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書籍詳細

書籍のレビュー・概要

近年注目の集まる教育格差。だが、日本では適切な学力調査や利用できるデータがごく限られ、その是正策はもとより、具体的な実態を掴むことも難しい。本書は自治体の調査を最大限に活用し、経年での格差の変動、学習時間と家庭環境の関係、「やり抜く力」の影響など、教育格差の診断とその処方箋をデータから示す。

教育格差の診断書

Takumi ブックス

教育格差の診断書

データからわかる実態と処方箋

著者・関係者
川口 俊明 編
カテゴリ
人文・社会科学書
刊行日
2022/03/10
体裁
四六・並製 ・カバー ・238頁
ISBN
9784000615242
在庫状況
在庫あり

価格:3,300 円

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著者略歴

  • 【編者】 川口俊明(かわぐち・としあき) 調査の概要,第1章,第2章,終章,あとがき 福岡教育大学准教授.著書に『全国学力テストはなぜ失敗したのか――学力調査を科学する』(岩波書店),編著に『日本と世界の学力格差――国内・国際学力調査の統計分析から』(明石書店),論文に「多重対応分析による子育て空間の分析――学校教育に関わる活動に着目して」(『家族社会学研究』32(2)),他. 【執筆者】 松岡亮二(まつおか・りょうじ) 第3章 早稲田大学准教授.著書に『教育格差――階層・地域・学歴』(ちくま新書),(共)編著に『教育論の新常識――格差・学力・政策・未来』(中公新書ラクレ),『現場で使える教育社会学――教職のための「教育格差」入門』(ミネルヴァ書房),他. 数実浩佑(かずみ・こうすけ) 第4章 宝塚大学講師.論文に「学力格差の維持・拡大メカニズムに関する実証的研究――学力と学習態度の双方向因果に着目して」(『教育社会学研究』101),「学業成績の低下が学習時間の変化に与える影響とその階層差――変化の方向と非変化時の状態を区別したパネルデータ分析を用いて」(『理論と方法』34(2)),他. 垂見裕子(たるみ・ゆうこ) 第5章 武蔵大学教授.共著に「ひとり親世帯と二人親世帯で育つ子どもの学力格差――ジェンダーと地域規模に着目して」耳塚寛明・浜野隆・冨士原紀絵編著『学力格差への処方箋』(勁草書房),論文に「小学生の学習習慣の形成メカニズム――日本・香港・上海の都市部の比較」(『比較教育学研究』55),他. 知念 渉(ちねん・あゆむ) 第6章 神田外語大学講師.著書に『〈ヤンチャな子ら〉のエスノグラフィー――ヤンキーの生活世界を描き出す』(青弓社),共編著に『学力格差に向き合う学校――経年調査からみえてきた学力変化とその要因』(明石書店),他. 土屋隆裕(つちや・たかひろ) 第7章 横浜市立大学教授.著書に『概説標本調査法』(朝倉書店),『社会教育調査ハンドブック』(文憲堂),監訳書に『BAD DATA 統計データの落とし穴――その数字は真実を語るのか?』(ピーター・シュライバー著,ニュートンプレス),他.

目次

  1. 調査の概要 1 いろは市学力パネルデータ 2 調査対象地の特性 第1章 日本の教育行政が実施する学力調査の問題点……川口俊明 1 「やりっ放し」の学力調査 2 なぜ、いろは市学力パネルデータが必要なのか 3 いろは市学力パネルデータの意義と課題 4 本書の構成 第2章 学力調査を分析するための基礎知識――朝ご飯は学力に繫がるか?……川口俊明 1 統計というツール 2 統計分析のための基礎知識 3 パネルデータで何がわかるのか? 4 クロスセクション分析とパネルデータ分析 5 パネルデータ分析が必要なわけ 第3章 進級しても変わらない格差――児童間・学校間における格差の平行推移……松岡亮二 1 日本の義務教育制度と教育格差 2 データと変数 3 分析結果 4 データで可視化される実態――格差の平行推移 5 政策への示唆――実態を変えるためにすべきこと 第4章 学習時間格差を是正するには――子どもの環境差に応じた働きかけ……数実浩佑 1 努力格差・学習時間格差という問題 2 子どもが学習に向かう四要素――分析枠組み 3 分析方法――計測できない影響をどう見積もるか 4 分析に用いるデータと変数 5 分析結果――階層による四要素の影響差 6 何が学習時間を伸ばすのか――階層による要素の違い 第5章 小学生のグリット(やり抜く力)格差の推移……垂見裕子 1 なぜグリットに着目するのか 2 分析に用いる手法 3 グリットの推移――小四〜小六の間の変化 4 グリット格差の推移 5 どのような経験・活動・意識がグリットを高めるのか 6 グリットが高まると学力は向上するのか 7 グリット格差に関するまとめと考察 第6章 学校文化と教育格差――――日本社会に文化資本概念をどう適用するか……知念 渉 1 文化資本という考え方 2 文化資本と日本社会への適用 3 子どもの生活様式空間の構築に使用する変数 4 子どもの生活様式空間とそれの背景にある力学 5 結論――生徒指導への順応と業績主義への順応 第7章 アンケート調査の落とし穴――――客観的な数値データは正しいか……土屋隆裕 1 アンケート調査の結果は正しいか 2 よくある調査回答データの歪みとその原因 3 全国学力・学習状況調査に見る回答誤差 4 いろは市調査に見る回答誤差 5 アンケート調査データの落とし穴 終章 「教育改革やりっ放し」のループを抜け出すために……川口俊明 1 教育格差の処方箋 2 次は何をするべきか 3 教育格差の実態把握のための読書案内・ウェブサイト あとがき

本文紹介

教育格差の診断とその処方箋を、経年での格差の変動、学習時間と家庭環境の関係などのデータから示す。

抜粋:近年注目の集まる教育格差。だが、日本では適切な学力調査や利用できるデータがごく限られ、その是正策はもとより、具体的な実態を掴むことも難しい。本書は自治体の調査を最大限に活用し、経年での格差の変動、学習時間と家庭環境の関係、「やり抜く力」の影響など、教育格差の診断とその処方箋をデータから示す。