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書籍のレビュー・概要

東京裁判の審理には、どのような特徴や問題点が存在し、戦後の世界や日本社会にいかなる「未決の課題」を遺すことになったのか。そして、日本政治・社会は、東京裁判をどのように認識し、また忘却してきたのか。膨大な裁判の記録を読み解きながら東京裁判の全体像をはじめて描き出し、戦後史の中に位置付ける画期的研究。

東京裁判研究

Takumi ブックス

東京裁判研究

何が裁かれ、何が遺されたのか

著者・関係者
宇田川 幸大 著
カテゴリ
人文・社会科学書
刊行日
2022/01/28
体裁
A5・上製 ・カバー ・286頁
ISBN
9784000615143
在庫状況
在庫あり

価格:5,610 円

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著者略歴

  • 宇田川幸大(うだがわ こうた) 1985年神奈川県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学・一橋大学)。日本現代史専攻。現在、中央大学商学部准教授。主要著作『考証東京裁判――戦争と戦後を読み解く』(吉川弘文館、2018年)、『東京裁判――捕虜関係資料』(全3巻、共編、現代史料出版、2012年)、『東京裁判――性暴力関係資料』(共編、現代史料出版、2011年)など。

目次

  1. 序 章 第一節 本書の問題意識と先行研究 第二節 本書の課題と分析対象 第三節 本書の構成 第一章 東京裁判と軍部――陸海軍の比較から はじめに 第一節 検察側の追及 第一項 国際検察局による尋問――海軍/第二項 国際検察局による尋問――陸軍/第三項 起訴状と起訴状付属書における海軍関係事件/第四項 検察側立証段階 第二節 裁判対策 第一項 裁判対策の始まりと海軍の弁護活動準備/第二項 海軍側弁護団の基本方針/第三項 海軍側裁判対策の具体的内容/第四項 陸軍側の裁判対策と弁護方針 第三節 法廷における攻防と判決 第一項 海軍側裁判対策の展開――弁護側反証段階・個人弁論段階/第二項 海軍側裁判対策の影響――検察側の反応と証拠不在/第三項 陸軍側の弁明と検察側・判事側の反応/第四項 判決と海軍 小 括 第二章 東京裁判と外務省 はじめに 第一節 連合国側の追及準備 第一項 検察側の政策決定と外務省関係事件/第二項 尋問 第二節 検察側の立証 第一項 起訴状の提出と外務省関係被告人/第二項 検察側立証段階 第三節 裁判対策の展開と弁護側反証 第一項 外務省の態度と裁判対策/第二項 弁護側の反証/第三項 弁護側反証の「効果」と限界 第四節 審理の影響――検察側の追及と判事側の判定 第一項 追及の末路/第二項 判決書と外務省関係事件 小 括 第三章 東京裁判と大蔵省 はじめに 第一節 検察側の追及 第一項 賀屋興宣に対する尋問と被告人編入/第二項 星野直樹に対する尋問と被告人編入/第三項 検察側立証段階 第二節 弁護側の動向と反証 第一項 弁護人選定と弁護方針/第二項 弁護側反証段階/第三項 個人弁論段階 第三節 審理と問われざる問題群 第一項 検察側による追及の問題点/第二項 弁護側による主張の問題点/第三項 判決 小 括 第四章 東京裁判における天皇・天皇制論議 はじめに 第一節 検察側の追及準備 第一項 木戸幸一に対する尋問/第二項 木戸尋問と昭和天皇の「不作為」 第二節 弁護側の裁判対策と天皇・天皇制 第一項 天皇免責に向けた裁判対策/第二項 木戸幸一に関する裁判対策 第三節 裁判審理における天皇・天皇制論議 第一項 天皇の権限と戦争に対する態度をめぐって/第二項 木戸幸一と東条英機の個人弁論/第三項 最終論告と最終弁論 第四節 判決書と個別意見書における天皇・天皇制論議 第一項 判決書/第二項 個別意見書 小 括 第五章 序列化された戦争被害――東京裁判の審理と「アジア」 はじめに 第一節 検察側の追及と「通例の戦争犯罪」・植民地支配 第一項 検察側の政策決定過程と「通例の戦争犯罪」/第二項 植民地支配責任の不問――南次郎と小磯国昭への追及 第二節 審理と「通例の戦争犯罪」 第一項 「通例の戦争犯罪」の審理――検察側の立証方針と弁護側の反証方針/第二項 検察側最終論告/第三項 弁護側最終弁論 第三節 判決書における「アジア」 第一項 判決書と「通例の戦争犯罪」/第二項 重視された捕虜問題 小 括 第六章 裁きと戦犯の「戦後」――戦犯の戦争責任観・戦争観・戦後社会観 はじめに 第一節 A級戦犯の戦争責任観・戦争観 第一項 戦争責任観/第二項 戦争観 第二節 A級戦犯の戦後社会観 第一項 東京裁判の受け止め方/第二項 天皇・天皇制に関する意識/第三項 アジアに対する優越感と「帝国意識」の残存 小 括 第七章 戦後史と東京裁判認識――一九四五~二〇二〇 はじめに 第一節 裁判の「受容」と問われざる問題群――占領期 第一項 帝国議会・国会における議論/第二項 国会における裁判批判の始まり/第三項 報道の動向/第四項 問われざる論点と底流する裁判への反発/第五項 報道からみた人びとの裁判認識 第二節 忘却と反発の時代――平和条約発効~一九八〇年代前半 第一項 一九五〇年代における裁判批判とその限界/第二項 国会における裁判批判の噴出/第三項 新聞報道における裁判批判とパル賛美/第四項 裁判否定論への警鐘とA級戦犯の戦争責任 第三節 歴史認識問題と再燃する東京裁判論議――一九八〇年代後半~二〇〇〇年代中盤 第一項 中曽根康弘の靖国神社参拝と裁判論議/第二項 裁判論の多角化と未完の戦争責任/第三項 小泉純一郎の靖国神社参拝と裁判論議 第四節 歴史修正主義と裁判論議――二〇〇〇年代後半~二〇二〇年 第一項 第一次安倍晋三内閣・麻生太郎内閣と裁判論議/第二項 第二次安倍晋三内閣以降の議論 小 括 終 章 第一節 結論 第一項 東京裁判の審理の持つ特徴・問題点/第二項 裁判の「受容」と忘却の行方 第二節 今後の課題 注 参考文献一覧 あとがき 人名索引

本文紹介

膨大な審理の記録を読み解きながら東京裁判の全体像を初めて描き出し、戦後史の中に位置付ける画期的研究。

抜粋:東京裁判の審理には、どのような特徴や問題点が存在し、戦後の世界や日本社会にいかなる「未決の課題」を遺すことになったのか。そして、日本政治・社会は、東京裁判をどのように認識し、また忘却してきたのか。膨大な裁判の記録を読み解きながら東京裁判の全体像をはじめて描き出し、戦後史の中に位置付ける画期的研究。