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書籍のレビュー・概要

ホモ・サピエンスの誕生から20万年。寒冷化なくして世界各地への拡散と社会形成はなかった!? アフリカ東部から東アジアまで、過去の気温を0.3度の誤差で復元した著者が、分子人類学や考古学の研究成果を元に大胆考察。過去2万年、寒冷期に日本列島では何が起こった? 古気候学や古環境学から「日本人」のルーツの定説が覆る!?

気候変動と「日本人」20万年史

Takumi ブックス

気候変動と「日本人」20万年史

著者・関係者
川幡 穂高 著
カテゴリ
人文・社会科学書
刊行日
2022/04/13
体裁
四六・並製 ・カバー ・250頁
ISBN
9784000615303
在庫状況
在庫あり

価格:2,200 円

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著者略歴

  • 川幡穂高(かわはた ほだか) 1955年横浜市生まれ.東京大学理学部化学科卒業,同大学大学院理学系研究科地質専門課程にて理学博士号取得.産業技術総合研究所(旧通商産業省工業技術院地質調査所)グループ長,東北大学理学部教授,東京大学大気海洋研究所教授,同大学大学院新領域創成科学研究科教授を経て,現在,東京大学名誉教授,早稲田大学客員教授,雲南大学高等研究員.日本地球化学会および日本地球惑星科学連合元会長.専門は,生物地球化学をベースとした現代と過去の物質循環研究.現代の炭素循環に関する知見を過去に応用して古気候・古環境学の解析を行う一方,これらを統合して過去から未来への環境変遷の解析を行う.2019年度文部科学大臣表彰科学技術賞受賞. 著書に『地球表層環境の進化──先カンブリア時代から近未来まで』『海洋地球環境学──生物地球化学循環から読む』(以上,東京大学出版会)などがある.

目次

  1. 地図 序章 気候・環境変動と社会――寒冷期の影響 人類の活動が前面に躍り出た現代/気候変動が生みだす環境変動/寒冷気候と水稲の収穫/気候・環境変動の人間社会への影響/寒冷気候と日本人・日本社会における大きな出来事/多分野にわたる統合的理解に向けて 第1章 究極の故郷はアフリカの大地――ヒトの誕生から「出アフリカ」へ わたしたちの究極の故郷/「直立二足歩行」の短所と長所/ヒトの誕生と地球環境の乾燥化/増大する脳容量と能力/美食が人類を進化させた/レバント地方の温暖な気候/レバント地方で遭遇した別のヒトとの生存競争/超巨大噴火によるホモ・サピエンス絶滅危機/アフリカ東部で経験した3度の湿潤気候/「出アフリカ」をホモ・サピエンスと共にした病原菌 コラム1─1 遺伝子的にホモ・サピエンスに近いヒト コラム1─2 氷期・間氷期サイクル 第2章 はるかなる大地を行く――ユーラシア大陸横断 ホルムズ海峡にたどり着いたホモ・サピエンス/アフリカを脱出したホモ・エレクトス/東へのルート/「マンモスハンター」が残したヒマラヤ北ルートの足跡/寒いシベリアで活躍するホモ・サピエンス/野生動物絶滅の犯人捜し/フローレス人の生活環境と絶滅/寒冷気候がとどめをさすネアンデルタール人の絶滅/現代人のDNAに痕跡を残すネアンデルタール人とデニソワ人/日本に最初にたどり着いたホモ・サピエンス/「対馬ルート」を経由した最初のホモ・サピエンス/「北海道ルート」と「沖縄ルート」 第3章 縄文社会の出現――「縄文杉」は「弥生杉」 縄文土器が創出した生活革命/世界最古の石鏃と土器は「Made in Japan」/大平山元Ⅰ遺跡の立地理由と水中縄文遺跡/日本人の祖先が体験した最寒冷気候/最寒冷期に絶滅した動物/縄文時代草創期の海面上昇と水没する海岸/陸上生態系が大きく変化する融氷期/縄文人の寿命、人口、人口密度、居住地域/縄文人の遺伝子からわかること/平和で穏やかな縄文社会/土偶に託す縄文人の祈り/九州最南端に開花した最古級集落、上野原遺跡/九州南部縄文社会を襲う鬼界カルデラの巨大噴火/世界遺産「縄文杉」、実は「弥生杉」/白神山地の広葉樹林の誕生と自然の恵み/「8200年前イベント」/豊かな貝塚と関東平野の縄文海進 コラム3─1 放射性炭素年代測定法 コラム3─2 アジアモンスーンとエルニーニョ コラム3─3 日本人の遺伝子グループ コラム3─4 キラーエイプ仮説 第4章 三内丸山の繁栄と縄文社会の衰退――恵まれた食生活から環境劣化へ 縄文のイメージを覆す大規模集落、三内丸山遺跡/三内丸山の盛衰も左右した、わずか2度の気温変化/安定同位体から探る縄文人の食事/食料確保の努力と縄文人の恵まれた食生活/クリの「里山」的管理と狩猟採集の優位点/クリの半栽培で大規模集落を誕生させた天才縄文人の出現/考古学と現代人の遺伝子データが提供する当時の人口変化/「japan焰」が投げかける栽培の開始/縄文中期に世界の三大漁場の一つとなった三陸沖/火焰型土器にみる縄文人の高い芸術性と豊かな精神生活/縄文晩期の環境劣化が衰退させる、関東縄文社会 第5章 現代日本人の遺伝子の故郷――古代中国の大地 水稲栽培発祥の地、河姆渡遺跡/長江河口よりさかのぼる、水稲栽培の開始時期/河姆渡の生活環境と周辺の水稲文化の発展/現代日本人の遺伝子の故郷の一つ、長江下流域/黄河文明と長江文明の実力/4200年前の極端寒冷化が断絶させる長江文明/4200年前イベントが招く汎世界的な文明劣化/二里頭文化と緑豊かな黄河中流域/人為的環境破壊が始まる古代中国/黄河流域の畑作とブタの食べもの/気候不順で動乱に向かう夏王朝の運命 第6章 水稲栽培伝来と弥生人――日本米の意外な故郷 殷(商)王朝の崩壊と「商人」の誕生および流民の発生/大寒冷気候が促す弥生人の来日/水稲の遺伝子が語る日本のコメの意外な故郷/水稲栽培を伝えた人たち/紀元前10世紀に始まる弥生時代/初期の田んぼの脇には縄文土器/縄文時代にすでに到来していた陸稲/水稲栽培の開始と伝播/酒豪と下戸で判別可能な集団/山口県土井ヶ浜遺跡で西を向いて眠る弥生人/人口分布が劇的に変化した弥生時代 第7章 中国の勢力拡大と日本社会の発展――紀元前5世紀から紀元前2世紀の寒冷気候 水稲栽培を受け入れた縄文系日本人の人口増加/春秋時代に始まる「金属の王様、鉄」の普及/金属器と中国文明の拡大/水稲栽培を受け入れた縄文系日本人の人口増加/中国戦国時代の温暖化と環境破壊/呉の人びとの日本への渡来仮説/中国における総人口1億人の壁/緊張高まる環濠集落、吉野ヶ里遺跡/吉野ヶ里地域の恵まれた環境と人びとの生活/日本最古の漢字で記されたロマンチックな言葉/黄巾の乱と倭国大乱を誘発したタウポ火山の大噴火説 第8章 温暖・湿潤環境が育む倭国――古墳造営と環境変化 箸墓古墳に始まる古墳時代/三角縁神獣鏡の五大不思議/温暖・湿潤気候が育む倭国の良質軍船/大古墳造営が生み出す環境破壊/群馬の大古墳が示す関東の中心/湾、湖、低地へと変遷した大阪/クラカタウ火山大噴火の災難/気候を克服するための古代土木公共事業/夏季アジアモンスーンの弱化に翻弄される隋王朝の首都移転/世界的な乾燥化が招く唐王朝の衰退 第9章 繰り返す温暖化と寒冷化――飛鳥時代から江戸時代へ 古代の文明開花の時代を支えた温暖化/日本初の本格的首都/平城京における鉛汚染/古代の国家プロジェクト「奈良東大寺の大仏建立」/金ピカの大仏建立に伴う水銀汚染/「古代大量消費型社会」から「エコ社会」への転換/日本人に加わる渡来人の遺伝子/日本人となって日本の文明に貢献した渡来人/気候の温暖化と社会の改革がもたらした古代の繁栄/中世寒冷期となった平安時代末期/寒冷化と社会への影響/治承・養和の飢饉と「奢る平家は久しからず」/武家政治の誕生と厳しかった鎌倉時代の生活/元寇と暴風雨/モンゴル帝国の隆盛に決定的な影響を与えた気候/頻発した火山噴火がもたらす寒冷気候/寒冷気候に耐性をもち始めた社会/寒冷気候が継続した小氷期 コラム9─1 水稲栽培に必須の灌漑設備と寒冷気候の収穫への影響 終章 気候が時代を変革する――新大寒冷気候説 寒冷気候と、日本人および日本社会における大きな出来事/気候のゆらぎの周期性と人間社会/気候がもたらす社会の進化/極端な気候がもたらす社会の転換 おわりに――ホモ・サピエンスよ、どこへ行く 参考文献

本文紹介

寒冷化なくしてホモ・サピエンスの世界各地への拡散と社会形成はなかった!? 古気候学者が大胆考察。

抜粋:ホモ・サピエンスの誕生から20万年。寒冷化なくして世界各地への拡散と社会形成はなかった!? アフリカ東部から東アジアまで、過去の気温を0.3度の誤差で復元した著者が、分子人類学や考古学の研究成果を元に大胆考察。過去2万年、寒冷期に日本列島では何が起こった? 古気候学や古環境学から「日本人」のルーツの定説が覆る!?