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書籍のレビュー・概要

ウィトゲンシュタインは、『哲学探究』において自らの『論理哲学論考』を乗り越え、哲学問題をまったく新しい光のもとにおいた。従来の問題に新たな解答を与えたというよりも、むしろそっくり哲学の風景を変貌させたのである。読者は、本書によってその光のもとに導かれ、『探究』が開いた哲学的風景に出会うだろう。

ウィトゲンシュタイン 『哲学探究』という戦い

Takumi ブックス

ウィトゲンシュタイン 『哲学探究』という戦い

著者・関係者
野矢 茂樹 著
カテゴリ
人文・社会科学書
刊行日
2022/02/08
体裁
四六・上製 ・カバー ・366頁
ISBN
9784000240635
在庫状況
在庫あり

価格:2,860 円

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著者略歴

  • 野矢茂樹(のや しげき) 1954年東京都に生まれる。東京大学大学院博士課程単位取得退学。東京大学大学院総合文化研究科教授を経て、現在、立正大学文学部教授。東京大学名誉教授。専攻は哲学。 著書に、『論理学』(東京大学出版会)、『心と他者』(勁草書房/中公文庫)、『哲学の謎』『無限論の教室』(以上、講談社現代新書)、『哲学・航海日誌』(春秋社/中公文庫)、『はじめて考えるときのように』(PHP文庫)、『論理トレーニング』『論理トレーニング101題』(以上、産業図書)、『ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む』(哲学書房/ちくま学芸文庫)、『ここにないもの』(大和書房/中公文庫)、『入門!論理学』(中公新書)、『大森荘蔵』『語りえぬものを語る』(以上、講談社学術文庫)、『心という難問』(講談社)、『まったくゼロからの論理学』(岩波書店)など。訳書に、ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』(岩波文庫)、アリス・アンブローズ編『ウィトゲンシュタインの講義 ケンブリッジ1932-1935年』(講談社学術文庫)などがある。

目次

  1. はじめに 第1章 語は対象の名前なのか 1-1 言語ゲーム 1-2 治療としての哲学 1-3 「語は対象の名前である」という言語観 1-4 語の意味を教える 第2章 名指すとはどういうことか 2-1 直示的定義はさまざまに解釈されうる 2-2 『論理哲学論考』は直示的定義をどう捉えていたか 2-3 定義と訓練 第3章 分析への誘惑 3-1 純粋な名前 3-2 単純な要素への分析 第4章 本質の探究からの決別 4-1 家族的類似性と曖昧さ 4-2 見本を用いた説明 4-3 規則と道標 4-4 結晶のように純粋な論理 第5章 「理解」の罠 5-1 何かを把握したという幻想 5-2 自然数を「身につけ」、数列を「理解」する 5-3 読み上げる 5-4 原因と理由 5-5 「いま分かった!」という合図 第6章 規則に従う 6-1 規則のパラドクス 6-2 訓練と慣習 6-3 解釈によらない規則の把握 6-4 レールと転轍機 6-5 生活形式を共有する「われわれ」 第7章 感覚を語る言語 7-1 私的言語 7-2 泣き叫ぶ代わりに「イタイ!」と言うことを教える 7-3 文法の対立 7-4 感覚を「私的に」語ることはできない 7-5 「痛み」という語と痛みという感覚 第8章 思考の神話 8-1 言語以前の思考への誘惑 8-2 考えることは語ることか 8-3 心の中で語る 第9章 私だけが〈これ〉をもっている 9-1 「これ」とは何か 9-2 「私」とは誰か 第10章 像 10-1 像と使用 10-2 像はときにわれわれを翻弄する 第11章 志向性の正体 11-1 言葉が心に志向性を与える 11-2 影を追い払う 第12章 言葉は生の流れの中で意味をもつ 12-1 意味と空間 12-2 空間から時間へ 12-3 言葉を道具として使う 12-4 言語の理解と音楽の理解は似ている 第13章 心的概念の道具箱 13-1 心的概念は必ずしも心の状態を表わしていない 13-2 説明のために心を捏造する 第14章 意志する・意図する・意味する 14-1 行為の相貌としての意志 14-2 意図の表明 14-3 意味する 14-4 『哲学探究』の終わり方 注 おわりに 本書で言及したウィトゲンシュタインの著作 索 引 人名・事項 ウィトゲンシュタインの著作への言及

本文紹介

ウィトゲンシュタインが『探究』において見ていた風景が、いま私たちの前に立ち現われる。

抜粋:ウィトゲンシュタインは、『哲学探究』において自らの『論理哲学論考』を乗り越え、哲学問題をまったく新しい光のもとにおいた。従来の問題に新たな解答を与えたというよりも、むしろそっくり哲学の風景を変貌させたのである。読者は、本書によってその光のもとに導かれ、『探究』が開いた哲学的風景に出会うだろう。