書籍詳細

書籍のレビュー・概要

高度経済成長期に登場した経済小説は、疑獄事件や巨大企業の不正など、多種多様なテーマを描き続けてきた。城山三郎『小説日本銀行』、石川達三『金環蝕』、松本清張『空の城』など、戦後日本社会の深層を描いた古典的名作から、二〇一〇年代に刊行されたものまで、著者ならではの幅広い選書によるブックガイド。

企業と経済を読み解く小説50

Takumi ブックス

企業と経済を読み解く小説50

著者・関係者
佐高 信 著
カテゴリ
文庫
刊行日
2021/12/17
体裁
新書・226頁
ISBN
9784004319054
在庫状況
在庫あり

価格:946 円

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著者略歴

  • 佐高 信(さたか まこと) 1945年山形県生まれ 1967年慶應義塾大学法学部卒業 現在―評論家・東北公益文科大学客員教授 著書―『城山三郎の遺志』(編著、岩波書店、2007年)、『城山三郎の昭和』(角川文庫、2007年)、『世代を超えて語り継ぎたい戦争文学』(共著、岩波現代文庫、2015年)、『人間が幸福になれない日本の会社』(平凡社新書、2016年)、『反─憲法改正論』(角川新書、2019年)、『いま、なぜ魯迅か』(集英社新書、2019年)、『なぜ日本のジャーナリズムは崩壊したのか』(共著、講談社+α新書、2020年)、『時代を撃つノンフィクション100』(岩波新書、2021年)ほか

目次

  1. はじめに Ⅰ 巨悪の実態 ──原発利権 1 「原子力マフィア」の形成── 『原子力戦争』田原総一朗著 2 なぜ東電は潰れないのか── 『ザ・原発所長』黒木亮著 3 現役官僚による告発── 『原発ホワイトアウト』若杉冽著 4 電力の鬼と呼ばれた男── 『まかり通る』小島直記著 ──政財界の裏側 5 戦後最大級の疑獄事件── 『小説佐川疑獄』大下英治著 6 ロッキード事件の利益構造── 『金色の翼』本所次郎著 7 財界の総本山に迫る── 『小説経団連』秋元秀雄著 8 銀行に銀行を食わせる── 『戦略合併』広瀬仁紀著 9 使途不明金の明細書── 『小説談合』清岡久司著 10 汚職事件の曼荼羅図── 『金環蝕』石川達三著 11 インドネシア賠償需要の闇── 『生 贄』梶山季之著 12 新興財閥と軍部の利権── 『戦争と人間』五味川純平著 Ⅱ 増大する資本と欲望 ──巨大資本をめぐる 13 外資系投資銀行の内幕── 『小説ヘッジファンド』幸田真音著 14 イケニエを決めたのは誰か── 『ハゲタカ』真山仁著 15 大口融資規制の暗闘── 『頭取敗れたり』笹子勝哉著 16 「物価の番人」の挫折── 『小説日本銀行』城山三郎著 17 予算編成の駆け引き── 『小説大蔵省』江波戸哲夫著 18 旧財閥に残る気風── 『果つる底なき』池井戸潤著 19 金融帝国のルーツ── 『ザ・ロスチャイルド』渋井真帆著 20 日本人発行のルーブル札── 『ピコラエヴィッチ紙幣』熊谷敬太郎著 ──欲望のゆくえ 21 触れてはいけない魔法のランプ── 『小説総会屋』三好徹著 22 「狙って潰せない会社はない」── 『虚業集団』清水一行著 23 ある闇金融の挫折── 『白昼の死角』高木彬光著 24 ローン破産という公害── 『火車』宮部みゆき著 Ⅲ 会社国家ニッポンのゆがみ ──企業のモラルを問う 25 会社は誰のものか── 『トヨトミの野望』梶山三郎著 26 消費者vs経営者── 『大阪立身』邦光史郎著 27 経済大国の原罪── 『19階日本横丁』堀田善衞著 28 未知の商戦と孤独── 『忘れられたオフィス』植田草介著 29 日本人であること── 『炎熱商人』深田祐介著 30 取引先の破綻と回収── 『商社審査部25時』高任和夫著 31 安宅産業の消滅── 『空の城』松本清張著 32 「水潟病」の原因究明── 『海の牙』水上勉著 ──業界の深奥 33 金融資本としての生保── 『遠い約束』夏樹静子著 34 ホテルは社会の裏方── 『銀の虚城(ホテル)』森村誠一著 35 患者ファーストは可能か── 『M R』久坂部羊著 36 証券界と地下経済── 『マネー・ハンター』安田二郎著 37 量販よりも鮮度の保持── 『小説スーパーマーケット』安土敏著 38 食品加工業の暗部── 『震える牛』相場英雄著 Ⅳ 組織と人間 ──会社を告発する個人 39 自分の生き方を通す── 『沈まぬ太陽』山崎豊子著 40 現役記者の社長解任請求── 『日経新聞の黒い霧』大塚将司著 41 新聞は生き残れるか── 『紙の城』本城雅人著 42 研ぎ澄まされた感覚を保つ── 『いつも月夜とは限らない』広瀬隆著 43 ワンマン体制への叛旗── 『管理職の叛旗』杉田望著 44 組織内の不正を糺す── 『会社を喰う』渡辺一雄著 45 地位保全の訴え── 『懲戒解雇』高杉良著 ──社員という人生 46 死ぬくらいなら辞めていい── 『風は西から』村山由佳著 47 その人なりの価値基準── 『ふぞろいの林檎たち』山田太一著 48 社宅という残酷な制度── 『夕陽ヵ丘三号館』有吉佐和子著 49 「世間」に立ち向かう── 『食卓のない家』円地文子著 50 企業ぐるみ選挙の悲哀── 『わが社のつむじ風』浅川純著 おわりに 本書で取り上げた五〇冊

本文紹介

戦後日本社会の深層を描いた名作から二〇一〇年代の作品まで、経済小説の醍醐味を伝えるブックガイド。

抜粋:高度経済成長期に登場した経済小説は、疑獄事件や巨大企業の不正など、多種多様なテーマを描き続けてきた。城山三郎『小説日本銀行』、石川達三『金環蝕』、松本清張『空の城』など、戦後日本社会の深層を描いた古典的名作から、二〇一〇年代に刊行されたものまで、著者ならではの幅広い選書によるブックガイド。