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書籍詳細

書籍のレビュー・概要

敗北に終わった戦争を記憶・記念し、無残な死を遂げた者を追悼する営みは、時の流れにともない困難さを増し、変質を余儀なくされてきた。戦後日本社会の歴史の中で記憶と追悼が変容してゆく過程をたどるとともに、過去の出来事を眼差すそれらの営みが、未来を開く可能性を秘めていることを明らかにする。

変容する記憶と追悼

Takumi ブックス

変容する記憶と追悼

著者・関係者
蘭 信三 編・石原 俊 編・一ノ瀬 俊也 編・佐藤 文香 編・西村 明 編・野上 元 編・福間 良明 編
カテゴリ
人文・社会科学書
刊行日
2022/04/22
体裁
A5・上製 ・258頁
ISBN
9784000271745
在庫状況
在庫あり

価格:3,740 円

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著者略歴

  • 〈執筆者〉 田村恵子(たむら けいこ) 1955年生.オーストラリア国立大学アジア太平洋学部名誉上級講師.文化人類学.『戦争花嫁ミチ――国境を越えた女の物語り』梨の木舎,2022年など. 岡田泰平(おかだ たいへい) 1971年生.東京大学大学院総合文化研究科教授.東南アジア近現代史.『「恩恵の論理」と植民地――アメリカ植民地期フィリピンの教育とその遺制』法政大学出版局,2014年など. 中山 郁(なかやま かおる) 1967年生.皇學館大学文学部神道学科教授.山岳宗教研究,戦争慰霊研究.『修験と神道のあいだ――木曽御嶽信仰の近世・近代』弘文堂,2007年など. 直野章子(なおの あきこ) 京都大学人文科学研究所准教授.歴史社会学.『原爆体験と戦後日本――記憶の形成と継承』岩波書店,2015年など. 木村 豊(きむら ゆたか) 1983年生.大正大学心理社会学部専任講師.文化社会学,記憶研究.「東京大空襲で生き残った者の記憶実践」浜日出夫編著『サバイバーの社会学――喪のある景色を読み解く』ミネルヴァ書房,2021年など. 中村理香(なかむら りか) 1961年生.成城大学経済学部教授.アジア系アメリカ研究.『アジア系アメリカと戦争記憶――原爆・「慰安婦」・強制収容』青弓社,2017年など. 石井 弓(いしい ゆみ) 日本学術振興会特別研究員RPD.オーラルヒストリー,中国近現代史.『記憶としての日中戦争――インタビューによる他者理解の可能性』研文出版,2013年など. 北村 毅(きたむら つよし) 1973年生.大阪大学大学院人文学研究科教員.文化人類学・民俗学.『死者たちの戦後誌――沖縄戦跡をめぐる人びとの記憶』御茶の水書房,2009年など. (※書籍に掲載した北村毅先生の専攻に誤記がありましたので,本HPにて訂正させていただきます(日本近現代史→文化人類学・民俗学).北村先生と読者のみなさまにお詫び申し上げます.) 粟津賢太(あわづ けんた) 1965年生.上智大学グリーフケア研究所客員研究員.宗教社会学・宗教人類学.『記憶と追悼の宗教社会学――戦没者祭祀の成立と変容』北海道大学出版会,2017年など. 李榮眞(イ ヨンジン) 1975年生.江原大学校文化人類学科教授.文化人類学,戦後日本文化.『死とナショナリズム――戦後日本の特攻慰霊と哀悼の政治学』ソウル大学校出版文化院,2018年など. 坂井田夕起子(さかいだ ゆきこ) 愛知大学国際問題研究所客員研究員.中国近現代史,日中関係史.『誰も知らない西遊記』――玄奘三蔵の遺骨をめぐる東アジア戦後史』龍渓書舎,2013年など. 大川史織(おおかわ しおり) 1988年生.国立公文書館アジア歴史資料センター調査員,映画監督.『マーシャル,父の戦場――ある日本兵の日記をめぐる歴史実践』みずき書林,2018年など. 〈編集委員〉 蘭 信三(あららぎ しんぞう) 1954年生.大和大学社会学部教授.歴史社会学,戦争社会学.『日本帝国をめぐる人口移動の国際社会学』(編著)不二出版,2008年など. 石原 俊(いしはら しゅん) 1974年生.明治学院大学社会学部教授.歴史社会学,島嶼社会論.『硫黄島――国策に翻弄された130年』中公新書,2019年など. 一ノ瀬俊也(いちのせ としや) 1971年生.埼玉大学教養学部教授.日本近代軍事史・社会史.『東條英機――「独裁者」を演じた男』文春新書,2020年など. 佐藤文香(さとう ふみか) 1972年生.一橋大学大学院社会学研究科教授.ジェンダー研究,軍事・戦争とジェンダーの社会学.『軍事組織とジェンダー――自衛隊の女性たち』慶應義塾大学出版会,2004年など. 西村 明(にしむら あきら) 1973年生.東京大学大学院人文社会系研究科准教授.宗教学・文化資源学.『戦後日本と戦争死者慰霊――シズメとフルイのダイナミズム』有志舎,2006年など. 野上 元(のがみ げん) 1971年生.早稲田大学教育学部教授.歴史社会学,戦争社会学.『戦争体験の社会学――「兵士」という文体』弘文堂,2006年など. 福間良明(ふくま よしあき) 1969年生.立命館大学産業社会学部教授.歴史社会学,メディア史.『「戦跡」の戦後史――せめぎあう遺構とモニュメント』岩波書店,2015年など.

目次

  1. 『シリーズ 戦争と社会』刊行にあたって 総説 戦争を記憶し、戦争死者を追悼する社会とそのゆくえ……………西村 明 第Ⅰ部 記憶する人々 第1章 シドニー湾特殊潜航艇攻撃をめぐる日豪の記憶とその変遷……………田村恵子 第2章 憲兵と暴力――マニラBC級裁判の記録を中心に……………岡田泰平 第3章 死者と生者を結びつける人々――パプアニューギニアにおける戦地慰霊と旅行業者……………中山 郁 コラム① 朝鮮人特攻隊員という問い……………李榮眞 第Ⅱ部 記憶の支点――想起をもたらす場所とモノ 第4章 「原爆の絵」が拓く証言の場……………直野章子 第5章 空襲の死者を想起する場所――遺骨・モニュメント・写真……………木村 豊 第6章 アジア系アメリカと「慰安婦」碑――国境を超える共感と批判……………中村理香 コラム② 花岡町と鉱山と『花岡事件』をめぐる人々……………坂井田夕起子 コラム③ 戦後天皇と慰霊――「靖国型追悼路線」からの展開……………西村 明 第Ⅲ部 記憶・記念の実践と冷戦後の社会 第7章 戦争記憶の世代間継承と社会――「選択されたトラウマ」と山西省盂県の記憶……………石井 弓 第8章 「沖縄の精神衛生実態調査」にみる戦争と軍事占領の痕跡……………北村 毅 第9章 なぜ私たちは黙禱するのか?――近代日本における黙禱儀礼の成立と変容……………粟津賢太 コラム④ 戦争の記憶を共有すること――記憶表現の現場から……………大川史織

本文紹介

戦争を経た社会にとって、戦争を記憶・記念し、死者を追悼することはどのような意味を持つのだろうか。

抜粋:敗北に終わった戦争を記憶・記念し、無残な死を遂げた者を追悼する営みは、時の流れにともない困難さを増し、変質を余儀なくされてきた。戦後日本社会の歴史の中で記憶と追悼が変容してゆく過程をたどるとともに、過去の出来事を眼差すそれらの営みが、未来を開く可能性を秘めていることを明らかにする。