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書籍詳細

書籍のレビュー・概要

従来、ミクロ経済学とマクロ経済学は、その分析対象を異にするだけではなく、共通の分析手法を持っていなかったが、この断絶状態は終焉を迎えつつある。近年の目覚ましい経済学の進化をトレースし、両者の方法論的な対立を乗り越えた先に見える「標準的経済学」の現在と未来を、「合理性」をキーワードに解説する。 ※本書108頁の「質的応答均衡(Quantal Response Equilibrium,QRE)」という訳語は 川越敏司『実験経済学』(東京大学出版会、2007年)考案によるものであり、109-110頁のようにQREを図示したのは 川越敏司 『行動ゲーム理論入門』(NTT出版、 2010年)が初出である。

経済学と合理性

Takumi ブックス

経済学と合理性

経済学の真の標準化に向けて

著者・関係者
清水 和巳 著
カテゴリ
人文・社会科学書
刊行日
2022/03/11
体裁
B6・並製 ・カバー ・178頁
ISBN
9784000269957
在庫状況
在庫あり

価格:2,090 円

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著者略歴

  • 清水和巳(しみず かずみ) 1961年生.早稲田大学大学院経済学研究科博士課程修了.Ph.D(. 経済学,グルノーブル大学).専門は行動経済学,実験政治経済学,意思決定理論.現在,早稲田大学政治経済学術院教授. 著書に『実験が切り開く21世紀の社会科学』(共編著,勁草書房),『入門政治経済学方法論』(共編著,東洋経済新報社)など.

目次

  1. 第0章 再び「静かな革命」か? 第1章 経済学の歴史を分析単位から振り返る 1 古典派から新古典派へ 2 新古典派総合とその破綻 3 ゲーム理論の導 第2章 合理的経済人と最適化 1 期待値から効用へ 2 選好における合理性:期待効用理論の公理的基礎付け 3 リスクに対する態度と効用関数の形状 4 時間選好 5 ゲーム理論的状況における合理性 6 共有知識 第3章 合理的経済人の見直し 1 限定された合理性 2 プロスペクト理論:期待効用理論の自然な拡張とその乗り越え 3 2段構えの構造 4 期待効用理論の自然な拡張 5 利得と損失の局面におけるリスク態度の逆転 6 損失回避 7 参照点の移動:フレーミング効果 8 時間非整合性 9 共有知識としての合理性:自然な拡張か原理的な批判か 10 共有知識への原理的な批判:「無知の仮定」 第4章 マクロ経済学とミクロ的基礎付け 1 ソローモデル 2 ミクロ的基礎付け:代表的個人ではあっても 3 「代表的個人」の問題点 4 異なるタイプの合理的経済人の導入 5 情報処理能力の限界:合理的不注意 6 ミクロ的基礎に基づいたマクロ経済シミュレーション:カリブレーションという方法 第5章 標準的経済学の未来像:「合理性」と「ミクロ的基礎付け」の使い方 参考文献 あとがき 〈Box一覧〉 方法論的個人主義 ベルヌーイによる解法 非経済財への選好 連続時間における時間割引関数と時間割引因子 経済計算論争 アレのパラドクスとプロスペクト理論による説明 確率に関わるバイアス ヒューリスティクス ベイジアン・アップデート:仮説の相対的ランキングを題材に シンプソンのパラドク

本文紹介

ミクロ経済学とマクロ経済学の方法論的な対立を乗り越えた先に見える「標準的経済学」像を展望する。

抜粋:従来、ミクロ経済学とマクロ経済学は、その分析対象を異にするだけではなく、共通の分析手法を持っていなかったが、この断絶状態は終焉を迎えつつある。近年の目覚ましい経済学の進化をトレースし、両者の方法論的な対立を乗り越えた先に見える「標準的経済学」の現在と未来を、「合理性」をキーワードに解説する。 ※本書108頁の「質的応答均衡(Quantal Response Equilibrium,QRE)」という訳語は 川越敏司『実験経済学』(東京大学…