書籍詳細

書籍のレビュー・概要

伝統中国数学を発展させた和算。そして明治維新期の近代西欧数学へのドラスティックな転換。日本数学のこのシステム転換は、世界数学史上未曾有のものであった。本書は古代日本の中国数学受容から説き、世界の学問史のなかで特異なおもしろさを宿す日本数学の軌跡をたどる。著者の研究の集大成である遺稿がついに刊行。 ◆正誤表 ☞PDFファイル[151KB]

日本数学史

Takumi ブックス

日本数学史

著者・関係者
佐々木 力 著
カテゴリ
自然科学書
刊行日
2022/02/25
体裁
菊判・上製 ・函入 ・810頁
ISBN
9784000063401
在庫状況
在庫あり

価格:17,600 円

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著者略歴

  • 佐々木力(ささき ちから) 1947年宮城県に生まれる 東北大学大学院理学研究科修了(数学専攻) プリンストン大学Ph.D.(歴史学専攻) 東京大学大学院総合文化研究科教授、中国科学院大学人文学院教授、中部大学中部高等学術研究所特任教授など歴任 2020年逝去 専攻 科学史・科学哲学,とくに数学史 主著 『科学革命の歴史構造』全2 巻(岩波書店;講談社学術文庫) 『近代学問理念の誕生』(岩波書店) 『デカルトの数学思想』(東京大学出版会) Descartes’s Mathematical Thought (Kluwer Academic Publishers) 『科学論入門』(岩波新書) Introdu¸c˜ao `a Teoria da Ciˆencia (Editora da Universidade de S˜ao Paulo) 『二十世紀数学思想』(みすず書房) 『数学史入門――微分積分学の成立』(ちくま学芸文庫) 『数学史』(岩波書店) 『反原子力の自然哲学』(未來社) 『数学的真理の迷宮――懐疑主義との格闘』(北海道大学出版会)ほか

目次

  1. 編集方針 序論 日本数学史の特異性伝統から近代へ 1 「夜明け前」前後の数学 2 伝統中国数学から和算を経て近代西欧型数学へ 3 日本数学史研究の先駆者たち 4 数学の解釈学「文化相関的数学哲学」という学問プログラム 5 現代日本の日本数学史学の課題 第I部 前近代日本数学思想の源流 第一章 数学思想の二つの原型――古代中国と古代ギリシャ,そして日本の数学思想 1 日本の数学はどのような構成要素から成り立っているか? 2 数学的知識の二つの原型とは何か?――古代ギリシャと古代中国 3 古代ギリシャ数学における発見と論証 4 公理論数学の思想的社会的背景:広義の懐疑主義思潮とアゴーン社会――サボー説への代替案 5 『九章哨術』に見られる中国数学のプラグマティックでアルゴリズム的な様式 6 古代中国数学の歴史的背景 7 プラトン主義的数学思想の利点と不都合 8 日本人数学史家は世界の数学史にどんな貢献ができるだろうか? 第二章 中国数学の成立と展開――古代と宋元明朝の数学 1 中国数学史の時代区分 2 古代中国数学の成立『九章哨術』を中心として 3 古代中国数学の理論的深化――劉徽と祖冲之と彼らの時代 4 宋元明代の数学の飛躍と変容――天元術の創成と珠算の普及 5 西洋数学との出逢い以後――利瑪竇・梅文鼎・李善蘭 第三章 日本古代学制における中算の受容 1 日本史上の二つの文明開化のなかの「第一の文明開化」 2 〈大化改新〉における算学 3 和数考――『古事記』から『万葉集』までの数概念 4 律令体制の成立と算学 5 律令体制学制の形骸化と算博士の家業化 第四章 日本中世社会の構造変動と算学思想 1 日本中世の始原 2 「算術者」と「大福長者」 3 中世算学の担い手たち 4 日本中世に「商業革命」は起こったと考えられるか? 5 数量化の諸相 6 日本近世の算用合理主義への助走 第II部 江戸時代の数学――和算 第五章 和算の歴史学 1 日本数学のもっとも独創的な形態の内的外的な 2 日本近世の歴史的特徴づけの鋳型――近世日本は太閤検地と 3 「17 世紀日本の革命」の一環としての和算の形成 4 和算の実践的下部構造 5 和算の数学思想的特性 6 和算の歴史的展開の基本構造 第六章 和算の形而上学――江戸のピュタゴラス主義 1 江戸時代算用社会の成立と和算の形而上学 2 江戸初期文学に現われた算用の在り方 3 「徳川イデオロギー」としての朱子学 4 新井白石の易学的数理観 5 朱子学的自然哲学への批判,およびその批判的彫琢 6 内田五観・佐久間象山における洋学的ピュタゴラス主義への移行 7 明治維新以降の数理認識 第七章 和算の展開 1 関孝和=もうひとつの近世代数解析技法の鼻祖 2 建部賢弘の『綴術算経』和算的無限小解析の本格的始動 3 関流和算の純粋数学化と免許制の制定――松永良弼・山路主住・藤田貞資 4 円理技法の刷新と発展安島直円から和田寧まで 5 円理技法はなぜ近世西欧の微分積分学に到達できなかったのか? 6 和算の社会学 7 近世の数学的知識の在り方の比較――西欧諸国・清朝中国・徳川日本 第III部 幕末・明治維新期のシステム転換と近代日本数学の展開 第八章 幕末・明治初期における近代西洋数学の受容とその後の発展 1 伝統数学としての和算から近代西洋数学への転換の歴史的背景 2 明治維新と数学様式の転換 3 近代日本学問のドイツ化の諸相 4 数学的学問の近代日本学術としての独立 5 近代日本資本主義体制下の数学的知識 第九章 戦後数学の新展開 1 近代日本数学の制度的枠組みの戦後的刷新 2 新しい数学スタイルの導入と定着 3 国際交流の著しい発展 4 戦後日本を代表する数学者たち 5 現代数学はマニエリスム期にあると見ることができるのか? 6 数学文化を山麓部で支える数学教育と数学史研究 結論 日本数学思想の特性と未来 1 「歴史‐内‐存在」としての数学的知識 2 文化相関的数学哲学のイデーンと日本数学史 書誌(欧文文献/中国語文献/日本語文献) 佐々木力氏略年譜 索引(人名・事項)

本文紹介

伝統中国数学を発展させた和算。そして明治維新期の近代西欧数学への転換。日本数学の軌跡をたどる。

抜粋:伝統中国数学を発展させた和算。そして明治維新期の近代西欧数学へのドラスティックな転換。日本数学のこのシステム転換は、世界数学史上未曾有のものであった。本書は古代日本の中国数学受容から説き、世界の学問史のなかで特異なおもしろさを宿す日本数学の軌跡をたどる。著者の研究の集大成である遺稿がついに刊行。 ◆正誤表 ☞PDFファイル[151KB]