書籍詳細

書籍のレビュー・概要

第一次世界大戦時の北イタリア。父と兄たちが戦場へいったあと、13歳のイオランダと妹は、母親とも離ればなれになってしまう。戦争が激しくなるなか、家族の秘密を知った姉妹は、祖母を探す危険な旅を決意する……。もつれた家族の糸をほぐし、生きる力をつかみとっていく少女の感動の物語。ストレーガ賞児童書部門受賞作。 ©Taku Furuyama ■三辺律子さん推薦コメント 写真は雄弁に語る――というけれど、ぼやけた背景にまで注目する人は少ない。しかし、この物語は、写真の片隅に写った人、レンズから目を背けている人、元が何かもわからない瓦礫や、灰が舞うだけの空など、これまで背景にすぎなかったものにピントを合わせる。 レンズの役割をするのは、北イタリアの片隅で暮らす13歳の少女イオレ。第一次世界大戦が始まった1914年から18年まで、イオレの目はさまざまなものをとらえつづける。「手柄を刻む」ために戦争へいく兄、村人に嫌がらせをする兵隊、毅然とはねつけたためにスパイ容疑をかけられる母親、味方の不注意で燃えあがるウーディネの町、必死でイオレと妹を守ってくれる盲目のアデーレおばさん、大きなお腹を抱えて逃げる女性、大人たちが言う「ケダモノ」には見えなかった敵兵…… ピントを合わせるところを変えるだけで、公の場で語られてきたものとは別の歴史が浮かびあがる。女性や子どもにもっとカメラを手渡せと、この物語は叫んでいる。

13枚のピンぼけ写真

Takumi ブックス

13枚のピンぼけ写真

著者・関係者
キアラ・カルミナーティ 作・関口 英子 訳・古山 拓 絵
カテゴリ
児童書
刊行日
2022/03/17
体裁
四六・並製 ・カバー ・238頁
ISBN
9784001160369
在庫状況
在庫あり

価格:1,870 円

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著者略歴

  • キアラ・カルミナーティ(Chiara Carminati) イタリアのウーディネ生まれ.トリエステ大学でイタリア文学を,エクサン・プロヴァンス大学で言語学などを学ぶ.詩人,児童文学作家,翻訳家として活躍し,子どもの読書推進活動にも精力的に取り組んでいる.一連の創作活動で2012年イタリア・アンデルセン賞の最優秀作家賞を受賞,2018年には国際アンデルセン賞にノミネートされた.

目次

  1. 物語の舞台 第1部 1914年オーストリアからマルティニャッコ村へ 第2部 1917年マルティニャッコ村からウーディネへ 第3部 1917年ウーディネからグラードへ 第4部 1917年から1918年マルティニャッコ村 謝辞 訳者あとがき

本文紹介

第一次世界大戦時の北イタリア。13歳の少女が、もつれた家族の糸をほぐし、生きる力をつかみとっていく。

抜粋:第一次世界大戦時の北イタリア。父と兄たちが戦場へいったあと、13歳のイオランダと妹は、母親とも離ればなれになってしまう。戦争が激しくなるなか、家族の秘密を知った姉妹は、祖母を探す危険な旅を決意する……。もつれた家族の糸をほぐし、生きる力をつかみとっていく少女の感動の物語。ストレーガ賞児童書部門受賞作。 ©Taku Furuyama ■三辺律子さん推薦コメント 写真は雄弁に語る――というけれど、ぼやけた背景にまで注目する人は少ない。しかし…