書籍詳細

書籍のレビュー・概要

ナショナリズム渦巻く日韓で提起されてきた「慰安婦」問題――それはまた、性差別的な社会構造のなかで踏みにじられた女性の人権をめぐる問題であり、現代の性暴力につらなる側面をもつ。フェミニズムの視点から「慰安婦」運動の歴史を問い直し、二度と被害を繰り返させない世界をまなざす、問題理解の手がかりとなる一冊。

新版 ナショナリズムの狭間から

Takumi ブックス

新版 ナショナリズムの狭間から

「慰安婦」問題とフェミニズムの課題

著者・関係者
山下 英愛 著
カテゴリ
現代文庫
刊行日
2022/02/15
体裁
A6・並製 ・カバー ・388頁
ISBN
9784006004439
在庫状況
在庫あり

価格:1,694 円

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著者略歴

  • 山下英愛(Yeong-Ae Yamashita) 1959年生まれ。文教大学文学部教授。多摩美術大学(絵画科)、津田塾大学(国際関係学科)卒業。1996年梨花女子大学大学院女性学科博士課程修了。博士(国際関係学/立命館大学)。専門は女性学、韓国文化論。著書に『女たちの韓流――韓流ドラマを読み解く』(岩波新書、2013)、共編書に『シンポジウム記録 「慰安婦」問題の解決に向けて――開かれた議論のために』(白澤社、2012)、訳書に『基地村の女たち――もう一つの韓国現代史』(御茶の水書房、2012)ほか多数。

目次

  1. はじめに I 序章 ナショナル・アイデンティティの葛藤 一 「朝鮮人」として 二 ナショナル・アイデンティティの悩み 三 韓国留学と「慰安婦」問題 四 「挺身隊」問題の浮上が示すもの 第一章 韓国女性学と民族 一 女性学の成立と民族問題 二 日本軍「慰安婦」問題をめぐる民族議論 三 アジア女性学への視点 小 括 第二章 韓国における「慰安婦」問題の展開と課題――性的被害の視点から 一 「慰安婦」問題の展開と民族主義 二 「慰安婦」と公娼 三 性的被害とは何か 小 括 第三章 韓国における「慰安婦」問題解決運動の位相――一九八〇〜九〇年代の性暴力追放運動との関連で 一 民族民主運動と性暴力追放運動――一九八〇年代の女性運動 二 性暴力追放運動の質的転換――一九九〇年代の女性運動 三 「慰安婦」問題解決運動の位相 小 括 第四章 ナショナリズムを乗り越えるために 一 「慰安婦」問題とナショナリズム――女性法廷後の課題 二 日・韓ナショナリズムと「慰安婦」問題――朴裕河著『和解のために』をめぐって 三 排除と差別に抗する視点 補 論 勤労挺身隊となった人々の人生被害について――名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟に寄せて 一 朝鮮人少女たちにとって「勤労挺身隊に行く」ということが意味したもの 二 日本に行って受けたであろう衝撃 三 朝鮮に戻ってからの人生の困難――勤労挺身隊に行ったことが朝鮮社会で意味したもの 四 日本軍「慰安婦」問題との関連 五 日本政府及び関連企業の責任 旧版あとがき II 第五章 日本人「慰安婦」をめぐる記憶と言説――沈黙が意味するもの はじめに 一 日本人「慰安婦」とは 二 戦後日本の「慰安婦」言説 おわりに 第六章 韓国の「慰安婦」証言聞き取り作業の歴史――記憶と再現をめぐる取り組み はじめに 一 「慰安婦」問題の真相究明を求めて――証言集一、二 二 サバイバーたちとの交流を重ねながら――証言集三 三 証言とオーラルヒストリーの間で――証言集四―六 おわりに 第七章 韓国の「慰安婦」運動を再考する はじめに 一 二〇二〇年五月――李容洙の記者会見 二 二〇二〇年七月――性暴力告訴情報流出事件 三 「慰安婦」運動の新たな地平 参考文献 岩波現代文庫版あとがき 初出一覧 索 引

本文紹介

女性人権問題として、現代の性暴力被害につづく側面を持つ「慰安婦」問題理解の手がかりとなる一冊。

抜粋:ナショナリズム渦巻く日韓で提起されてきた「慰安婦」問題――それはまた、性差別的な社会構造のなかで踏みにじられた女性の人権をめぐる問題であり、現代の性暴力につらなる側面をもつ。フェミニズムの視点から「慰安婦」運動の歴史を問い直し、二度と被害を繰り返させない世界をまなざす、問題理解の手がかりとなる一冊。