを見る

著者略歴

  • 著者略歴は現在準備中です。

目次

  1. それでも向き合うために――単純化を避けながら……師岡カリーマ・エルサムニー(文筆家) 小柄なサイコパス男の大きな影……島田雅彦(小説家) 私の人生に戦争があるとは――キエフのある一家のいま……吉田由布子(市民運動家) Ⅰ 今、何が起こっているのか 〈ルポ〉空爆下キエフの10日間……尾崎孝史(写真家) 〈緊急座談会〉この戦争はどこから来て、どこへ行くのか――秩序の構造と変容 宇山智彦(北海道大学)、大串 敦(慶應義塾大学)、加藤美保子(広島市立大学)、服部倫卓(NIS経済研究所)、前田弘毅(東京都立大学) 〈事態の全貌〉未完の国民、コンテスタブルな国家――ロシア・ウクライナ戦争の背景……松里公孝(東京大学) 〈プーチンの誤算〉軍事的合理性と政治的超越――戦史と用兵思想から考える……大木 毅(軍事史家) Ⅱ グローバルな危機の実相 〈マイダン革命という転機〉続…誰にウクライナが救えるか――最悪の戦争の暁に……西谷公明(エコノミスト) 〈国際法の視点〉ウクライナ戦争における武力行使の規制と国際法の役割……酒井啓亘(京都大学) 〈経済制裁は効くか〉強力対ロ制裁で世界経済はどうなるか……小田健(ジャーナリスト) 〈歴史をめぐる闘争〉「紛争化させられる過去」再論――記憶の戦争から軍事侵攻への飛躍について……橋本伸也(関西学院大学) 〈EUの変容〉NATOの変貌とエスカレーション・リスク……広瀬佳一(防衛大学校) 〈ロシア人はどう見ているか〉世論調査からみるロシア国民の意識――社会人口学の視点から……皆川友香(上智大学) 〈脱炭素という課題〉ウクライナ侵攻から考えるエネルギー安全保障……高橋 洋(都留文科大学) 〈原発というリスク〉ピース・フォー・アトムズ……佐藤 暁(原子力情報コンサルタント) 〈問題提起〉戦争を終わらせるために――人道上の危機と国際関係の危機……平和構想研究会 Ⅲ ヒューマニズムという原点へ 〈戦下に届ける学知と言葉〉戦禍に社会科学はなにができるか――エカテリーナ・シュリマン講演集……エカテリーナ・シュリマン(政治学者)、訳・解説=奈倉有里 〈弾圧の実相〉ロシア芸術における抑圧と分断――演劇界を中心に……伊藤 愉(明治大学) 〈芸術家の言葉 作品と表現〉戦争と美術――ウクライナとロシアのアーティストの状況……鴻野わか菜(早稲田大学) 〈何と連帯するのか〉ウクライナと第三次世界大戦……スラヴォイ・ジジェク(哲学者)、訳・解説=片岡大右 〈資料と解説〉異なる視点――第三世界とウクライナ危機……栗田禎子(千葉大学) 関連年表

本文紹介

国際社会は冷戦終結以降、最大の危機を迎えた。核大国による侵略という事態をどう理解し、どう対峙するのか。多角的に検証する。

抜粋:核超大国による隣国への全面的侵略という悪夢が現実となってしまった。戦争の惨禍が積み重なる現状に対し、私たちは何をすべきなのか。この事態をどう理解し、どう声をあげるのか。問題の歴史的文脈をさぐり、この戦争がもたらすであろうグローバルな影響を多角的に掘り下げつつ、抵抗の国際的連帯の可能性を追求する。 ■刊行にあたって 「なぜ」。 2022年2月24日、衝撃とともに、世界はこの疑問詞で埋め尽くされた。なぜ、ロシア軍はウクライナ領に無軌道な攻撃…