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書籍詳細

書籍のレビュー・概要

死刑制度の存廃をめぐっては激しい意見対立が続いている。理論刑法学の卓越した研究者である著者が、刑罰論の観点から死刑制度を考える。死刑存置派、廃止派、あるいは日本の刑法学の通説がともに議論の前提に置く刑罰論=応報刑論の意義を問い直し、その問題点を深く洞察することで、膠着した死刑論議に一石を投じる意欲的な書。

死刑制度と刑罰理論

Takumi ブックス

死刑制度と刑罰理論

死刑はなぜ問題なのか

著者・関係者
井田 良 著
カテゴリ
人文・社会科学書
刊行日
2022/01/27
体裁
四六・上製 ・カバー ・240頁
ISBN
9784000615136
在庫状況
在庫あり

価格:2,530 円

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著者略歴

  • 井田 良(いだ まこと) 1956年生まれ。現在、中央大学法科大学院教授、慶應義塾大学名誉教授、法学博士(ケルン大学)。過去には日本学術会議会員や宗教法人審議会会長などを務め、現在は司法研修所参与や法制審議会会長などを務める。名誉法学博士号(ザールラント大学およびエアランゲン大学)、シーボルト賞(フンボルト財団)、ザイボルト賞(ドイツ研究振興協会)、ドイツ連邦共和国功労勲章(功労十字小綬章)を授与される。著作として、『理論刑法学の最前線I・II』(共著、岩波書店、2001年・2006年)、『変革の時代における理論刑法学』(慶應義塾大学出版会、2007年)、『講義刑法学・総論〔第2版〕』(有斐閣、2018年)、『法を学ぶ人のための文章作法〔第2版〕』(共著、有斐閣、2019年)、『講義刑法学・各論〔第2版〕』(有斐閣、2020年)、『刑法事例演習教材〔第3版〕』(共著、有斐閣、2020年)、『基礎から学ぶ刑事法〔第6版補訂〕』(有斐閣、2022年)などがある。

目次

  1. はじめに 第一章 日本の死刑制度とその運用 一 現行法における死刑/ 二 刑事裁判と死刑/ 三 死刑と量刑/四 死刑とその執行 第二章 死刑制度の刑罰理論的基礎 一 死刑制度を正当化する論理/ 二 刑罰の本質としての責任非難/三 刑罰制度のあり方を規定する二つのベクトル/ 四 本書が目ざそうとするもの 第三章 重罰化傾向はなぜ生じたか 一 平成時代における刑法思想の変化/ 二 立法裁判実務行刑実務に見る重罰化/ 三 永山事件と光市母子殺害事件/ 四 重罰化の要因と背景 第四章 被害感情と現行の刑罰制度 一 被害感情とその量刑における考慮/ 二 被害感情の充足を阻むものとしての責任非難/ 三 被害感情と責任非難の対立関係/ 四 再考――刑法は何のためにあるのか 第五章 同害報復から規範の保護へ 一 刑法による法益保護のメカニズム/ 二 刑法は何を保護するのか/三 実害対応型の応報刑論から規範保護型の応報刑論へ/ 四 ヘーゲルの刑罰理論 第六章 死刑存廃論議に与える示唆 一 実害対応型の応報刑論が導く隘路/ 二 規範保護型の応報刑論が描く犯罪者処罰の全体像/ 三 公益実現のための刑法/ 四 放置してはならない被害感情 補 論 死刑制度をめぐる重要論点 一 死刑のもつ一般予防効果をめぐる議論/ 二 処罰感情と死刑制度/三 日本人の死生観刑罰観との関係/ 四 誤判の可能性と死刑制度/五 死刑制度の運用のあり方 おわりに 索引

本文紹介

理論刑法学の第一人者である著者が、刑罰論の観点から死刑制度を再考。論争に一石を投じる刺激的な書。

抜粋:死刑制度の存廃をめぐっては激しい意見対立が続いている。理論刑法学の卓越した研究者である著者が、刑罰論の観点から死刑制度を考える。死刑存置派、廃止派、あるいは日本の刑法学の通説がともに議論の前提に置く刑罰論=応報刑論の意義を問い直し、その問題点を深く洞察することで、膠着した死刑論議に一石を投じる意欲的な書。