書籍のレビュー・概要
【特集1】クルマの社会的費用 宇沢弘文『自動車の社会的費用』の刊行(1974年)から、まもなく半世紀。 現代機械文明の輝ける象徴はその後も進化をつづけ、居住性や走行性能の向上に加え、デジタル技術の発展が自動運転など新たな可能性を開拓する。 だが依然として、クルマは公害の源である。 クルマの環境性能は向上した。だが、量的爆発は、その性能改善の効果を吹き飛ばす。この地球上で走るクルマの数は14億台を超え、さらに約1億台が毎年、この大渋滞の後尾に連なる。 気候変動の深刻化は、この現状に対する根本的な検討を要請している。 私たちの交通、移動、流通、まちづくりは、どうあるべきなのか、考える。 【特集2】日本司法の "独自進化" 「法の支配がこの国の血となり肉となるために」――2001年、司法制度改革審議会は、このように謳って、意見書を公表した。そして、その提言に従って司法制度改革は進められ、法科大学院の設置、裁判への市民参加を可能とする裁判員制度などの改革が矢継ぎ早に行なわれた。 あれから 20 年。法曹人口は意図していたほどには増えず、多くの法科大学院が閉校となり、裁判員候補者の辞退率も六割となるなど、改革はほとんど失敗したといっても過言ではない。 あいかわらず、最高裁判所が憲法判断を積極的に行なうことはなく、ゴーン被告が逃亡した時には、海外メディアから日本の刑事司法の前近代性を批判される有様である。これでは他国の人権問題を非難する資格が疑われよう。 グローバル化のもとで、他国の司法が進化を続ける中、日本の司法はそれとは異なる方向に進んでいないか。点検を試みた。